シアヌル酸クロリド

From Wikipedia, the free encyclopedia

シアヌル酸クロリド(シアヌルさんクロリド、: Cyanuric chloride)は、化学式(NCCl)3で表される複素環式化合物の一種で、塩化シアヌルとも呼ばれる。1,3,5-トリアジン塩素化された構造で、塩化シアン三量体ともみなされる[2]除草剤の合成原料などとして使用される。

概要 物質名, 識別情報 ...
シアヌル酸クロリド
Cyanuric Chloride
Skeletal formula of cyanuric chloride
Ball-and-stick model of the cyanuric chloride molecule
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.003.287 ウィキデータを編集
EC番号
  • 203-614-9
RTECS number
  • XZ1400000
国連/北米番号 2670
性質
C3Cl3N3
モル質量 184.40 g·mol−1
外観 白色の結晶ないし粉末
匂い 刺激臭
密度 1.32 g/cm3
融点 144–148 °C (291–298 °F; 417–421 K)
沸点 192 °C (378 °F; 465 K)
水と反応する[1]
溶解度 有機溶媒に溶ける
テトラヒドロフランへの溶解度 0.34 g/mL
クロロホルムへの溶解度 0.17 g/mL
構造
単斜晶
危険性
GHS表示:
腐食性物質急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)
Danger
H302, H314, H317, H330
P260, P261, P264, P270, P271, P272, P280, P284, P301+P312, P301+P330+P331, P302+P352, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P320, P321, P330, P333+P313, P363, P403+P233, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 0: Will not burn. E.g. waterInstability 1: Normally stable, but can become unstable at elevated temperatures and pressures. E.g. calciumSpecial hazard W: Reacts with water in an unusual or dangerous manner. E.g. sodium, sulfuric acid
3
0
1
引火点 不燃性
致死量または濃度 (LD, LC)
485 mg/kg (ラット, 経口)
安全データシート (SDS) ICSC 1231
関連する物質
関連するハロゲン化トリアジン シアヌル酸フルオリド
シアヌル酸ブロミド
関連物質 シアヌル酸
メラミン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  ☒N ?)
閉じる

製造

シアン化水素から塩化シアンを経て、高温の炭素触媒の存在下で三量化する2段階の合成法で製造される。

2005年には20万トンが製造された[3]

用途

シアヌル酸クロリドの70%が、アトラジンなどのトリアジン系農薬の製造に使用されていると推定される。

他のトリアジン系除草剤のシマジンアニラジンシロマジンなども、同様の方法で作られる[4]。また、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体をはじめとする、合成洗剤製紙工程で使用される蛍光染料[3]架橋剤の前駆体ともなる。多くの反応染料はトリアジン環を有し、塩素の置換反応により製造される[4][5]

有機合成

特殊な用途として、有機合成化学においてアルコールを塩化アルキルに、またカルボン酸アシル塩化物に変換するための試薬として使用される[6]

脱水剤や、カルボン酸アルコールに還元する用途もある。ジメチルホルムアミドとともに加熱すると、ゴールド試薬( Me2NCH=NCH=NMe2+Cl )を生じる。これは、アミノアルキル化剤の原料や複素環式化合物の前駆体となる[7][8]

塩素は容易にアミンに置換され、メラミンの誘導体を与える。デンドリマーなどの合成に使われる[9][10]

Cyanuric chloride based dendrimer

また、アデノシン受容体の実験的な合成において、リガンドとして使用される。[11]

Example use cyanuric chloride in pharma WO 03101980 patent

スワーン酸化においては、塩化オキサリルの代替として使用することができる[12]

水中では加水分解し、イソシアヌル酸を生じる[13]

脚注

Related Articles

Wikiwand AI