岩波明

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岩波 明(いわなみ あきら、1959年2月18日[1] - )は日本の医学者医師。専門は、精神医学。学位は、医学博士。 精神保健指定医、精神保健判定医、日本精神神経学会専門医、日本精神神経学会指導医。
昭和医科大学医学部精神医学講座主任教授、元昭和医科大学附属烏山病院病院長。現昭和医科大学保健医療学部特任教授。

神奈川県横浜市生まれ[1]神奈川県立湘南高等学校、1985年3月東京大学医学部を卒業、4月より東京大学医学部附属病院精神神経科医員。1987年より東京都立松沢病院精神科などで臨床経験を積む。1993年「覚醒剤精神病の事象関連電位[2]」で東京大学医学博士

1994年より昭和大学医学部精神医学講座講師。1999年に東京大学大学院医学系研究科精神医学分野講師、2000年に同大学助教授。2002年より1年間、ドイツユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク精神科へ留学。2004年、藍野学院大学設立準備室・医療保健学部教授。2007年、埼玉医科大学精神医学教室准教授。2008年に昭和医科大学医学部精神医学教室准教授、2012年より主任教授。2013年、付属病院烏山病院でADHD専門外来と専門プログラムを開設。2015年より付属烏山病院長を兼務[3]。2017年に上梓した『発達障害』は16万部を超えるベストセラーを記録[4]

2020年、日本成人期発達障害臨床医学会を立ち上げ、理事と事務局を受け持つ。2021年より複数の民間クリニックの発達障害専門外来においても、完全予約制で診察を担当。
2024年3月で主任教授と烏山病院長を退任、4月より同大学保健医療学部特任教授として認知機能研究、青年~成人期発達障害の研究を主に、臨床も継続している。

主な研究分野

専門は精神生理学。精神疾患における認知機能障害、成人期発達障害

所属

  • 昭和医科大学医師会 理事[5]
  • 日本精神神経学会 関東地区代議員(~2024年)[6]
  • 日本臨床神経生理学会 代議員(~2024年)[7]
  • 日本生物学的精神医学会 評議員[8]
  • 日本精神科診断学会 関東地区評議員[9]
  • 東京精神医学会 理事(2013年~2024年)[10]
  • 日本神経精神薬理学会 評議員[11]
  • 日本司法精神医学会 評議員[12]
  • 日本成人期発達障害臨床医学会 理事[13]
  • 東京都ギャンブル等依存症対策推進委員会 委員(2023年)[14]

人物

  • 演劇や文学に造詣が深く、英文学・日本文学問わずミステリを中心に多読。近現代作家や作品の登場人物の病識を分析・考察した著書も出版。演劇のパンフレット等への寄稿、書評や解説、監修など多数行っている。
  • 精神医学誌だけでなく、一般総合誌やビジネス誌、文芸誌等への提言・寄稿も行う。著名人との対談、専門領域に関するインタビューも多く受けている。
  • テレビ、ラジオ番組に専門家として出演。主に精神疾患があるとされる事件容疑者についてのコメント、司法における精神鑑定や医療制度、大人の発達障害に関するものが中心。
  • 自身を出版関連の小さいメディア側に属する人間であると認識。新しい巨大メディアであるSNSを中心としたネットは、想定する対象や方針が違うので、姿勢を考慮しているとしていた[15]

主張・思想

教育

  • いじめや不登校が減少しない、制度疲労を起こしている学校の在り方を柔軟に見直すべきである[16]
  • 義務教育では教師の目が届きやすいようクラスは20人程度に、スクールカウンセラーを常時勤務にし、現場の負担を軽減させる提案を著書に著している。

医療

  • 発達障害の誤診に対しては、複数の著作内で繰り返し苦言を呈している。
  • 精神分析家のカウンセリングに対しては、やや批判的立場を取る。

社会・司法

  • ネットにおける著名人・芸能人へのバッシングについて「寛容さのない、冷たい冬の国になりつつある」と批判する。その根源には「日本社会の不自由さ」があるとして、バッシングなどの不寛容さや過労自殺が「日本独自の現象」と喝破している[17]
  • 従来の事件における被告人に対する刑事責任能力(心神耗弱・喪失)の精神鑑定・精神医療の現状と制度について、警鐘を鳴らしている[18][19]

