尿膜管
From Wikipedia, the free encyclopedia
尿生殖洞 (urogenital sinus) のうち、膀胱と尿道の間の部分は、中腎管(ウォルフ管)や、これに付随する腎杯憩室の末端を吸収し、これによって、膀胱三角部 (trigone of urinary bladder) や尿道前立腺部 (prostatic urethra) が発達する。 膀胱と尿道の間の残りの部分は、膀胱や尿道前立腺部の一部となるが、最上部は細い管となって臍まで延び、これは後に、尿膜管が正中臍索 (median umbilical ligament) を形成する過程で、痕跡なく消えてしまう。
病理
膀胱は発生したあと、徐々に骨盤腔内に下降する。この際に尿膜管は引き延ばされて索状に延長しつつ、閉鎖する。尿膜管の内腔の退縮閉鎖がうまく行かない場合には、尿膜管開存の状態が残る(尿膜管遺残)。膀胱の下降が不十分なこともある。臍からの尿漏れは、尿膜管遺残の明白な兆候であり、開存する尿膜管は外科手術により除去する必要がある。尿膜管遺残は無症状であることも多いが、時に感染を合併して臍炎や膿瘍を形成する[2]。成人の約2%に尿膜管遺残が認められる。 (尿膜管遺残には)解剖学的には、4つの形態がある。
- 尿膜管嚢腫 (Urachal cyst):(開存部が)膀胱にも臍にもつながっていない。
- 尿膜管瘻 (Urachal fistula):膀胱と臍がつながっている。(開存部が膀胱にも臍にもつながっている。)
- 尿膜管憩室 (Urachal diverticulum, Vesicourachal diverticulum): (開存部が)膀胱につながっている。[3]
- 尿膜管洞 (Urachal sinus):(開存部が)臍につながっている[4]。
尿膜管は、新生物に冒されることもある(尿膜管癌)。尿膜管癌の発生率は0.14-0.27%とされ、膀胱頂部での頻度が高い。移行上皮癌ではなく、腺癌であることが多い。手術による腫瘍摘出術が第一選択であるが再発率は約40%と高い。予防的に遺残尿膜管を切除することもある。

