国民の僕 (テレビドラマ)

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俳優ウォロディミル・ゼレンスキーは、ヴァシリ・ゴロボロジコ大統領(Vasily Goloborodko)役と影武者Grisha役として出演後、実際の2019年ウクライナ大統領選挙で当選した。

国民の僕』(こくみんのしもべ、ウクライナ語: Слуга народу英語: Servant of the People)は、ウクライナテレビドラマ

ウクライナのテレビ局「1+1」で放送された[1]。第1シーズンは2015年プライムタイムで放送された[2]2017年に第2シーズンが、2019年に第3シーズンが放送された。また2016年に「国民の僕 第2部(Слуга народу 2)」として映画化されているが、これはその翌年に放映されるシーズン2の第8話~第15話の展開を先行公開したものである。

ウクライナの歴史担当の高校教師がひょんなことから大統領選挙立候補して当選、大統領となって正義感あふれる政治行動でウクライナを立て直すストーリーである。

コメディ俳優であるウォロディミル・ゼレンスキーが企画し、脚本担当に携わり、俳優として主人公を演じた[3]

作中では中流階級が出現し始めた不平等な国の市民が日常的にぶつかる沢山の困難が巧みに取り入れられており[4]、政治をゲームとして扱うオリガルヒ(新興財閥)、オリガルヒの駒として動く政治家、蔓延する縁故主義、浪費される税金、放置されたインフラ脱税に奔走する資産家などウクライナ社会の腐敗と現状に怒りを覚える国民を描き出している。作品中で主人公に啓示を与える存在として、エイブラハム・リンカーンチェ・ゲバラユリウス・カエサルイヴァン雷帝などの人物が登場する。

作中には外国の政治家(ウラジーミル・プーチンバラク・オバマアンゲラ・メルケル)に関する一部の言及を除き、経験してきた革命とめまぐるしい政治状況のかすかな反映が見られるものの、時代設定は正確な年がいつの時代のウクライナがわからないようになっている[5]

作中の登場人物は主にロシア語を話している[5]。ウクライナではウクライナ語が唯一の国家語とされている一方で首都・キーウ(キエフ)を含めた中部や東部ではロシア語話者が多く、成長の見込める市場であるロシアを含めたロシア語圏に幅広い活路を見出すことができるためである[6]。そのこともあり、この作品は対ロシア政策という意味では政治的立場を鮮明にしない制作スタンスとなっている[6]。ロシア語を採用したことで、30年前からロシア語で日常生活を送っている40歳以上の世代の心をつかみ、ウクライナの中部と東部のウクライナ語とロシア語の両方を使う地域に住む非エリートであるウクライナの大衆層の人気を集めた[7]

クレジットタイトルに名前はないが、テレビ局「1+1」のオーナーであるオリガルヒのイーホル・コロモイスキーが制作費を提供している[8]

日本ではNETFLIXで劇場版含め全篇を視聴することが出来る。

あらすじ

第1シーズンは選挙で授業を妨害された主人公のヴァシリ・ゴロボロジコが、怒りに任せて政権批判を行う様子を隠し撮りした映像が投稿され、インターネットで拡散したことが導入部になっている。主人公を取り込もうとするベテラン政治家の手から徐々に離れ、閣僚を刷新して政権を確立するまでの3か月間を描いている。

第2シーズンは首相チュイコの逮捕後、IMFによる支援を受ける程に悪化したウクライナ経済を立て直すべく、汚職の一掃を目指す姿が物語の中心になっている。終盤では大統領を辞任したゴロボロジコが再び大統領となるべく、選挙戦に臨む様子が描かれる。

第3シーズンは、解説パートである「将来のウクライナ」2049年と、ドラマ本篇である「現代」の2019年を行き来しつつ、政敵の仕掛けた冤罪で政権を追われたゴロボロジコが大統領に復帰、母国の分裂と財政破綻を乗り越えるまでが描かれた。

