戸田拓夫
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とだ たくお 戸田 拓夫 | |
|---|---|
| 生誕 | 広島県福山市 |
| 国籍 |
|
| 民族 | 日本人 |
| 出身校 | 早稲田大学理工学部応用化学科中退[1][2] |
| 職業 | 実業家 |
| 活動拠点 | 広島県福山市 |
| 肩書き | 株式会社キャステム代表取締役社長 |
| 公式サイト |
戸田拓夫 (takuo.toda) - Facebook 折り紙ヒコーキ協会概要 株式会社キャステム |
戸田 拓夫(とだ たくお、1956年 - )は、日本の実業家。株式会社キャステム代表取締役社長。折り紙ヒコーキ協会会長。紙ヒコーキ博物館館長。紙飛行機の室内滞空時間における元・ギネス世界記録保持者として知られ「折り紙ヒコーキの伝道師」として、人々に折り紙飛行機の楽しさを伝える活動を行っている[3][4]。
堀江貴文との出会い後は、インターステラテクノロジズ(IST)の宇宙開発プロジェクトにおいて、「紙飛行機を宇宙から飛ばす」という計画を実行中である[5]。
大学まで
ロストワックスやMIM(金属粉末射出成形法)といった高度な鋳造技術で多種類の精密機械部品を開発・製造するほか、3D技術を応用した造形物の販売、さらには農業などにも活動の幅を広げる企業経営者である。また、本業のかたわら。折り紙ヒコーキ協会会長。紙ヒコーキ博物館館長を兼任。紙飛行機の室内滞空時間における元・ギネス世界記録(29.2秒)の保持者としても知られる[6]。
1956年、広島県福山市に生まれる。 高校時代は剣道で活躍(2段)。大学を3校受験するが、早稲田大学には受からず、他大学に入学。馬術部に入るが、静かな大学の雰囲気になじめず再受験し、早稲田大学理工学部応用化学科入学。在学中に登山部での活動中に体調を崩して中退するが、入院した際、暇つぶしとして始めた紙飛行機作りに没頭するようになる。この時、病室から100m先の向かいの家に飛ばす目標を持ち試行錯誤を繰り返し、航空力学の本も熱読[1]。
経営者として
体調は回復せず、大学を中退し実家の部品工場(旧キングインベスト)に入社するが、入社後も体調がすぐれず、会社で一時間程度ペンキ塗りをする日々を送る。当時、会社は乱雑で、従業員もそれぞれが自分勝手に行動し、製品の質も低い上に納期も守られない状態であった[1]。工場長、技術部長は社長の指示には従わず、最後は彼らは社外に工場を作り、従業員を引き抜かれてしまう。このため26歳で部長の代わりをしなければいけなくなった戸田は、無人の工場で錆ついた設備を磨き上げてのゼロからのスタートを強いられた[7]。
当時の会社にはものづくりの技術がなく、この確立が急務と考え、製造のノウハウや原料の調合方法等を得ようと、競合他社や原料の調達先、さらには引き抜かれた工場長、技術部長にも直接聞きに行くが、らちが明かなかった。諦めずライバル会社のキーマンのもとにも足を運びヒントを得て、さらに後日訪問したワックス原料の会社の社長が早稲田大学理工学部応用科学科の出身だった縁で協力を得ることができ、ノウハウを確立できた。荒れ果てた工場で最初に取り組んだのは、工場の整理・整頓・清潔を先頭に立って実践することであった。その後、信頼できる少数の部下とともに品質の向上に取り組んだ。その過程で、健康問題が再燃し入院。背骨に大きなずれがあり、医師の指導や矯正法の熱心な取り組みにより回復。登山を再開し身体の強化に努めた[1]。
ロストワックスとメタルインジェクション
28歳の時にようやく技術を確立し、鋳造品で大型ハードディスク部品を造り、品質や価格で評価を獲得し受注が入るようになった。同社のコア技術の一つはロストワックス精密鋳造であり、様々なノウハウを持ち、精密な金属部品の製造を可能としている。さらにその頃、米国特許による新しい技術のMIM(メタルインジェクション、金属粉末射出成形法)が出現。しかし特許料が2億円と高く、資金不足のため技術導入、設備購入を断念。戸田は独自で技術開発を断行し、技術情報を得るために多くの関係先を駆け回る。早稲田大学での化学専攻の経験を活かし、様々に材料の配合などを試行。京都のある人からのヒントで技術を確立。製造設備を持っておらず、多くの関係工場の協力を得て製品の製造にこぎつけた。このため戸田は「こうなったらMIMの特許を取得するしかない」と一念発起。米国特許に詳しい弁理士に依頼し、出願。特許取得に成功した。その後、日本中の小規模なユーザーを回り、大手MIMメーカーが手を出せない低額の金型の受注実績を重ねていった。当初、特許侵害を指摘していたグループから評価されるまでになり、グループの一員となって設備の導入が可能となり事業は軌道に乗って行く。製品の中には、東京オリンピックに使用されたトーチがあり、キャステムが製造した部品が5つ使用されている。その他、ロケットの部品、胃カメラや腹腔鏡手術器具の高性能化・小型化に貢献。カリフォルニアに試作ラボを持ち、血管カテーテル、心臓ペースメーカーの部品などの試作も継続中である[8]。
アイデア製品
キャステムでは、精密鋳造やメタルインジェクション成形(MIM)などの技術を応用し、一般向けの金属製品の開発も行っている。その一例として、全長約25mmのミニチュア工具「マイクロツール」がある。これはハサミやペンチ、モンキーレンチなどを小型化した工具で、実際に可動し、ハサミやカッターナイフは紙を切ることもできる。これらの製品は同社の微細成形技術であるメタルインジェクション成形(MIM)を用いて製造されている。キャステムは2013年にミニチュア工具セットを販売し、その後マイクロツールシリーズとして製品展開を行っている[9] [10][11]。
