堂目卓生
日本の経済学者 (1959-)
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経歴
岐阜県生まれ。1983年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、1985年に京都大学大学院経済学研究科修士課程を修了した。1988年3月、同博士後期課程を単位取得退学。1991年3月、京都大学から経済学博士の学位を取得した。博士論文は「古典経済学の模型分析―リカード、マルサス、シスモンディの動学理論」[5][1][6]。
1989年に立命館大学経済学部助教授、1996年に大阪大学助教授となり、2001年12月に大阪大学教授に就任した[7]。2013年から2015年まで経済学史学会代表幹事、2015年から2017年まで大阪大学大学院経済学研究科長・経済学部長を務めた[8]。
2018年1月、大阪大学が設置した社会ソリューションイニシアティブ(SSI)の設置準備と設置後の運営を中心となって進め、2026年までSSI長を務めた[9]。2019年に大阪大学栄誉教授の称号を授与され、同年秋に紫綬褒章を受章した[10][11]。
2025年3月31日付で大阪大学大学院経済学研究科を定年退職し、同年4月からSSI特任教授(常勤)となった[12][1]。2026年にSSI長を退任し、以後はSSI特任教授を務める[2]。同年5月、一般社団法人いのち会議代表理事に就任した[3]。
日本学術会議連携会員を2006年から2010年まで務め、2023年から第26期連携会員を務めている[13]。
研究
初期には、デヴィッド・リカード、トマス・ロバート・マルサス、シスモンディの成長・分配理論を、現代的な模型分析によって研究した。1992年の『古典経済学の模型分析』では、3人の動学理論について、理論上の結論が成立する条件や解釈上の仮定を検討した[14]。
その後、18世紀後半から19世紀のイギリスにおける租税、政府支出、公債を研究し、スチュアート、スミス、ベンサム、マルサス、リカード、マカロック、J・S・ミルの公共財政思想を比較した。研究成果をまとめた The Political Economy of Public Finance in Britain, 1767–1873 は、2005年に日経・経済図書文化賞を受賞した[15]。
『アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界』(2008年)では、『道徳感情論』の「同感」と「公平な観察者」を基礎として『国富論』を読み、両著を社会の秩序と繁栄に関する一つの思想体系として再構成した[16]。同書は2008年にサントリー学芸賞政治・経済部門を受賞した[17]。経済学者の野原慎司は、同書が、スミスにおいて経済活動が人間関係と道徳的自己規制に支えられていることを明瞭に描いたと評している[18]。
2010年代以降は、スミスからジョン・スチュアート・ミル、アマルティア・センへとつながる「共感」の思想史を研究している。近年は、私有財産と自由な選択を維持しながら共助社会を支える「共感資本主義」「共感経済」を提唱している[19][20]。
社会活動
SSIでは、人文・社会科学を軸に、自然科学、企業、行政、市民団体、学生が共同して社会課題を発見・検討する事業を進めた[21]。また、文部科学省の「人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト」でプロジェクト・マネージャーを務めた[22]。
また、大阪大学総長補佐としてSDGsおよび大阪・関西万博に関する活動に携わった。2023年3月に大阪大学と関西経済界などが発足させた「いのち会議」では、事業実行委員会委員長を務めた。2025年10月には、万博会場で「いのち宣言」と103件のアクションプランが発表された[23]。万博後の2026年5月、活動を継承する一般社団法人いのち会議の代表理事に就任した[3]。
受賞歴
主要著作
単著
- 『古典経済学の模型分析―リカード、マルサス、シスモンディの動学理論』有斐閣、1992年
- History of Economic Theory: A Critical Introduction, Edward Elgar, 1994.
- The Political Economy of Public Finance in Britain, 1767–1873, Routledge, 2004.
- 『アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界』中央公論新社〈中公新書〉、2008年[16]
共著・編著・分担執筆
- 日本経済新聞社編『経済学 名著と現代』日本経済新聞出版社、2007年。「アダム・スミス『国富論』」を分担執筆
- 経済学史学会ほか編『古典から読み解く経済思想史』ミネルヴァ書房、2012年。共編・分担執筆[26]
- 堂目卓生・山崎吾郎編『やっかいな問題はみんなで解く』世界思想社、2022年[27]
- Andrej Zwitter and Takuo Dome, eds., Meta-Science: Towards a Science of Meaning and Complex Solutions, University of Groningen Press, 2023.[28]
- 内田浩史・堂目卓生『SDGsの時代における「価値」と「経済的価値」』神戸大学出版会、2023年[29]