主な登場人物

ゴロボロジコ家

ヴァシリ・ペトロヴィチ・ゴロボロジコ
演 - ウォロディミル・ゼレンスキー
本作品の主人公。シリーズの殆どの期間でウクライナの大統領を務める。元々は生徒からの信頼も篤い高校の歴史教師で、大統領就任後も歴史上の英雄たちの幻を見て啓示を受ける時がある。ある時大統領選挙が授業を妨害した事で、利権の絡むウクライナの政治に対する批判を(放送禁止用語を交えて)同僚にぶちまける。これを生徒が隠し撮って動画共有サイトに投稿された結果、再生数が急増。当初は生徒やその親たちの「もし先生が立候補したら投票する」という言を意に介さなかったが、冗談のつもりで行った立候補の結果、本当に大統領に当選してしまう。第1シーズン第1話は、普段通りの生活を始めようとする彼の下に、首相のチュイコが訪れ大統領当選を伝えるところから始まる。
大統領当選後は、このきっかけの通り、オリガルヒの跋扈するウクライナの政治を変革すべく、汚職や脱税の一掃やインフラの整備等を中心に、真にウクライナ国民の為になる政治を行う「国民の僕」として奮闘していく。また自分含めた政治家・議員の特権についても廃止し、自らもバス(後にボディガードであるトーリャのピックアップトラック)に乗って通勤する。ただ施策の為には巨額の予算が必要となる為、金策について思い悩む場面が多い。
これらの方向性から、既存の最高議会議員やその背後にいるオリガルヒから総じて好かれておらず、自らの法案の成立を何度も阻止されている。また理想だけで突っ走るあまり、国民の為に行った施策や決断が結果として逆効果になる場合もあり、支持率が低迷し父親を始めとした国民にバッシングを受けるシーンも多々存在する。加えて真面目で正直すぎるきらいもあり、資金借り入れの条件に受け入れがたい提案をしてきたIMFの専務理事に「くたばれ」と公で発言してしまい、国内で物議を醸し結局はそれが自らの辞任へ追い込んでしまうことにもなる。だが旧友など彼を良く知る人々はそれが彼の美徳である事を知っており、慕われている。
シーズン1では、汚職に関わっていた全閣僚を更迭し、新たに民間から閣僚を募集。ほぼ確定というところまでいくが、彼らが首相の息が掛かっていた者である事を知り、元妻・ミスチェンコを含めた自らの旧友から閣僚を構成する前代未聞の内閣を発足させる。終盤では自らを支える首相でありながら、オリガルヒと議員たちの間の実質的な取り仕切り役だったチュイコをテレビの討論番組の生放送中に汚職のかどで逮捕し、政権発足100日を迎える。
シーズン2ではオリガルヒとの対決が増え、劣勢に立たされる場面が多い。自らが逮捕したチュイコに秘密の司法取引を持ち掛け、彼の策でオリガルヒの離間計を試みる。終盤ではIMFの専務理事を先述の経緯から撥ねつけたのち、政権運営が上手くいかず大統領の職を辞任するが、旧友たちの支えもあり大統領選に改めて立候補する。自らを裏切ったスリコフと一騎打ちとなったうえ敗北するものの、その選挙結果に不正があった事が示唆される。
シーズン3の2話まではスリコフにより政治犯として投獄され刑務所暮らしになり、チュイコと再会。巧みに受刑者の待遇を改善させ大喝采を浴びるなどしたが、ウクライナの政情不安に巻き込まれた挙句、最終回第3話で遂に大統領に復帰。チュイコや旧友たちと政権に戻り、28の小国家に分裂したウクライナを再統一させようと奔走する。
ペトロ・ヴァシリエヴィチ・ゴロボロジコ
演 - ヴィクトル・サレイキンウクライナ語版
ゴロボロジコの父親物質主義的で酒好きのタクシードライバー。息子が大統領に就任すると、贅沢が出来ると見込んで居住するアパートの部屋を引き払い液晶テレビを購入するなどする。だが当の息子が大統領としての特権を認めていない為、息子が大統領になっても旨味が無い事を真の原因として、その施策や、息子に汚職の疑いが出た時など、よく口論になっている。だが親子としての情は心の中では深く、息子が大統領を辞職した際は心配になり彼の部屋を訪れたり一緒に釣りをしたりし、また大統領選の資金として25,000ドルを出そうと申し出たりしている。
マリア・ステファニヴナ・ゴロボロジコ
演 - ナタリヤ・スムスカ英語版
ゴロボロジコの母親。激しやすい夫と違い、比較的冷静に大統領の息子を見守るが、彼の施策が原因となって定年を越えても働かなければならなくなった際には不満を顔に出している。
スヴィトラナ・ペトリヴナ・サフノ
演 - カテリナ・キステンウクライナ語版
ゴロボロジコの妹。離婚歴があり一人娘のナターシャが居る。よく兄やその旧友たちに憎まれ口を叩いている。大統領の妹である事を利用して、サニンを脅して税務関係の公務員に就いたことがあるが、やり方が苛烈だったためすぐに職を兄に解かれた。

