五障
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経典での記載
法華経
『提婆達多品』では、女人の身に五障ありて、五の
又女人身猶有五障。一者不得作梵天王。二者帝釋。三者魔王。四者轉輪聖王。五者佛身。 (また女人身に五障有り、一には梵天王となることを得ず、二には帝釋。三には魔王。四には転輪聖王。五には佛身) — 鳩摩羅什訳 『妙法蓮華経』 提婆達多品
上の一節はシャーリプトラ長老が菩提を成就したという龍女に告げた文言である。女性の身で正覚を得たことが受け入れられないというシャーリプトラの目の前で、彼女は釈迦如来に宝珠を献上する。そして宝珠を献上する動作よりも速く、成仏を証すると語る。すると龍女がたちまちのうちに男性へと変じた。サンスクリット本では女性器が消え、かわりに男性器が生じる、という描写になっており、五者佛身にあたる部分は「ひるむことのない求法者の地位」となっている。この後龍女は南方の無垢(ヴィマラー)世界に向かい、そこで仏となって、仏身に現れる三十二相八十種好を備えた姿を明らかにした。この場面から『法華経』は「女人成仏」を説く仏典とみなされた。
五障三従
龍樹菩薩の大論九十九巻では、女人の
五障三従については、百八煩悩の根源は五障をもって因とし、十二因縁の流転は三従もって縁とすると存覚上人の女人往生聞書(1324年)にみえ、日本では過去長きにわたり教訓或いは戒めのひとつとされた。
諸仏の願に見える女人成仏
如来が仏になる前、菩薩であった時に立てたとされる願でもこの問題は取り上げられている。『無量寿経』(四十八願)や『薬師瑠璃光如来本願功徳経』(十二誓願)によると、菩薩だった時の阿弥陀如来(法蔵菩薩)と薬師如来は女性を一旦男性に転生させる、という形で女人成仏の願を立てている。
阿羅漢になった女性
女人五障以外の五障
『雑阿含経』(巻二十六、七〇七)と『大集法門経』(巻下の冒頭)にも「五障」の記述があるが、女人に備わるとされる上述の障害のことではない。『大集法門経』での五障とは、楽欲障、瞋恚障、睡眠障、悪作障、疑惑障である。『雑阿含経』では五障五蓋とあり、貪欲蓋、瞋蓋、睡眠蓋、掉悔蓋、疑蓋と記されている。