山中与幽人対酌
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解釈
題の「幽人」は、俗世間を避けて山奥に住む隠遁者を指す[1]。
世俗を離れた山中で[6]花に囲まれながら隠者と二人で親しく酒を酌み交わす様を詠んでいる[3]。俺はもう酔ったから帰れと無造作に相手を帰してしまうあたり、それだけ気の置けない友人関係がうかがえると共に[7]、李白の天衣無縫さも見て取れ[1]、世俗の義理や作法を離れた[8]高雅な境地が表現されている[6]。
浮世離れした李白の人物像を語る上で酒は欠かせないものであり、この作品は「詩仙」と呼ばれた彼の自在な生きざまを鮮やかに映し出している[1]。
起句
承句
- 「復」 - 何度も[3]。
転句
結句
承句の「一杯一杯復一杯」は、平仄も、同じ字は二度使わないという絶句の規則もわざと無視するという[6]、李白らしい型破りな表現を用いている[6](これにより、七言絶句でなく古詩とする説もある[3])。単純な同語反復でリズミカルに畳みかけることにより[1][11]、二人で差しつ差されつ杯を交わしながら[6]次第に酔いが回るさまを巧みに表現している[1]。
転句は、李白と共に愛酒詩人の双璧として知られる[12]陶淵明の故事に倣ったものである[10][6][12]。沈約の『陶潜伝』によると「潜の家にやって来る者には、貴賤を問わず、酒があればふるまった。そして、潜がもし先に酔ってしまえば、客に、私は酔っぱらった、眠りたいので帰ってくれ(我酔いて眠らんと欲す、卿去る可し)、といった」とある[13]。
結句も、陶淵明が弦の無い琴を愛でたいわゆる無弦琴の故事を踏まえているのかもしれない[6]。