政府関係者

ゴロボロジコ派

ヴァシリの旧友
オリヤ・ユリイヴナ・ミスチェンコ
演 - オレナ・クラベツ英語版
ウクライナ国立銀行総裁。チュイコが逮捕されたのち臨時首相にも就任する。ゴロボロジコの旧友にして元妻。
ゴロボロジコとの離婚後も、彼との間に設けた子・ディマを育てている。そのディマとゴロボロジコを月一度会わせるシーンで初登場するが、その後閣僚一新の際「銀行員だから」という理由で彼によって国立銀行の総裁に選ばれ、職務に当たることになる。更にシーズン2前半では逮捕されたチュイコの代わりとして臨時首相職を兼任する事になる。
基本的にゴロボロジコに対してビジネス的な態度を崩さないが、彼がアナと愛人関係になっている際には嫉妬する様な描写もある。閣僚として彼の意見に異を唱えることもあるが、基本的に付き合いの長い元夫・旧友として彼を信じて行動している。
副総裁であるスリコフには冷淡だったが、金塊庫で彼と閉じ込められたことを機に徐々に彼への信頼と恋心が芽生え、逆にゴロボロジコを嫉妬させている。その後ゴロボロジコによって彼が首相になった後も関係が続いていたが、シーズン2の終盤で彼がゴロボロジコを裏切って自ら大統領になる権謀術数を巡らすようになると、その証拠を持ち出して元夫たちの下へ走り、訣別。以降はゴロボロジコ当選に向けて彼や仲間たちと行動を共にし、シーズン3で彼が大統領に復帰すると国立銀行総裁職に戻り、財政面からウクライナの再生を支えた。
セルゲイ・ヴィクトロヴィチ・ムーヒン
演 - イェブヘン・コショヴィ英語版
ウクライナ外務大臣でゴロボロジコの旧友。
元々は売れない役者をしていたが、民間から募集した閣僚候補が全てチュイコの手先である事を知ったゴロボロジコによって就任を打診されこれを受ける。以降、あらゆる国家・国際機関との窓口になり、その度秘書であるオクサナの手を借りながらも自らの仕事をやり遂げていく。
親友であるゴロボロジコの真面目さ・美徳を彼の親以上に理解し、彼を信じている。特にシーズン2では、IMFの支援枠をギリシャと争い接待合戦を繰り広げたり、その後支援を勝ち得た後も、ウクライナ中でオリガルヒの離間策を行うために会議に遅れるゴロボロジコの為、IMFの専務理事を数日間に渡って酒を用いて足止めさせるなど、活躍の機会が多い。
秘書であるオクサナとの仲は当初険悪だったが、次第にお互いを異性として認識するようになり、シーズン1の終盤では恋人同士に、シーズン2では彼女の両親に彼女との結婚を認めてもらおうと会食の場に臨んでいる(この会食の場で、先述のIMF理事接待合戦が始まってしまう)。
シーズン3ではゴロボロジコが逮捕されたのち、仲間たちと政治亡命するが、ゴロボロジコ釈放を求めて彼らと共にEUへのロビー活動を行う。ゴロボロジコが大統領に復帰すると外務大臣に再び就任。彼の下でウクライナの再生を目指し、再び職務に勤しむようになる。
ミハイロ・イヴァノヴィチ・サニン
演 - ユーリ・クラポフウクライナ語版
ウクライナ財務大臣英語版でゴロボロジコの旧友。
元々税務調査官の職に就いており、その調査の綿密さと正確さは群を抜いていたが、国税調査官の汚職まで明らかにしてしまった為に上司から疎まれ、解雇されてしまっていた。そこでゴロボロジコから財務大臣就任の打診を受け就任。
国立銀行総裁であるミスチェンコと共に財政面でゴロボロジコを支える他、その経歴を活かして汚職・脱税に絡んだ公務員の洗い出し・捜査を監督する立場にもなり、保安局長のタスニャンと短期間でこれらの犯罪行為を暴き、その罰金を国家予算に回す確かな腕前を持つ。
シーズン2でゴロボロジコが失職し出直しで大統領選に臨む際も、選挙資金を管理する役割を持つなど彼を支え、シーズン3でゴロボロジコが大統領に復帰すると財務大臣に再就任、再び財務方面からウクライナの再統一と再生を行った。