紙飛行機滞空時間でギネス世界記録
2008年のリーマンショックでは、キャステムは巨額赤字を抱え社内の雰囲気も沈滞した。「社風の暗い会社は良くならない」、社長が戦う姿を見せ社員を鼓舞したいとの思いから、当時、紙飛行機の滞空時間20秒を超える飛行記録を持つ人物は世界に2人しかいなかったギネス記録に挑戦することを宣言した。戸田は、紙の大きさ、重量、投げ方等様々なルールがある中で、紙材質、機体のデザイン、投げ方等を徹底的に研究した。滞空時間を伸ばすにはできるだけ高く機体を投げることが必要であるが、この目的のために筋力・柔軟性の強化のほか、減量を敢行し"しなり"を出せる体型作りから始め、さらに投げ上げるフォーム(イナバウアー投げ)を開発した。この結果、2009年4月11日に27.9秒と、当時の世界記録を0.3秒更新しギネス記録と認められた。しかし、僅差のギネス記録にクレームが付いたため、反発。再度挑戦し、2010年12月19日には29.2秒の記録を達成した[1][7][12][8][13][14][4][15]。
この記録は、長く破られることはなかったが、2026年2月11日に16年10ヶ月ぶりに中国の19歳の少年により更新された(31.22秒)[16]。
JAL(日本航空)グループの社員へ指導も行っており、通算2,000名以上の認定指導員を養成した。JALグループでは、「折り紙ヒコーキ協会」の指導のもと、社内に多数の認定指導員を養成し、日本各地で「折り紙ヒコーキ教室」を開催するに至っている[3]。
1995年に「日本折り紙ヒコーキ協会」を設立。立体おり紙ヒコーキなど開発した機種は1,000以上にのぼる。広島県神石高原町に紙ヒコーキタワー建設を提唱し2003年完成。折り紙ヒコーキ協会会長。紙ヒコーキ博物館館長を務める[4][17]。
堀江貴文との出会い
堀江貴文が創業者であるインターステラテクノロジズ(IST)の宇宙開発プロジェクトにおいて、「紙飛行機を宇宙から飛ばしたい」との長年の夢を共有し、その実現のため、2019年7月27日に「ベイターズドリーム MOMO4号機」で実現できる運びとなったものの、打ち上げの64.3秒後のエンジンの緊急停止により、まだ夢の途中である[5][18][19][20]。
同計画は、高度100km以上の宇宙空間から支援者らの名前を入れた「折り紙飛行機」を宇宙空間から射出し、地上まで帰還させというもので、世界初の試みである。折り紙飛行機の機体は海上に落下し、海流に流されて海岸等で見つかれば回収の可能性があるという[5]。
略歴
- 1956年 - 8月、広島県福山市に生まれる。
- 1980年
- 早稲田大学理工学部応用化学科中退。
- キングインベスト株式会社(現 株式会社キャステム)入社。
- 1995年 -
- キャステムフィリピン(当時 K2ファインメタル)社長就任。
- 「日本折り紙ヒコーキ協会」設立。
- 1998年 - キャステムエンジニアリング(現・株式会社キャステム)の専務取締役に就任し、同時に日本折り紙ヒコーキ協会(現・折り紙ヒコーキ協会)の会長に就任。
- 2002年 - キャステムタイランド 社長に就任。
- 2007年 - 株式会社キャステム 代表取締役に就任。
- 2009年 - 紙ヒコーキの滞空時間ギネス記録を更新。
- 2010年 - 自身の持つ紙飛行機の室内滞空時間ギネス世界記録を更新し、29.2秒の記録を樹立した。
著書
日本
- 『「宇宙」紙ヒコーキ』(TJ MOOK)(宝島社、2019年9月28日) ISBN 9784800298034
- 『ザ・10回折り おり紙ヒコーキ』(いかだ社、2021年4月11日) ISBN 9784870515307
- 『はじめてのおり紙ヒコーキ』(いかだ社、2022年3月11日)ISBN 9784870515666
- 『おうちで紙ヒコーキ』(二見書房、2021年12月12日) ISBN 9784576211756
- 『紙ヒコーキで遊ぼう!飾ろう!』(いかだ社、2022年12月) ISBN 9784870515765
- 『びっくり超とび! 最新おり紙ヒコーキ』(いかだ社、2023年3月11日)ISBN 9784870515932
- 『拓ちゃん博士のよく飛ぶおり紙ヒコーキ教室』(いかだ社、2024年7月28日)ISBN 9784870516106
- 『おり紙ヒコーキ 距離型スペシャル』(いかだ社、2024年12月)ISBN 9784870516281
- 『困難上等 地方の精密鋳造部品メーカー 挑戦と復活の軌跡』(幻冬舎、2025年6月30日)ISBN 9784344693708
- 『拓ちゃん博士のよく飛ぶおり紙ヒコーキ教室』(図書館版)(いかだ社、2025年1月)ISBN 9784870516168
(その他、全25冊)
英語版・海外
- 『Paper Airplane Guinness New World Record 29.2 Seconds』 (2012年)
- 『Extreme Distance Paper Airplanes (2014年、Paperback』 ISBN 9784889963281
- 『Out of This World Paper Airplanes』 (2017年、ISBN 9784805314357)
- 『Extreme Distance Paper Airplanes』 (Kindle版あり)
- 『Ultra Long Flight Paper Airplanes』 (2026年3月)