全体は緩-急-緩の3つの楽章より構成されている。
三善は、『遠方より無へ』において、7つの断片的楽想(動機)を挙げているが、これらは「主題」ではないと述べている。7つの動機は、様々な形で変形されることにより、作品の旋律的・和声的な側面を構成している[1]。
- 動機1:第1楽章冒頭に現れる[2]。チェロ、ヴィオラにより提示される「H-C-F」という音列と、チェロ、コントラバス、ピアノにより提示される「C-Es-Ges」という縦軸の和音からなる。
- 動機2:第1楽章、練習番号3に現れる[2]。フルートにより提示される「Des-B-A-As-C-D-Cis-Es-C-H」という音列からなる旋律である。
- 動機3:第1楽章、練習番号8に現れる[2]。ヴァイオリン、ヴィオラにより提示される「A-C-Gis-A-B」というリズミカルな音形である。
- 動機4:第2楽章冒頭に現れる[2]。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンにより提示される「H-C-F-Fis-E-G-Gis-Dis-A-D-Fis」という旋律である。
- 動機5:第2楽章、練習番号1に現れる[2]。2本のフルートにより提示される、「F-E、F-E」という同一音形のリズミカルな反復で始まる2声の旋律である。
- 動機6:第2楽章、練習番号8に現れる[2]。チェロとヴィオラにより提示される「D-Es-A-B-Fis-G-Des-C-H-F-Ges-Des-C」という音列からなる旋律である。
- 動機7:第3楽章冒頭に現れる[2]。フルート、ホルン、トランペットにより受け渡される「音色旋律」と、ファゴットによる対旋律との組合せからなる旋律(変奏曲の主題)である。
ABAの三部形式。A部分は弦楽器を中心に陰鬱な雰囲気をつくり、B部分では打楽器を多用しクライマックスを形成する。回帰するA部分では弦楽器と木管楽器とが対話し、チェロとヴィブラフォンが奏でるロ音上に静かに終結する。
特定の形式に当てはまらない急速な楽章。変拍子を多用しており、スケルツォ的な性質を持つ。性格の異なる動機4、5、6が様々に変形される。
変奏曲。前半部分では精緻な変奏が展開され、後半部分では速度を速めて高揚してゆく。第2楽章にも似た雰囲気のクライマックスを形成すると、急速に音量と楽器の数を減じ、細かくディヴィジされた弦楽器とフルートを中心に、静かな終結へと向かう。この楽章は吹奏楽でもよく演奏される。