ミハイル・アショトヴィチ・タスニャン
演 - ミハイロ・ファタロフウクライナ語版
ウクライナ保安庁長官でゴロボロジコの旧友。
アルメニア系ウクライナ人。前任だったゴロボロジコたちの教師であるニーナ・エゴロフナが不祥事を苦にして失踪するとゴロボロジコに請われ、同職に就く。捜査能力に優れておりサニンとの協働で汚職・脱税議員を調べ上げる。就任後最初の仕事も、他のゴロボロジコ選出の大臣たちにオリガルヒから渡された賄賂を調べ上げ、それを打診した人間、すなわちオリガルヒの命で賄賂を持ち掛けた人物を逮捕する事だった。
以降も重大事件の折に活躍しており、シーズン2ではゴロボロジコとチュイコへの司法取引を彼から聞かされそれを知る数少ない人間となり、計画を裏からサポート。逃亡を防ぐ電気ショック付足輪を彼に付けたり、計画完遂後に出国するチュイコに別人名のパスポートを渡す役割を担ったりするなど活躍していた。
ウクライナ語ロシア語に慣れていないのか、ちょくちょく言い回しや諺を間違って諳んじ、周囲から訂正されている。
イワン・アンドリヨヴィチ・スコーリク
演 - オレクサンドル・ピカロフ英語版
ウクライナ国防大臣でゴロボロジコの旧友。
元々はウクライナ軍の一大尉であった。軍の高級官僚が乗る車のタイヤを外して売り、その金で穴の開いた部下の靴を新調するなど、ゴロボロジコに負けず劣らずの真面目さ・行動力を併せ持った人間で、その件で上司から降格を告げられそうになっている場面でゴロボロジコと再会、国防大臣に就任する。
ヒステリー気味の妻が居り、賄賂を受け取らなかった事や大臣として特別の便宜を受けないことを責め立てられているが、尻に敷かれている訳ではなく、毅然としてそれらを撥ねつけるなどの分別と正義感を持っている。
シーズン2でゴロボロジコが改めて大統領選に出馬すると仲間たちと共にサポート、移動手段・選挙本部として廃車寸前のバスを調達してその運転手となり、親戚に依頼してバスのキャンペーンイラストを描いてもらうなど、ゴロボロジコの選挙活動を大きく支える。シーズン3最終回でゴロボロジコが大統領に復帰すると彼も国防大臣に再就任する。
その他
オクサナ・スコヴォロダ
演 - ジュコフツォワ・オルガ・ウラジミロヴナウクライナ語版
外務大臣補佐官。ムーヒンの秘書
ありとあらゆる要人の気質、関係国の儀礼や慣例に明るい有能な外交補佐官。全くの素人であるムーヒンに厳しくマナーや交渉相手の情報を叩き込んでいる。当初は自分の言う事を聞かず正式な会合の場でもジョークを飛ばすムーヒンを快く思っていなかったが、徐々に恋心が芽生え、シーズン2では彼を結婚相手として両親に紹介するまでに至っている。ゴロボロジコの事も信頼しており、官僚が軒並み彼を好かない中でも、ムーヒンと共に彼の力となった。
シーズン2後半のゴロボロジコの大統領選活動では、候補たちが罵り合うだけの討論会には赴かず、母校に木を植える活動を投稿して支持率上昇を狙う作戦を提案し成功させるなど、外交以外の面でも優れた能力を発揮している。
ユーリイ・イワノヴィチ・チュイコ
演 - スタニスラフ・ボクラン英語版
物語開始時点でのウクライナの首相[注釈 1]。何十年ものキャリアを持つベテランの政治家。
第1シーズン第1話で、大統領に選出されたゴロボロジコを自宅に迎えに現れ、以降政治家として全く素人の彼にあらゆる外交儀礼や政治家としての心構えを教えていく。これまでの政治家の常識とは違う彼のスタンスに振り回されるが、先例から冷静に彼を指南しようとしていく。
