大中華膠

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大中華膠(だいちゅうかこう、ダー ジョンホア ジャオ)、別名中華膠または中共膠とは、大中華主義中国共産党を自発的に支持する海外華僑中国語版ネットユーザーを指す言葉である。この言葉には侮蔑的な意味合いが含まれており、特にマレーシアシンガポールの華人コミュニティで広く使われている[1]

ここでのとは、論理や常識に反する言論、また「自分は中国人である」「中華民族である」と他人にも強制するような強い所有欲を表す。異なる国籍民族の人々をあいまいにひとまとめにして中華民族と称する傾向がある。代表的な発言としては、「どこの国籍に変わっても、あなたの体の中には中国人の血が流れている」とか、「華人である限り、中国を支持しなければならない」などがある。こうした人物たちは、世界中の中文ネットのコメント欄に出没している。

「大中華膠」は必ずしも社会主義共産主義を支持しているわけではないが、多くは中国共産党もしくは中国国民党の支持者である。というのも、彼らはこの2党が他の中国の政治勢力よりも中国の大一統思想に近いと考えているためである。したがって、政治スペクトル上では極右に位置づけられる。

「中華膠」という言葉は、香港のネットユーザーが使う「左膠中国語版」から派生したものである。「左膠」は左派的な理想主義を過度に強調しすぎて思考が硬直している人を指す。その「膠」は、香港のネットスラングである「硬膠」から来ており、「硬膠」は広東語の罵倒語「戇鳩(アホの意)」の当て字・諧音で、愚かさを意味する[2]

起源と変遷

「中華膠」という現象の起源は、20世紀初頭の中国人の海外移住にまでさかのぼる。海外で定住した華人が、中国に対して特別な「中国情結」(または大中華主義的な)イデオロギーを持ち続ける現象を指している。

これは中国民族主義とは異なり、中国国籍を持つ者はすべて中華民族に属するとする主張や、中国共産党・国民党の統治文化に憧れを抱く人々を含む[3][4]

また、一部の華人は、人種的不平等や差別の多い環境の中で、外部に存在する強大な中国に自分たちを守ってもらいたいという願望を抱き、近年の中国の台頭とその影響力の拡大により、民族的な誇り(いわゆる「大中華情結」)が強まった[3][4]

インターネットとグローバル化の時代になると、ネット上の情報はさまざまな統一戦線的なプロパガンダの影響を受けやすくなった。そのため、ネットユーザーが中国(共産党)を盲目的に礼賛し、その言論を擁護するようになる傾向が見られる(中港矛盾中国語版も参照)[5]

2019年には香港2019年-2020年香港民主化デモが大規模に発生し、マレーシア・シンガポール地域のネット上でも賛否両論の立場を持つネットユーザー同士で激しい議論が展開された[6]

一部のネットユーザーは中国共産党大外宣中国語版(対外宣伝)政策に歩調を合わせ、中国政府や共産党の主張に傾倒し、中国の利益を盲目的に賛美する言論を展開した。こうした現象は「中共膠」と揶揄されることもある。

論調の特徴

「中華膠」の主な論調は、あらゆる親中国的な現象を支持する言論が中心である。人種平等を掲げながらも、実際には移民労働者難民に対して差別的であり、宗教面ではイスラム教キリスト教に強い恐怖心や敵意を抱いており、クリスマスに対しても執拗に批判を加える。たとえば、キリスト教文化が中華文化を消し去ったと主張したり、「孔子の誕生日こそが本当のクリスマスだ」とする意見も見られる[7]

また、「中立」を装いながら、わざと事実を混同させたり歪曲する手法も用いる。たとえば、「中共膠」という呼称の本来の意味をねじ曲げ、それを批判する人々があたかも「すべての中国人を攻撃している」と訴えることで、批判の矛先をそらそうとする[8]

民主主義体制の国に住み、言論の自由を享受していながら、中国の言論統制を擁護し、むしろ非民主的な体制こそ正しいと主張する場合すらある[8]

よく見られるもう一つの主張としては、「祖国は中国だ」と強調するものがあり、祖籍と祖国という概念を意図的に混同させる。また、中国以外の地域に住む華人を二等公民と見なす傾向もある[9]

そのため、「中国(中共)が強くなれば、全世界の華人が恩恵を受ける」と信じている[9]。また、「中国は西洋の民主主義制度を必要としていない」として、自らの優越性を強調する言論も見られる[10][11][12]

中華膠はまた、大一統思想への強い執着を示し、台湾独立運動新疆独立運動香港独立運動などの民族独立運動に対して反対、時には憎悪的な姿勢すら取る。さらに「中共膠」は、繁体字使用者を侮辱したり、「中国語を使うな」と反対派に言い放ったりすることもあり、彼らを漢奸(裏切り者)とみなすことさえある[11]

もっとも、「中共膠」の言論の根底には、中華文化文明中国の歴史、伝統に対する強い愛着や情熱が存在する。そして、中華文明は他のすべての文明よりも優れていると信じている場合もあるが、他の文化の存在や発展を必ずしも排斥しているわけではない[12]

社会的評価

関連項目

脚注

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