分人主義

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分人主義(ぶんじんしゅぎ、: dividualism、ディヴィジュアリズム[1])は、芥川賞作家の平野啓一郎2010年前後から提唱している主義[2]。単一の「本当の自分」というものは存在せず、職場・学校・家族・SNSなど対人関係ごとに見せる顔どれもが「本当の自分」である、という考え方[1][3]アイデンティティ・クライシス英語版に対する答え方の一つとされる[2][4][5]

分人主義は、平野のエッセイ『私とは何か』や、小説『ドーン』『空白を満たしなさい』『ある男』で提唱された[1][6]

「分人」と似た概念に「キャラ」「仮面」「ペルソナ」があるが、これらは「キャラを演じる」「仮面をかぶる」といった風に、単一の「本当の自分」を前提にしているため、似て非なる概念である[7]

分人(dividual)とは他者との相互作用のなかで生まれる人格である[8]。人間は「複数の分人の集合体」である[9]。西洋近代の個人主義individualism)が個人を分割不可能なものとみなすのに対し、分人主義は個人を分割可能なものとみなす[10]

関連概念に、心理学用語の「多元的自己」[11]文化人類学用語のdividual[11]ドゥルーズ鈴木健の「分人」(: dividuels[12][11]ミードゴフマンの人間観[1]浜口恵俊の「間人」[13]などがある。

影響など

高校国語教科書でも分人主義がとりあげられている[2][14]

分人主義に言及している人物に、伊勢田哲治[1]小粥太郎[15][14]佐藤航陽[14]佐藤友美[16]田内学[17]中井孝章[14]バーチャル美少女ねむ[14]広瀬正浩[2]松村圭一郎[14]若林正恭オードリー[18][19]らがいる。

荒木優太は、分人主義は丸山眞男のいう「無責任の体系」の問題に直面している、と批判的に分析している[20]

参考文献

外部リンク

脚注

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