実力と立場を兼ね備えた大物であるが、一方で他の政治家の例に漏れず、脱税などを当然のように行っている汚職政治家でもあり、またオリガルヒの手先として動き、最高議会の議員を統括し指示を出す立場にある。だがシーズン1最終回でゴロボロジコに汚職の証拠を掴まれ、生放送の場で逮捕された。
だが彼を失った政治的影響は大きく、ゴロボロジコの失策が続くにつれ彼の釈放を望む声も大きくなっていく。シーズン2では、オリガルヒと仲違いした事で懲役20年の刑を下され、独房に秘密裏に建てさせた豪奢な部屋で悠々自適の生活をしていた。だが自分の後任の首相が無能なカラシウクになりそうな事を知り、自らの秘密裏の刑期免除・国外への出国を条件にゴロボロジコの提案を受け入れ、オリガルヒの離間策を彼に授ける。自らの死を偽装し、共に計画を進めていく中で彼との信頼関係が徐々に生まれ、計画の完遂後には彼に「あなたは良い人だ」とまで言われるほどになった。その後イタリアカプリ島で暮らしていたが、大統領選挙の時期に帰国、首相のスリコフと対面する。最終回でそのスリコフの代わりとしてゴロボロジコの討論相手となりサプライズ登場、スリコフの意の通り彼と行った司法取引を暴露しゴロボロジコを窮地に追い詰めテレビ討論会から去らせるが、同時に国民に真から向き合った政治家はゴロボロジコだけだったとも語り、スリコフに対して一方的に負けていた彼の支持率を復活させる要因を作った。これはゴロボロジコを当選させる事には繋がらなかったものの、国民がスリコフに選挙不正を疑わせる事には繋がった。
シーズン3では再収監され、スリコフの謀略で刑務所に収監されたゴロボロジコと再会。暗殺されそうになった彼の窮地を救い、ウクライナに政治混乱が起きていく様子を彼と見守っていた。刑務所に民族主義者が襲撃した際に射殺刑に処されそうになったが、その後首相として正式な大統領・ゴロボロジコを彼の独房に迎えに行く。以降最終回でもゴロボロジコ大統領の下、首相として再び奉職。28もの小国家に分裂したウクライナの状況を彼に説明し、己の人脈を用いて全ウクライナサミットを彼と共に開催する。以降はゴロボロジコや閣僚と、ウクライナを再統一・発展させていく。
トーリャ
演 - ヘオルヒー・ポボロスキー
大統領警護官。ゴロボロジコのボディーガード
以前からその任に当たっていたが、ゴロボロジコが「自分にボディーガードは要らない、経費を無駄にするだけ」とボディーガード隊を解体したため失職していた。その後妻が必死で彼の復職をゴロボロジコに依頼する中、彼と話している最中に偶然不良が襲い掛かりこれの撃退に成功。以降、ゴロボロジコ唯一のボディーガードとして、自らの愛車であるピックアップトラックで送迎等も行うなど、彼の身辺警護を一人で担っている。
無口で滅多に口を開かず、秘密も漏らすことがないため、シーズン2でオリガルヒの離間策を行っていた際には、数少ないチュイコの生存を知る者として、両者の警護を(チュイコに対しては監視役も)務め、オリガルヒの差し向けた刺客を相手に無双の活躍を見せる。
その後ゴロボロジコの大統領辞職に伴う別れの際にはそれを惜しみ、その後文部大臣の警護に回されていたが、その大臣に侮られ下に見られたことから、大統領再選を目指すゴロボロジコチームの一人として彼を支えることを決断する。
子ども受けが良いようで、ゴロボロジコの代わりとしてディマと一日遊んだ際には心から楽しみ、帰宅後に「子供が欲しい」と言って妻を抱いている。
ベラ・ルドルフヴナ
演 - ヴァレンティナ・イシュチェンコ
シーズン1における大統領秘書。これまで5人もの大統領に仕えてきた老獪の秘書で、大統領執務室を訪れる人々のコーヒー紅茶の好みを熟知していることをはじめ、ゴロボロジコが口を開く前に彼からの頼み事を片付けているほどの実力を持つ有能さを持つ。シーズン2以降は登場しない。