著書

単著

文庫版(新潮文庫 2007年2月)ISBN 978-4-10-130571-4
文庫版(新潮文庫 2008年11月)ISBN 978-4-10-130572-1
文庫版(新潮文庫 2011年4月)ISBN 978-4-10-130573-8
文庫版(幻冬舎 2021年12月)ISBN 978-4-344-43142-3
文庫版(新潮文庫 2013年)ISBN 978-4-10-130574-5
増補改訂版(宝島社 2022年6月)ISBN 978-4-299-03055-9

共著

  • 『ポケット図解 心理学がよ~くわかる本「心理学」の本当の面白さがわかる!』飯田英晴 共著(秀和システム 2008年1月)ISBN 978-4-7980-1855-3
  • 『精神鑑定と司法精神医療』加藤進昌 共編「症例報告 強姦事件を起こしたアスペルガー障害の一鑑定例」谷将之、常岡俊昭、加藤進昌 共述(批評社 2010年5月)ISBN 978-4-8265-0524-6
  • 『ADHDを「才能」に換える生き方 他人と違っても悩まなくていい!』武田双雲 共著(ビジネス社 2022年10月)ISBN 978-4-8284-2444-6

分担執筆

  • 『PTSD 人は傷つくとどうなるか』加藤進昌、樋口輝彦、不安・抑うつ臨床研究会 編「PTSDの生理学的所見と脳画像」大渓俊幸 共著(日本評論社 2001年2月)ISBN 4-535-98187-6
  • 『痛み -基礎・診断・治療-』花岡一雄 編「仮面うつ病」近藤伸介、加藤進昌 共著(朝倉書店 2003年12月)ISBN 4-254-32199-6
普及版(朝倉書店 2012年8月)ISBN 978-4-254-32249-1
  • 『思想の身体 狂の巻』町田宗鳳 編「こころの病とは何か」(春秋社 2006年7月)ISBN 4-393-33255-5
  • 『専門医のための精神科臨床リュミエール 3 操作的診断vs従来診断 - 非定型精神病とうつ病をめぐって』松下正明 編「非定型精神病をめぐる議論:Leonhardの分類と操作的診断基準」岡島由佳 共著(中山書店 2008年8月)ISBN 978-4-521-73048-6
  • 『脳とこころのプライマリケア』日野原重明、宮岡等 監修「うつ・不安と社会的問題」(シナジー 2010年6月)ISBN 978-4-916166-25-8
  • 『精神医学キーワード事典』松下正明 編「事象関連電位(ERP)」金井千恵子 共著(中山書店 2011年7月)ISBN 978-4-521-73374-6
  • 『Bipolar Disorder 13』Bipolar Disorder研究会 編(アルタ出版 2015年6月)ISBN 978-4-901694-77-3
  • 『精神医学の基盤 = Foundations of Psychiatry 2』「マスメディアとうつ病」(学樹書院 2015年7月)ISBN 978-4-906502-51-6
  • 『文藝春秋オピニオン 2016年の論点100』「成人の「発達障害」とは何か」(文藝春秋 2016年1月)ISBN 978-4-16-008633-3
  • 『Bipolar Disorder 14』Bipolar Disorder研究会 編「双極性障害とADHDの併存に関する考察」伊津野拓司 共著(アルタ出版 2016年6月)ISBN 978-4-901694-81-0
  • 『今日の精神疾患治療指針 第2版』樋口輝彦、市川宏伸、神庭重信、朝田隆、中込和幸 編「思路障害」(医学書院 2016年10月)ISBN 978-4-260-02484-6
  • 『うつ病診療における精神療法 10分間で何ができるか』中村敬 編「第14章 発達障害に対する精神療法」平田亮人、岡島由佳 共著(星和書店 2018年6月)ISBN 978-4-7911-0983-8
  • 『講座精神疾患の臨床 = Comprehensive Handbook of Clinical Psychiatry 9 神経発達症群』松下正明 監修、神庭重信 編集主幹、本田秀夫 担当編集「成人期の診療」中村亮介 共著(中山書店 2024年5月)ISBN 978-4-521-74829-0

