先行技術調査
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実務における類型
研究開発・技術探索を目的とする調査
研究開発テーマの選定や研究開発の進捗管理の局面では、特許情報データベース等を用いて従来技術の把握や技術動向の確認が行われる。[3]
出願準備・権利化検討を目的とする調査
出願前には、出願予定技術が既存技術により特許性(新規性・進歩性)を否定されないかを確認し、出願の要否判断や請求項の検討に資する調査(出願前調査)が行われる。[5]
特許審査における調査
特許庁の審査官は、請求項に係る発明について新規性・進歩性等の判断を行うに当たり、先行技術調査を実施し、その結果を踏まえて判断を行う。[4][1]なお、特許庁は一部の特許出願に関する先行技術調査を登録調査機関に委託している。また、出願人が出願後に審査請求を行うか検討するにあたり先行技術調査を行う場合もあるが、この際には審査官と観点を同じくすることが重要であり、特許庁は出願人の便のために特定登録調査機関制度を設けている。
新規性・進歩性判断との関係
X文献・Y文献(国際調査等におけるカテゴリー)
国際調査報告(ISR)等では、引用文献にカテゴリー(X、Y、A等)が付され、Xは単一の文献によって新規性または進歩性を否定し得ると考えられる文献、Yは他の文献との自明な組合せにより進歩性を否定し得ると考えられる文献を指すと説明されている。[6]
無効資料調査及び侵害予防調査との関係
先行技術調査は、特許出願又はその検討段階において、発明の新規性及び進歩性の有無を評価することを主たる目的とする調査である。一方、無効資料調査及び侵害予防調査は、既に成立している特許権や事業実施に伴う法的リスクへの対応を主眼とする点で、調査の対象局面及び判断目的を異にする。[7]
無効資料調査
無効資料調査は、他者の特許権が事業活動の障害となるおそれがある場合に、その特許を無効とし得る先行技術(公知技術)や証拠資料の有無を探索する調査である。登録された特許であっても、出願前に公知であった技術が後に発見されれば、当該特許は無効とされる可能性がある。[7]
もっとも、無効資料調査では、既に特許審査において相当範囲の先行技術調査が行われた後で、なお審査官によって発見されなかった先行技術を探索する必要があるため、一般にその困難性は高いと想定されうる。また、近年は技術分野の細分化や情報量の増大により、先行技術資料の網羅的把握自体が困難になっていることも、無効資料調査の難易度を高める要因とされている。[8]
侵害予防調査
侵害予防調査(権利調査、クリアランス調査とも呼ばれる)は、自社製品・サービスの製造・販売又は事業実施に際し、他者の存続中の特許権等を侵害するおそれがないかを確認するための調査である。侵害予防調査では、特許請求の範囲を中心に、実施行為との抵触可能性を検討することが重要であり、漏れを最小限に抑えるため、網羅性を重視した調査が求められる。[7]
相互の関係
このように、先行技術調査及び無効資料調査、侵害予防調査は、その目的、評価基準及び調査手法に違いのあるものの、いずれも特許情報を基盤としている。このため実務においては、先行技術調査により把握された技術文献が、後に無効資料調査や侵害予防調査において参照される可能性もあり、研究開発段階から事業化、さらには紛争対応に至るまで、調査の目的に応じて相互補完的に用いられることとなる。