反ゴロボロジコ派

ドミトロ・ヴァシリョヴィチ・スリコフ
演 - ドミトロ・スルツィコフ
ウクライナ国立銀行副総裁。ミスチェンコの部下。後にシーズン2後半で首相、更に大統領へ就任する。
シーズン1序盤でゴロボロジコによって国家公務員が解雇される中残った、数少ない高位職の男性。以降は総裁に就任したミスチェンコの部下として振る舞うが、金庫の金塊が偽物である事を悟られまいとするなど、多かれ少なかれ汚職に手を染めていた模様。
当初はミスチェンコから冷淡に接されていたが、シーズン1終盤で彼女と恋仲になる。
シーズン2中盤でオリガルヒの首相候補指名を何とか退けたゴロボロジコから任命され、正式にチュイコの後を継ぐ首相に就任するが、同時にオリガルヒへの接近も開始。表ではゴロボロジコに協力しつつ、自らの大統領就任の為に手段を選ばないエゴイストの一面を次第に露わにし、遂に彼を巧みに利用した自らの策によって大統領候補の筆頭にまで躍り出る。その傲慢さはオリガルヒにさえゴロボロジコへの協力を行わせるほどであった。最終回で全体の2/3近くもの票を集めて大統領に当選するが、その票集計には不正があったことが示唆されている。
シーズン3第1話では目論見通りゴロボロジコを政治犯として投獄、最高議会の各派閥と裏取引を交わしてウクライナを支配するが、次第にその傲慢なやり方が目立ってくるにつれて議員たちから叛旗を翻され、最終的にリゾート地から閣僚を怒鳴りつける様子を隠し撮りされる事になる。その真の姿は、国民中から溜まりに溜まった不満を爆発させ大規模なデモが頻発、遂には辞職して政治亡命する。その後ウクライナが28もの小国に分裂すると、そのうちの一つ「黒海連邦」の元首としてゴロボロジコと再会する。
アンナ・ミハイロヴナ
演 - ハリナ・ベズルク英語版(第1シーズン)、アナスタシア・チェペルユク(第2シーズン)
開発局局員→大統領政治顧問。ゴロボロジコの愛人
シーズン1にて開発局局員としてゴロボロジコと邂逅、その美貌で彼を虜にするが、実はオリガルヒの命を受けて彼の破滅を目論む、所謂ハニートラップである。実際に政策立案面では有能であり、ゴロボロジコも政治顧問にまで抜擢した。ミスチェンコからは嫉妬の目を向けられている。
シーズン1の最終回では彼の恋人として彼の実家での夕食に参加するまでになっている。その後シーズン2でチュイコを秘密裏に解放する話を彼女の前でした後、チュイコの乗った(と思わせた)トラックが爆破された事から、遂にゴロボロジコも彼女がオリガルヒ側の人間であると悟り、彼女を投獄するに至った。その後、終盤でオリガルヒたちによって解放され、オリガルヒの一員・ネムチュクとゴロボロジコが懇意にしていると暴露し証拠のビデオまで発表(実際はゴロボロジコの影武者であるグリシャを用いた偽物のビデオである)、彼の大統領選活動に影響を与える。

オリガルヒ(新興財閥)

アンドレイ・ニコラエヴィチ・ネムチュク
ミハイル・セミノヴィチ・ロイズマン
ルスタム・アショトヴィチ・ママトフ
演 - ユーリイ・グレベルニク(ネムチュク)、ドミトリー・オスキン(ロイズマン)、ウォロディミル・ゴリャンスキー(ママトフ)
ウクライナを牛耳るオリガルヒ(新興財閥)の三人組。影響は政治のみならず、財界・マスコミなど多方面に渡る。ウクライナ最高議会の殆どの実権を三人で分け持ち、自分たちのいい様に政治を動かしウクライナ中に汚職と賄賂を蔓延らせた張本人たち。
シーズン1からあの手この手を用いてゴロボロジコとその旧友たちを陥れようと企むが、 本格的にゴロボロジコの前に立ちはだかるのはシーズン2。序盤で裁判官を買収しチュイコを懲役20年にさせるが、彼に完全に裏切られゴロボロジコと組まれてしまう。彼らの策によって3人の均衡が破れ仲違いするが、ゴロボロジコのミスによってその目論見に気づき、刺客を差し向ける。その後ロイズマンは汚職のかどでゴロボロジコに逮捕され、大統領選の最中に彼を殺害しようとした罪でママトフも逮捕される。最後まで残ったネムチュクは、手を組んだはずのスリコフが手に負えなくなり、ゴロボロジコに彼のスキャンダルを提供する協力をする。
シーズン3でもウクライナに君臨しているが、度重なる大統領交代の結果ウクライナで政情不安が拡がるにつれ、影響力が弱くなっていく。最終的にウクライナが28もの小国に分かれると完全に影響を失うが、ロイズマンはそのうちの一つ「ウマン・ユダヤ自治共和国」の元首としてチュイコやゴロボロジコと再会する。

その他

第1シーズンが2015年に放送された4年後の2019年、ドラマで主演を演じたゼレンスキーがウクライナ大統領選挙に立候補して当選し、現実がフィクションのテレビドラマに追いついたと評された[9]。ゼレンスキーが大統領選挙立候補前の2017年に設立していた政治団体名として「国民の僕」を政党登録していた。

脚注

参考文献

外部リンク

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