仮装集団
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大阪勤音(勤労者音楽同盟)に所属している素晴らしい企画力を持った流郷正之は、同僚達が密かにフラクション会議を開いているのに疑問を感じ、背後に隠れた政治的色彩に翻弄されていく姿を描く。
小説の「人民党」は日本共産党をモデルにしていることが容易に想像される。実際に当初、共産党への取材も行った、後に取材ができなくなったことを、あとがきで記している。また、作中の勤労者音楽同盟(勤音)は勤労者音楽協議会(労音)を下敷きにした架空の団体であり、さらに勤音と対立する自由音楽連盟(音連)も、大阪音楽文化協会(大阪音協、当時)を念頭に置いた架空組織である(ただし、作者の山崎豊子は、モデルの存在を否定している)。
2024年現在、映像化されていない。山崎豊子の長編小説の中では、絶筆作品の『約束の海』と並んで一度もドラマ化・映画化されたことがない作品である。有名な『白い巨塔』と『華麗なる一族』(厳密に言えば『白い巨塔』と『続・白い巨塔』)に挟まれ、長編の類の中でも知名度が高くないが、政治の手で操られる集団の無気味なエネルギーを精力的に調べながら精密に描かれている。山崎自身は、本作において「書きにくい小説だった」と述べている。