効果的利他主義センター
From Wikipedia, the free encyclopedia
|
Centre for Effective Altruism | |
| 略称 | CEA |
|---|---|
| 設立 | 2011年 |
| 設立者 | ウィリアム・マッカスキル、トビー・オード |
| 種類 | 非営利組織(慈善団体) |
| 本部 | イギリス オックスフォード、トレジャン・ハウス |
| 重要人物 | ザカリー・ロビンソン(CEO) |
| 上部組織 | Effective Ventures Foundation |
| ウェブサイト |
www |
効果的利他主義センター(こうかてきりたしゅぎセンター、英語: Centre for Effective Altruism、略称:CEA)は、効果的利他主義の原則を促進し、そのコミュニティを育成・支援するイギリスの非営利組織である。オックスフォードに本部を置き、Effective Venturesのプロジェクトのひとつとして運営されている。
効果的利他主義センターは、世界の最も重要な問題について真剣に考え、それらの解決に向けて行動する人々のグローバルなコミュニティを構築・育成することをミッションとする組織である。CEAは直接的なプログラムを実施する慈善団体ではなく、効果的利他主義運動そのものを構築・支援するメタ慈善団体として機能している。具体的には、国際会議の開催、世界各地のローカルグループへの支援、オンラインフォーラムの運営、メディアとのコミュニケーション支援などを主要な活動としている[1]。
CEAの拠点はオックスフォードのトレジャン・ハウスに置かれており、同建物にはフォアソート財団、AIガバナンスセンター、グローバル・チャレンジズ・プロジェクト、グローバル優先事項研究所(オックスフォード大学の一部でもある)など、効果的利他主義運動に関連する多くの組織も入居している[2]。
設立の経緯
効果的利他主義センターは2011年に、オックスフォード大学の哲学者であるウィリアム・マッカスキルとトビー・オードによって設立された。その直接の契機は、当時すでに存在していたGiving What We Canと80,000 Hoursという二つの組織の傘下となる統括団体を設立する必要性であった[2]。
2011年11月、両組織のメンバーが集まり、この新たな傘下団体の名称を議論・投票によって決定した。その際に「Centre for Effective Altruism(効果的利他主義センター)」という名称が採択されたが、これがいわゆる「効果的利他主義」という用語が現在の意味で使われた最初の事例とされている。当時は「最適慈善(optimal philanthropy)」「合理的利他主義(rational altruism)」といった用語が一般的であり、統一された名称はまだ存在していなかった[3]。
歴史
設立期(2009年〜2014年)
- 2009年、トビー・オードとウィリアム・マッカスキルがオックスフォードでGiving What We Canを設立した。
- 2011年、80,000 Hoursが設立された。同年、両組織の統括機関としてCEAが設立され、この過程で「効果的利他主義」という用語が生まれた。
- 2015年、EA Globalカンファレンスシリーズの運営を開始した[4]。
組織再編(2016年〜2020年)
- 2016年、Giving What We CanがCEAに統合された。
- 2018年、LessWrongのコードベースをもとに効果的利他主義フォーラムの新バージョンを公開した。コミュニティ・ヘルス・チームを主要プロジェクトとして正式に位置づけた。
- 2020年、Giving What We CanとEA Fundsを独立した運営体制のもとで再出発させた(引き続き運営支援は行った)[4]。
拡張と危機(2022年〜)
- 2022年、各プログラムが急速に拡大した一方で、CEAに多額の助成を行っていた暗号資産取引所FTXが経営破綻し、創業者サム・バンクマン=フリードが逮捕された。これを受け、イギリスのチャリティ・コミッションがEffective Ventures Foundationへの法定調査を開始した[5]。
- 2024年5月、調査は終結した。受託者たちがFTXから受領した資金を適切に隔離し、法的義務を誠実に履行していたことが確認された。EVFはFTXから受領したすべての資金(合計2680万ドル)をFTX破産財団に返還した[6][7]。
主な活動
イベント・会議
CEAはEA Global(EAG)およびEAGxというカンファレンスシリーズを運営している。EA Globalはアドミッション審査を通じた選抜制であり、通常2〜3日間開催され、講演、ワークショップ、ネットワーキングなどが行われる。一方、EAGxはコミュニティ主導で組織されており、地域的な焦点を持ちつつCEAが資金や運営支援を提供するという形で、より広い参加者層を対象としている[8]。
グループ支援
CEAは世界数十カ国の200以上の効果的利他主義グループを支援している。大学グループ向けには「大学グループ・アクセラレーター・プログラム(University Groups Accelerator Program)」を提供し、8週間のメンタリングを通じてグループ・オーガナイザーおよびそのグループの活動加速を支援している[2]。
オンラインプラットフォーム
CEAは効果的利他主義フォーラムを構築・運営しており、効果的利他主義に関するアイデアや研究の活発な議論の場となっている。また、effectivealtruism.orgと効果的利他主義ニュースレターも運営しており、ニュースレターの読者数は5万人以上に達している[9]。
コミュニティ・ヘルス
CEAはコミュニティ・ヘルス・チームを設け、コミュニティ内で生じる問題の防止や当事者支援に取り組んでいる。メディア対応や効果的利他主義に関するコンテンツ制作の支援も担っている[1]。
組織構造
CEAはEffective Ventures Foundation(EVF)のプロジェクトとして運営されている。EVFはイギリスおよびアメリカに法人を持つ。
- Effective Ventures Foundation(UK)
- イングランド・ウェールズ登録慈善団体(登録番号:1149828)
- Effective Ventures Foundation USA Inc.
- 米国501(c)(3)組織(EIN:47-1988398)
Effective Venturesのエコシステムには、80,000 Hours、EA Funds、Giving What We Can、Asterisk、AIガバナンスセンター、Longview Philanthropy、フォアソート財団、BlueDot Impact、Non-Trivialといった組織が含まれている[9]。
2024年2月、ザカリー・ロビンソンがCEAのCEOに就任した。ロビンソンはそれ以前にOpen Philanthropyのチーフ・オブ・スタッフを務め、Effective Ventures Foundation USAのCEOも兼任している[2]。