膀胱
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ヒトの場合
下腹部中央に位置。左右の腎臓からの尿管でつながり、尿が送られてくる。また、尿を外部に排出するために尿道がつながる。尿道への入口は膀胱頸部筋で閉じられる。
通常時は1時間あたり60mlの尿が腎臓から送られる。膀胱総容積の4/5程度蓄積されると大脳に信号が送られ、尿意を感じる。排尿時は腹圧を加えることで膀胱の筋肉が働いて内圧がかかり、膀胱頸部筋が開放、排尿に至る。
通常の膀胱の厚さは1.5cm程度だが、尿が蓄積されるにつれて薄くなる。満タン時には3mmまで薄くなり、この場合まれに衝撃で破裂する事がある。
容量
膀胱の容量は、成人で平均して最大500~600mlで尿意は250~300ml溜まると催すが、普段から尿意を我慢している人の場合は最大1L溜められる人もいる。
子供の夜尿症で、膀胱が小さいことが原因の場合、排尿をなるべく我慢させることで、成長とともに膀胱の容量が大きくなり、夜尿が治るケースがある。
膀胱の容量には男女間で有意な差は存在しないが、女子の場合は男子よりも尿道が短く、その分尿道括約筋の能力が制限されることから、尿意を自覚して以降実際に排尿を堪えるのが難しく、男子よりも頻繁に排尿する傾向が見られる[2]。また、尿道に炎症が生じた際に炎症が膀胱に届きやすく、男子では尿道炎で済む程度の症状であっても簡単に膀胱炎に進行しうる。さらに、解剖学的に尿道口に雑菌が侵入しやすいことからそもそも尿路感染症のリスクが高いことも相まって、女子は男子に比べて膀胱炎の罹患率が圧倒的に高い[3]。
このため、女子は男子以上に尿道口付近を清潔に保つ必要があるが、性器の構造上男子よりも排尿時に尿が残りやすく、男子のように振り落とすことができないため不潔になりやすいことから、排尿の度にトイレットペーパーを使用し、性器を拭く必要がある。また、野外での排尿はトイレットペーパーが使用できないため不潔にならざるを得ず、ティッシュペーパーを使用した場合を除いて前述の膀胱炎のリスクを高めるため、男子以上に衛生上推奨されない[4]。
水分の再吸収
(Watanabe etal 2016) らは、就寝中に尿(水分)再吸収が行われていることを示唆すると報告している[5][6]。この再吸収機構を解明し夜間頻尿治療へ応用する研究が行われている[6]。
利用
- ラグビーボールとサッカーボールは昔、豚の膀胱を膨らませた物を用いて球技のボールとしていた。
- 楽器としては、バグパイプ[7]、ルバーブ (楽器)[8]
- 金属チューブが発明される(1841年)までは、豚の膀胱が絵具入れとして利用されていた(チューブ (容器)#歴史)[9]。
- 中世には窓として木枠で張られて使用された[10]。
- 耐水性を持たせやすく、もともと袋としての形状を持っていることから、古来より動物の膀胱は水筒の材料として利用されてきた。
- 豚の膀胱は細胞外マトリックスとなり、身体の切断された部位に塗ることでそこが復元する。詳しい原理はわかっていないが、米国では再生医療の1つとして実用化されている。
関連する疾患
参考文献
- Watanabe, Hiroki; Azuma, Yuji (2016). “Periodical measurement of urine volume in the bladder during sleep: Temporary volume reduction suggestive of absorption”. International Journal of Urology 23 (2): 182-187. doi:10.1111/iju.12999.
- 渡辺泱「現行の膀胱と尿道の解剖学と生理学を見なおす」『超音波医学』第44巻第1号、日本超音波医学会、2017年、5-16頁、CRID 1390282680176194944、doi:10.3179/jjmu.jjmu.r.86、ISSN 1346-1176。