内柴事件

From Wikipedia, the free encyclopedia

内柴正人 > 内柴事件

内柴事件(うちしばじけん)は、オリンピック柔道男子金メダリストであり九州看護福祉大学女子柔道部コーチであった内柴正人2011年に起こした事件[1][2]である。

2011年9月中旬に九州看護福祉大学女子柔道部は三泊四日の合宿に東京都八王子市のホテルで女子部員4人[注釈 1]内柴正人コーチと男性コーチらが参加していた。同年9月19日から9月20日にかけて内柴コーチが関係者と飲食店やカラオケボックスで19歳だった女子部員Aへ酒を飲ませ、「ぐったりして一切動きの無い状態であり、ほとんど意識の無い状態」[3]のAを背中に担いでホテルの部屋に戻り二人きりになった際に性行為を行った。

2011年11月8日、九州看護福祉大学女子柔道部において内柴コーチによる女子部員へのセクハラ疑惑がマスメディアで報じられる[4]。2011年11月29日、九州看護福祉大学は内柴のセクハラ行為に関する調査結果について、未成年女子部員の飲酒を黙認し、その後セクハラ行為を行ったとし、内柴に対し懲戒解雇処分を発表した[5][6][7][8]

内柴は事件前の2003年3月に結婚していたが[9]、事件による逮捕後の一審裁判中の2012年12月に離婚したと報じられた[10]

元女性部員が九州看護福祉大を運営する学校法人に約4780万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こし、2017年3月9日に京都地裁は「(大学が内柴を)相当の注意をもって監督したとは認められない」として慰謝料など約480万円の支払いを命じる判決を言い渡した[11]

刑事裁判

12月6日準強姦容疑で警視庁逮捕された。内柴は「納得いかない。合意だった、俺はやっていないんだ。」と容疑を否認[12]12月27日東京地検は同罪で内柴を起訴[13][14]12月29日東京地裁は内柴の保釈請求を却下[15]2012年3月30日東京地裁は内柴の保釈請求を再び却下[16]

第一審・東京地方裁判所

2012年9月12日、東京地裁の初公判が行われ、内柴は「合意の上で行為に及んだ」と無罪を主張[17]。同年12月21日の結審まで7回の期日が指定された。

まず、検察の冒頭陳述では、内柴が抵抗するAの口をふさぎ室内のテレビの音量を上げて姦淫後には「犯されたんじゃないよな」と口止めを強要してきたことが述べられた[18]。さらに、公判の過程で、

  • 事件直前に飲食店で内柴が主導する形で生ビール15杯・巨峰サワー8杯・焼酎2本・ワイン2本を計7人で急速に酔いが回る一気飲みのルールで飲んでいたこと
  • 内柴が「口裏を合わせてでも、本当も嘘も使ってかばってほしかった」「そもそも俺がインポってことにすれば…」などと隠蔽工作を疑わせる内容の携帯メールを男性コーチら関係者に送信していたこと
  • 内柴の指示によって大学の師範室などに隠してあったアダルトグッズ、アダルトDVDや避妊具の処分を男性コーチに行わせており、内柴が教え子と常態的に性的行為に及んでいた疑惑があること
  • 内柴が過去に交際した女性に認知はしていないものの子供の養育費を送っていたこと

が明らかになり[19]、また翌朝に謝罪され5万円を渡されたとするAの証言が読み上げられた[18]

また、事件の当日の合宿先のホテルではA以外にも女性部員B及びCとも性行為をしており、合宿に参加していた女子部員4人中3人と性行為を持っていたことが明らかになった。Bとは合宿以前から交際関係にあった(内柴は既婚者だったが、Bは「柔道部内の『本妻』」と報道されている[19])ものの、Cは、「就寝中に乱暴された。拒否すれば指導を受けられなくなると思い、抵抗できなかった」と述べ、当初は被害届を提出していたが、「話すのも辛い」として被害届を取り下げている[18][20]

12月26日検察側は「指導者としての品性のかけらもなく、卑劣極まりない犯行だ」と述べ、懲役5年を求刑した。

2013年2月1日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)は、以下の理由で求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡した。

まず、内柴が「被害者がカラオケ室内で口淫行為をして誘ってきたから性交した」と主張していた[3]ことに対しては、被害者はほとんど酔いつぶれて寝ている状態で何らかの行動をできるというような状態にないこと、および、カラオケ室内での口淫行為という異常な行動がとられれば目にとまらないはずがないが、カラオケ室内にいた内柴の「親しい後輩」[3]2人がいずれも被害者による口淫行為を目撃していないこと[3]から、「被告人の発言は、被害者が当時酔いつぶれていて意識を失っていたことを利用しての虚言といわざるを得ない」[3]と判示された。結局、裁判長は、「被告人の公判供述は信用することができない」[21]、「被告人は指導者の立場にありながら、被害者の心情を無視した被告人の行為は悪質である」[22]など内柴側の主張を全面的に退けた。内柴側は引き続き無罪を主張、即日東京高等裁判所控訴した[23]

第二審・東京高等裁判所

2013年10月4日東京高裁(金谷暁裁判長)で控訴審初公判が行われたものの、弁護人側が求めていた被告人質問の機会と新たな証拠の採用がことごとく却下された。審理はわずか30分ほどで終了して、即日結審となった[24]12月11日、「被告の無罪主張は不合理、信用出来ない」との趣旨で控訴棄却。内柴側は即日上告[25]

終審・最高裁判所

2014年4月23日付で、最高裁判所は被告人側の上告を棄却する決定をした。懲役5年の実刑とした一審、二審判決が確定することとなる[26]

各方面の対応

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI