半導体戦争

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発行日 2023年2月(原書:2022年10月)
発行元 ダイヤモンド社(原書:Scribner)
半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防
著者 クリス・ミラー
発行日 2023年2月(原書:2022年10月)
発行元 ダイヤモンド社(原書:Scribner)
ジャンル ノンフィクション
日本(原書:米国)
言語 日本語(原書:英語)
ページ数 552(原書:464)
コード ISBN 9784478115466(原書:ISBN 9781982172008
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半導体戦争』(原題:: Chip War: The Fight for the World's Most Critical Technology)は、経済史家であり保守系シンクタンクアメリカン・エンタープライズ研究所英語版」の非常勤上級研究員、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院教授でもあるクリス・ミラーによる2022年のノンフィクション書籍[1]

現代生活において半導体がいかに不可欠な要素へと変貌を遂げたかを綴っている[2]。ミラーはいくつかの地政学的争いを詳細に記述している[2]。『半導体戦争』は半導体産業の歴史と構造とを概説し、事前知識のない読者にも有益な背景情報を提供する[3]。本書は広く好評を博し、数多くの著名な評論家から称賛を受けた。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーリスト入りを果たしたほか、2022年フィナンシャル・タイムズ・ビジネス書オブ・ザ・イヤー賞英語版外交問題評議会アーサー・ロス書籍賞、米国電気電子学会(IEEE)2024年歴史賞を受賞している [4][5][6][7]

クリス・ミラーはタフツ大学フレッチャー校の教授であり、経済史家、さらにワシントンD.C.のシンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ研究所の上級研究員である[6]ハーバード大学で歴史学の学士号を取得後、イェール大学で歴史学の修士号および博士号を取得した[8]。彼の学術的経歴とモスクワ新経済学校英語版での教職経験により、特に半導体産業における戦略・防衛問題に関する専門知識を身につけた[9]

ミラーは冷戦を研究する中でコンピュータ技術と半導体に興味を持つようになった。当時、米国とソビエト連邦は高度な自律誘導兵器に多額の投資を行っていた[10]。彼はこの軍拡競争が、コンピュータ技術とますます高性能化する半導体の開発競争によって推進されていることに気づいた[10]。彼の研究によれば、2022年現在も企業や政府は戦略的目的で最先端チップを開発・製造する競争を続けている[10]。この状況が現在の地政学的状況と関連している点が、ミラーに『半導体戦争』執筆の着想を与えたのである[10]

歴史的背景

半導体産業は、1947年にベル研究所ショックレーらによってトランジスタが発明され、その後複数のトランジスタを単一のシリコンチップ上に配置することで最初の集積回路が開発されたことで誕生した[2]。カリフォルニア州で急成長する産業が形成され、間もなく労働集約的な作業はアジアへ外注されることとなった[2]。その後数十年で新たな技術革新が半導体の性能を加速させ、産業の成長を牽引した。ソ連や日本などが米国に挑む世界的な競争でも、シリコンバレーに対抗することはできなかった[2]

2000年代初頭までに、中国は米国の優位性に対する最大の脅威となった。特に台湾製半導体チップへの依存を減らすため、巨額の投資を行っている[11]。世界の先進論理回路半導体チップ製造の大部分は台湾が占めており、これは主に台湾積体電路製造(TSMC)の台頭によるものである.[12]。2022年現在、TSMCは世界最大かつ最先端の半導体製造業者である[2]

概要

『半導体戦争』の主題は、現代経済が半導体に大きく依存しているとするところにあるとする[2]。ミラーは本書の冒頭で半導体の初期の開発状況を概説し、冷戦競争が業界の起源を形成した経緯を示す[13]。また、初期の革新を推進した重要な技術者や国家戦略にも焦点を当てる[13]。続いて、欧州、日本、中国、台湾といった国々の政治的・経済的・技術的戦略が、現代の半導体産業をいかに形成したかを検証する[13]。本書は、現代の半導体供給網の高度に集中した性質と、特に中国と米国間の先端製造をめぐる地政学的緊張を分析することで締めくくられる[13]

ミラーは、この業界における支配権の争いが将来の時代に大きな影響を与えると予測されていると説明する[2]。同書はまた、中国が輸入半導体に依存していることによる脆弱性を強調し、中国の半導体輸入支出が石油輸入額を上回っている点を指摘する[14][15]

批評家の反応

本書は批評家から非常に高い評価を得ている。フィナンシャル・タイムズのデメトリ・セバストプロ記者は、複雑な産業を理解しやすくした点を称賛した[16]。セバストプロと『グローバル・ポリシー英語版』誌は共に、半導体に関する政治的背景と歴史にについて本書が提供する詳細な記述を高く評価する[16][17]。セバストプロは、米国内だけでなく、この技術のサプライチェーンの大部分を支配するアジア諸国における半導体産業の変動を詳細に描いたミラーの手法に評価を示した.[16][18]。グローバル・ポリシー誌は『半導体戦争』を、半導体産業の地政学に関する現時点で最も包括的な書籍の可能性があると評価した。同誌は、シリコンバレーにおける産業のささやかな起源から、主に台湾海峡周辺に集中する現在の「武器化された相互依存英語版」状態に至るまで、ミラーの広範な網羅性を認めている[17]カークス・レビューズ英語版は本書を重要な警告と位置付け、米国が技術的優位性を失いつつあるというミラーの主張を強調している[19]グレゴリー・マンキューも本書を高く評価し、経済学と政治学の両面における重要性を強調している[20]

しかし、本書の欠点を指摘するレビューも存在する。バリー・アイケングリーンは『フォーリン・アフェアーズ』誌に寄稿した記事で、ミラーが流暢な語り口を見せていると認めつつも、彼が本書を完成させたのは、中国の先進的な半導体製造技術へのアクセスを制限する目的で米国が最近導入した政策が実施される前であった点を強調している[21]。アイケングリーンはまた、本書が米国の輸出管理が中国半導体産業英語版の成長を抑制する潜在的な有効性について結論を出しておらず、またこれらの措置が中国に産業支援の強化や台湾に対する強硬措置を促す可能性があるかどうかも結論付けていないと指摘した[21]

受賞・受章

脚注

関連項目

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