翻訳

  • 『精神分裂病の神経心理学』Anthony S David 著、John Cutting 著、中込和幸、福田正人上島国利 共監訳(星和書店 1999年4月)ISBN 4-7911-0395-5
  • 『内因性精神病の分類』Karl Leonhard 著 Helmut Beckmann 編 福田哲雄、林拓二共監訳(医学書院 2002年3月)ISBN 4-260-11866-8
  • 『メモリー・ドクター楽しく学べる物忘れ防止トレーニング - 記憶力を改善し、知力をアップする簡単な方法』Douglas J Mason、Spencer Smith 著 川面知弘 共訳(星和書店 2006年7月)ISBN 4-7911-0605-9

監訳

  • アビゲイル・シュライアートランスジェンダーになりたい少女たち産経新聞出版、2024年3月。ISBN 978-4-8191-1434-9 

監修

  • 『ウルトラ図解ADHD 成人期ADHDの特性を理解して、上手にコントロールしていく』法研、2020年8月。ISBN 978-4-86513-441-4 
  • 『おとなの発達障害 診断・治療・支援の最前線』光文社、2020年8月。ISBN 9784334044916 
  • ズミクニ『統合失調症になった話(※理解ある彼君はいません) 推しと福祉に救われて社会復帰するまでの劇的1400日』KADOKAWA、2023年2月。ISBN 978-4-04-113092-6 
  • 町田粥『発達障害なわたしたち(1)』祥伝社、2023年7月。ISBN 978-4-396-76888-1 
  • 宮古蜂『私の描くセカイは壊れている。(1)』ぶんか社、2024年2月。ASIN B0CS2LRDH7 
  • 『大人の発達障害〈ADHD、ASD〉職場で、家庭で、周囲ができるアドバイスとサポート』NHK出版、2024年4月。ISBN 978-4-14-794199-0 
  • 宮古蜂『私の描くセカイは壊れている。(2)』ぶんか社、2024年11月。ASIN B0D99Q9YX1 
  • 町田粥『発達障害なわたしたち (2)』祥伝社、2025年11月。ISBN 978-4-396-75091-6 
  • 似鳥昭雄『発達障害の私だからこそ、成功できた』祥伝社、2026年3月。ISBN 978-4-396-61865-0 
  • 甘井『適応障害で会社を辞めた新卒とぼっち配信者 1』スクウェア・エニックス、2026年4月。ISBN 9784301004271 

編著

  • 『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』診断と治療社、2023年3月。ISBN 9784787825582 

編集

  • 『精神医学の思想 金子嗣郎と松沢病院』「新樹会」創造出版、2001年7月。ISBN 4-88158-263-1 
  • 『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』診断と治療社、2023年4月。ISBN 978-4-7878-2558-2 
  • 『精神科のくすりポイントチェックBOOK』照林社、2024年3月。ISBN 978-4-7965-2610-4 

解説

  • 松本昭夫『精神病棟の二十年』新潮社、2001年10月。ISBN 9784101326313 
  • 山本譲司『獄窓記』新潮社、2008年1月。ISBN 9784101338712 
  • 豊田正義『消された一家 -北九州・連続監禁殺人事件-』新潮社、2009年2月。ISBN 978-4-10-136851-1 
  • 小林和彦『ボクには世界がこう見えていた -統合失調症闘病記-』新潮社、2011年10月。ISBN 978-4-10-135441-5 
  • エディス・シェファー 著、山田美明 訳『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』光文社、2019年6月。ISBN 978-4-334-96231-9 
  • アビゲイル・シュライアー『トランスジェンダーになりたい少女たち』産経新聞出版、2024年3月。ISBN 978-4-8191-1434-9 
  • 直島翔『テミスの不確かな法廷』KADOKAWA、2025年11月。ISBN 978-4041166000 [20]
  • 似鳥昭雄『発達障害の私だからこそ、成功できた』祥伝社、2026年3月。ISBN 978-4-396-61865-0 

主な連載

  • 「放射線」(『朝日新聞』2008年1月~2008年6月30日)
  • 「狂気を読む ~主人公の精神病院~」(『東京新聞』2011年11月~2012年3月)※『精神科医が読み解く名作の中の病』として書籍化
  • 「他人を許せない人たち ~不寛容という病~」(『幻冬舎plus』2015年1月~9月)[21]※『他人を非難してばかりいる人たち』として書籍化
  • 「不寛容という病 バッシングが止まない日本」(『幻冬舎plus』2016年1月~2017年5月)[22]
  • 「精神“異”学~忘れられた治療法~」(『月刊サイゾー』2017年7月号~2018年8月号)[23]
  • 「主人公たちのカルテ」(『中日新聞』2018年4月~2018年6月)
  • 「多様性に沈む医療」(『情況』2025年春号~2026年冬号)

