合成開口レーダー
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合成開口レーダー(英語: SAR ; Synthetic Aperture Radar、ごうせいかいこうレーダー)とは、航空機や人工衛星に搭載して利用するレーダーの一種で、レーダー装置側が直線移動することを利用して装置の実際の開口面(レーダーの直径)よりも大きな開口面を持つ仮想的なレーダーとして機能する観測装置。
一般的なレーダー(実開口レーダー)の特徴である雲や降雨の透過、昼夜を問わず観測に使用できるという特徴に加え、合成開口技術によって同じ大きさのレーダー装置よりも極めて高い解像度をもって対象を観測することが可能であり、地球観測衛星の分野においては、可視光や赤外線を観測する光学観測衛星と相互に補完するような位置づけで利用される[1]。
レーダーに使用されるLバンド、Cバンド、Xバンド、Kuバンド(25mm - 250mm程度)等は可視光や赤外線(400 - 1400nm程度)に比べて波長が長く雲や雨粒などを透過するため天候の影響をほとんど受けずに地表や海面の観測ができる。しかし、電磁波による観測の分解能は波長に比例するため、同じ大きさのレーダーアンテナと光学レンズで比較するとレーダーの方が10万分の1程度と大幅に性能が劣る。この欠点を補うにはアンテナの直径を極めて大きくする必要があるが、これをアンテナを実際に大きくすることによってではなく、アンテナが直線的に移動することを利用して解決したのが合成開口レーダーである。
合成開口レーダーの基本的な考え方は、観測装置が直線移動する経路上に仮想的なアンテナを多数並べたものとみなすことにある。経路(観測衛星であれば周回軌道)を移動中にパルス状の電波の送信と観測対象からの応答の受信を繰り返し、受信した電波強度の時系列データから事後的な信号処理によってドップラー効果等を考慮して合成し、高い分解能の画像を取得する。「小さな開口面であるアンテナを合成して大きな開口面であるアンテナを実現する」ことから「合成開口」と呼ばれる。これは移動方向の分解能向上であるアジマス圧縮の説明で、移動方向と直交方向の分解能向上であるレンジ圧縮効果は、短時間で送信波の周波数を変化させて擬似的にドップラー同様の効果を実現して得る。取得した信号データは複雑で膨大なデータ量となる[2]ためそのままでは利用することができず、必要な処理演算が高負荷であったが、計算機の処理能力やアルゴリズムの発達につれて広い目的に用いられてるようになった。
用途
干渉合成開口レーダー
逆合成開口レーダー
レーダーアンテナの移動ではなく、相手側の移動や姿勢変化を利用して分解能を高める逆合成開口レーダー(ISAR:Inverse SAR)がある。
