戦士

戦場で戦う兵士 From Wikipedia, the free encyclopedia

戦士(せんし)とは、戦場英語版で戦う兵士[1]、もしくは軍事的階級にある者のことである。その多くは文明思想などに帰属し、それらの信念のもとに戦闘に従事する者のことである。

武具を身に着けた手彩色写真(武士

歴史

古代においては部族社会、または都市国家レベルの体制にあっても戦士(兵士、軍人)は必ずしも明確に分化した職種ではなく、ギリシャや近い時代のローマなどでは市民が有事の都度兵士として従軍し、将軍、指揮官も時々により体制から任命されていたが、一方で兵役の義務を負う市民と、そうではない奴隷などとの社会階層区分と格差が存在し、戦士階級の分化の萌芽も見える。スパルタは国民皆兵・総軍人体制がとられ、生産活動は奴隷に依存する構造であった。

特に農耕定住民社会では、世界的に多くの地域で国家体制の拡大発展と軍事の高度化につれて軍人の専業化が進んだ。武力は国権の支柱の一つであり、必然的に体制の構造と強く結びついた。中華帝国をはじめ伝統的な体制は、軍人である武官と、それ以外を所掌する文官の2種に区分し、単純に述べれば国事の半分を軍が占めてきたことになる。日本の武士やインドのクシャトリヤマムルーク朝など戦士階級による統治体制も見られた。ただそうした体制にあっても多くの場合、数的主力を占める下級の兵士は、平時は他の職種・生産活動に従事する平民からの徴集であった。

遊牧民においては全ての男はその日常生活から基本的に弓馬を使う戦士であり、それゆえ農耕民に比べ兵質の高さで長らく軍事的優位に立ってきた。一方では原始的形態を長く残したとも言え、国家体制や科学技術の発展は出遅れ、中世後期から近世にかけて定住民国家との優劣は逆転していく。モンゴル帝国は遊牧民由来として世界史上未曽有の大征服を達成したが、中華帝国であるをはじめ征服地の社会体制を吸収するとともに自らも現地へと同化していき帝国は短期間に分裂した。

下級兵を含めた全数を職業軍人でまかなう常備軍で軍主力を充足することは、国家経済には過重であり、有事に雇用される傭兵は長らく大きな存在であった。近世になり国民皆兵制度のもと、成人男子を平時から一定期間徴兵し訓練することで、社会経済への負担を抑えながら、大規模かつある程度の兵質を両立した国民軍が実現した。科学兵器の発展と相まって軍隊と戦争の規模は拡大を続けたが、冷戦終結後は軍縮ムードが世界を覆い、欧米を中心に多くの国で徴兵制が廃止され、職業軍人化(戦士階級の専業化)や、傭兵の現代的な形である民間軍事会社などが一時流行したが、2022年ロシアによるウクライナ侵攻の頃を境に世界情勢は急激に不安化し、徴兵制の復活を含めた軍拡に転じている。

戦士の例一覧

戦士階級

戦士を社会体制の一部として運用する例を表示する。

戦士階級のコントロール

軍事的な階級が存在する社会では、社会に対して暴力を行わない為の倫理規定(武士道騎士道など)による保障が考え出された。その多くで共通するのは、忠誠信仰勇気名誉とすることである。

装飾

多くの場合、十字架国章家紋など信念、忠誠を表す為のシンボルを身に帯びる。また、当時の技術や風俗、軍事ドクトリンに則った装備や制服で統一される場合がある。

その他

左翼武装勢力など反体制活動を行う者は、国軍兵士への連想を避ける意図でか、しばしば闘士(wikt:闘士)と称する。

フィクションなどでは、国家に仕える騎士や兵士、あるいは主に戦争行為に従事する傭兵とも違う、冒険者などフリーランスの戦闘員のことを戦士と呼び分ける傾向がある。ファンタジーRPGにおける戦士は魔法などのスキルを持たない白兵戦担当職種で、またキャリアを積んで近系統の他職種へクラスアップするための基本・初期職という扱いが多い。

関連項目

  • 常備軍
  • 企業戦士
  • 戦士症候群
  • 軍閥
  • スィラーフダールトルコ語版 - オスマン帝国最高の騎士に与えられた名称で、宮廷騎兵隊、侍従長、トプカプ宮殿護衛隊とも訳される。シラフタール、シラフタルとも呼ばれる。英語版のAgha(アガー)は長を意味する。

参考文献

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