内反性乳頭腫
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尿路上皮癌よりはるかに稀な疾患である。日本の大学病院での症例研究を参照すると、27年間で48例の尿路系内反性乳頭腫が記載されている(Asano K et al, 2003)。同報告によれば患者年齢は24-82歳(平均56歳)であった。同様な傾向は欧米や他のアジア諸国からの報告でも共通している。ただし10歳代での発症例も少数記載されている。性別では男性に多い。喫煙歴、職業歴との関係は明らかでない。発生部位は圧倒的に膀胱三角部または膀胱出口部が多いが、尿管、腎盂粘膜、近位尿道にも発生する。尿路系以外では子宮頚管での類似腫瘍の発生が報告されている(Zamecnik M et al, 2002)。
症状
病理組織学的特徴
肉眼的には単発性が多く長径3mmから30mmの亜有茎性ポリープのことが多い(Chang CW et al, 2005)。二ヶ所に同時性または異時性に多発した例も報告されている。ポリープ表面は異型のない尿路上皮が被覆している。病巣は境界明瞭で、粘膜固有層に帯状または重積梁状に尿路上皮細胞の密な増殖が認められる。胞巣周囲の細胞は柵状配列を示す。


個々の細胞は類円形ないし長楕円形で、細胞異型は認められない。胞巣中心の腺様分化がしばしば認められる。繊細な線維性間質が介在している。免疫組織化学的にはp53の過剰発現は認められない。また、浸潤性尿路上皮癌で発現するアクチン結束蛋白であるFascin-1も陰性である(Tong GX et al, 2005)。
鑑別疾患リスト
尿路内反性乳頭腫の発生論
組織学的な類似から増殖性膀胱炎であるBrunn胞巣(Brunn’s nest)や腺性膀胱炎(cystitis glandularis)との関係が指摘されている。膀胱三角部や近位尿道に好発する点でも類縁性がある。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染との関係については、HPV type 18がPCRで陽性であったというデータが香港から報告されている(Chan KW et al, 1997)。