ダイバート
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概要

以下のような場合に、ダイバートが発生する。
- 目的地の空港において、主に視程不良・横風制限など最低気象条件を下回ったことにより着陸ができない場合。
- 目的地空港の滑走路が航空事故や天災など、何らかの理由によって閉鎖されている場合。
- 何らかの理由により搭載燃料が不足し、目的地にたどり着けない場合[2]。
- 機内で急病人などの発生、機体異常の発生などで緊急に最寄空港に着陸する必要がある場合[3]。
- 目的地空港の運用時間が終了している場合(後述)。
離陸直後に機体や機内に異常が発生した場合では、出発空港に引き返す場合(この場合は「リターン」)もある。
代わりの着陸先としては、民間機の場合は他の空港へ、軍用機の場合は最寄の軍事基地が多いが、場合によっては軍用機が一般の空港(米軍・自衛隊などの何かしらの施設がある空港への着陸が一般的)へ、民間機が軍事基地(日本では在日米軍の横田基地・嘉手納基地、自衛隊の硫黄島航空基地(硫黄島分屯基地)など。この場合は一切降機できず、再出発を待つ)に着陸する場合もある。
日本の空港における「門限」とダイバート
日本の場合、成田国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、福岡空港など市街地に隣接して立地している空港は、地域住民を騒音から守るため「門限(Curfew)」が設けられている。成田空港では0時から6時[4]、伊丹空港では21時から翌7時[5]、福岡空港では22時から翌7時の間は[6]、離着陸が禁止されている。
これらの空港では「やむを得ない場合」などに限って「門限」を超えた着陸を認めているが[4][5][6]、そのような事情にあたらない場合は着陸を認めておらず、24時間運用している近隣の空港にダイバートするか、出発した空港に引き返すことになる。
福岡空港では、2023年2月に羽田空港発の日本航空(JAL)機が門限オーバーとなった際、ダイバートせずに羽田にリターンした事案がマスメディアによって報道され、問題視された[7]。2023年、JALとスターフライヤーは24時間運用を行っている北九州空港へダイバートする体制の整備を進め[8][9]、続いて全日本空輸(ANA)も福岡便が門限のため欠航した際、北九州空港への臨時便を運航する対応をとるようになった[10]。そのような場合、普段北九州空港に地上スタッフを配置していないANAは、提携関係にあるスターフライヤーに協力を依頼するほか、地上スタッフを福岡空港から移動させて対応している[11]。
対応
ダイバートが発生した場合、管理管制日誌にダイバートの処理に関する事項を記載することが"航空保安業務処理規程 第5 管制業務処理規程"にて規定されている[12]。
事前にダイバートの可能性があることを承諾の上で出発(条件付出発、主に目的地の気象の状況が悪い場合)することもあるが、原則として航空会社の責任で旅客を最終目的地まで送り届ける。
- ダイバート後も当該機が運航を継続する場合には、再出発の条件が整い次第、改めて目的地まで飛行する。当日中の再出発が不可能な場合や待機時間が長くなる場合には、航空会社の規定により宿泊場所や食事の手配が行われることがある。
- ダイバート後に当該機が運航を打ち切る場合には、代替便、後続便もしくは他目的地の別便などに搭乗することになる。また、バス・タクシー・列車などの航空機以外の手段が手配される場合がある。
目的地空港の雲底が低くダイバートの可能性があるとき、航空会社は運航乗務員をより上位のILSカテゴリー資格を持つ者に代えることがある。
その他
機内での暴力や携帯電話使用、喫煙、その他乗務員の指示に従わないなど航空法で禁じられている迷惑行為によるダイバートも起きており、この場合、着陸後に警察により逮捕され刑事責任を追及されたり、損害賠償を請求されることもあり得る。
一部の軍用飛行場にはダイバートを想定し、旅客運送で必須なIATA3レター空港コードが割り当てられている(在日米軍基地では、横田基地:OKO/RJTY、厚木基地:NJA/RJTA、嘉手納基地:DNA/RODNなど)。
スペースシャトルは、予定軌道に到達する前の中断や天候不良で予定した着陸場が使えない事態に備え、3000m級の滑走路を有する世界各地の空港や飛行場が緊急着陸場として指定されていた。空白地域を埋めるため、マタベリ国際空港のように空港規模と不釣り合いな滑走路が整備されたこともある。