放送・映像

テレビ

  • 『英雄たちの選択』(NHK BSプレミアム)
「幕末秘録・京都に外国軍侵攻!?徳川慶喜 破滅回避への決断」(2016年9月15日)[24]
  • 『きょうの健康』(NHK デジタル教育1)
「注意欠如・多動症を知る「大人のADHD」」(2017年5月30日)[25]
「全力サポート!子どもの発達障害 「注意欠如・多動症(ADHD)」」(2018年11月19日)[26]
「全力サポート!子どもの発達障害 「限局性学習症(LD)」」(2018年11月20日)[27]
「全力サポート!子どもの発達障害 「自閉スペクトラム症(ASD)」」(2018年11月21日)[28]
「発達障害 あなたの疑問に答えます!「大人の注意欠如・多動症(ADHD)」」(2019年10月28日)[29]
「発達障害 あなたの疑問に答えます!「大人の自閉スペクトラム症(ASD)」」(2019年10月29日)[30]
「発達障害 あなたの疑問に答えます!「子どもから大人まで 発達障害Q&A」(2019年10月30日)[31]
「家族で知ろう 心の病気「適応障害」」(2022年3月21日)[32]
「仕事でトラブル続出も 大人の発達障害「忘れ物・ケアレスミス ADHDの特徴と対策」」(2022年11月7日)[33]
「仕事でトラブル続出も 大人の発達障害「こだわりと孤立 ASDの特徴と対策」」(2022年11月8日)[34]
「仕事でトラブル続出も 大人の発達障害「周囲ができるサポートとは」」(2022年11月9日)[35]
「発達障害 あなたの疑問に答えます」(2022年11月10日)[36]
「空気が読めない人要注意!? 大人の発達障害とは!?」(2017年6月3日)[37]
「芸能人が次々告白!ある日、突然迫り来る「パニック障害」」(2019年3月2日)[38]
  • 『偉人たちの健康診断』(NHK BSプレミアム)
「発明王エジソン 驚異のひらめきと集中力の謎」(2020年1月30日)[39]
  • 『視点・論点』(NHK デジタル教育1)
「天才をいかせる社会に」(2024年4月9日)[40]
  • 『ヒューマニエンス 40億年のたくらみ 』(NHK BS)
「「ADHD」その特性は障害か多様性か」(2025年11月29日)[41]

ラジオ

  • 『医学講座』(ラジオたんぱ)
「向精神薬による水中毒とその対策」(2000年9月6日)[42]
  • 『ラジオあさいちばん』(NHK ラジオ第1)
「うつ病と向き合うために」(2011年12月12日~16日)[43]
  • 『三宅民夫のマイあさ!』(NHK ラジオ第1)
「発達障害キャンペーン」(2019年10月28日~11月1日)[44]
  • 『マイあさ!』(NHK ラジオ第1)
「健康ライフ「発達障害」」(2020年1月6日~1月10日)[45]
「健康ライフ「正しく知ろう!発達障害」」(2021年12月20日~12月24日)[46]
シリーズ「職域精神保健の課題」「第8回 自閉スペクトラム症とADHD」(2022年4月11日)[47]
  • 『ふんわり』(NHK ラジオ第1)
「特別企画・発達障害SP(1)」(2023年9月22日)[48]
「特別企画・発達障害SP(2)」(2023年9月29日)[49]
「特集企画・知って安心 発達障害」(2024年5月6日)[50]
「特集企画・知って安心 発達障害」(2024年8月6日)[51]
  • 『まんまる』(NHK ラジオ第1)
「大人の発達障害」(2025年10月14日)[52]

WEB

  • 『ABEMA Prime』
「責任能力どう判断?“無罪”も割れた精神鑑定」(2021年11月9日)[53]
「北九州殺傷“心神喪失の可能性”報道に波紋」(2025年5月4日)[54]

監修

出典

関連項目

外部リンク

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