推薦入学

入学者選抜において学力テストを軽減または免除して入学させること From Wikipedia, the free encyclopedia

推薦入学(すいせんにゅうがく)とは、主に日本の大学高校が学生を募集する際に、出身校からの推薦を受けた学生を選抜し、主として入学試験のうち、学力テストを免じて当該学校に入学させることである。

成績評定)の基準を設けて、出身校からの推薦を求めるAO入試(総合型選抜)での入学も、これにあたる。

概要

選抜の基準は、所属する学校での学業成績や、スポーツの技能などで大学・高校が要求する特定分野の成績、実績を調査書等で判断される。その上で必要に応じて面接小論文といった考査を課す場合がある。

戦前には、今日の推薦入学に相当する方式の選抜方法は、無試験検定入試と称して実施していた。これに対して、一般入試に相当する学力検査中心の選抜方法は試験検定入試と称していた。無試験検定入試では、同一学校在学中の第3,4学年の成績上位から何分の一以内や最終学年の成績上位何分の一以内という要件を満たしている者で出身学校長の推薦ある者につき、口頭試問及び身体検査があり、場合によってはさらに、筆記試験を課すともあったが、これらを行って入学者を選抜した。ただし無試験検定による選抜で入学させる定員枠は、入学定員のごく一部に限るのが普通であったが、当時の官立の旧制高校旧制専門学校で入学希望者全員を無試験検定で入学させていたのも2校あり、盛岡高等農林学校は1928年から1940年まで、横浜高等工業学校は1928年から1931年まで試験検定を全廃。また、旧制高校が無試験検定入試を併用したのは、1910年から1918年までである。なお旧制一高と三高は1913年まで行っていた。この他、官立実業専門学校では長期にわたって無試験検定と併用した学校が多かった他、高等商業学校は1929年から1943年まで、全校が無試験検定と併用していたし、高等農業学校でも1928年から1944年まで全校が無試験検定入試と併用していた。高等工業学校も1930年代には過半の学校が無試験検定入試も併用していたのである。ところが戦後になって、1947年2月20日文部省告示(第20号)により、無試験検定入試は、たとえ学則にうたってあっても実施できないこととなった。

この他、東京女子高等師範学校および奈良女子高等師範学校は、ある時期までそれぞれ独特の推薦制を採用していたし、1939年に始まった実業学校卒業者の上級学校進学制限の一環として、1941年度からは学校長の推薦書添付が出願の条件とされるに至った。この進学制限とそれにともなう推薦書添付方式は1946年度から随時廃止された。推薦入試での選考は人物・学業成績に関する出身学校長の推挙を基本として、人物・学業成績が確実に優秀な者を集めることに主眼がおかれていたといえる[1]

つまり推薦入学は、結局文部省が後に公認する以前から、一部の大学で実施されていたようである[2]

推薦入試を希望する場合、出身校の校長の権限で推薦の可否が決まる。真面目に学校生活を送ってきたかどうかで判断されるので「いじめの加害者になった」「非行があった」など、在学中に問題行為を起こしたことがある場合は推薦に通らない(試験を受けること自体ができない)場合がある。

スポーツ推薦の場合、高校・大学側の方が中学生・高校生を対象に事前にセレクションかもしくは入部試験を行い、合格者に推薦入学を認めるという方式を取る場合がある。ただし野球では入部に際して高校野球日本高等学校野球連盟憲章も含め日本学生野球憲章第4条に基づいて当該学校の生徒について入部希望者の入部拒否を禁止しており[3]、それに従う限り入部試験については開催され得ない。しかし、現実にはそれを守らず入部試験を課している高校が一定数存在する[4]

中国では、競技に専念してきた世界クラスのプロ選手を無試験で名門大学へ入学させる推薦制度がある[5]

形態

推薦入学の制度は付属学校からの「内部進学制」の他は、大きく 「指定校制」と「公募制」とがある。2021年度から公募推薦と指定校推薦を合わせて学校推薦型選抜という名称となる[6]

近年は自己推薦(自分で能力をアピールして自分で推薦する)、社会人推薦(2年~3年程度以上の社会経験を積んだ社会人のための入試制度)などの出身校の枠や現役・浪人(卒業時期)の別を問わないなど、推薦入学の形態も変化しつつある。[要出典]

北陸大学のように国内の全高校を推薦入試指定校にしたり[7]立命館アジア太平洋大学のように予備校早稲田塾)に推薦入試枠を与える事例[8]も見られる。

指定校制推薦は、自分の在籍する学校が進学希望先の学校で指定校になっていなければ応募できないが、公募制推薦は、進学先の推薦基準と出願条件を受験者当人が満たしていれば、応募できる[9]

肯定的見解

学校側のメリットとして、優秀な学生を早期に確保することができることである。2005年の早稲田大学の評価報告書では、政治経済学部において指定校推薦入試で入学した学生たちが修めた学業成績の平均点は、他の入試形態で入学した学生の平均点よりも優れていたことが示されている[10]佐賀医科大学の追跡調査でも、学内成績の動向をみるかぎり、推薦生の成績順位は一般教育科目専門教育科目を通じて、一般生より良いことが示された[11]

大島商船高等専門学校の成績調査では、全体的に学力入学者に比べて、推薦入学者の方が高得点を挙げているとしているが、このことは例外なしの法則ではなく、志望者の目的・動機がどれだけ明確であるかを学校側が的確に判断するのが重要とされる例である[12]

学生側のメリットとしては、通常の入学試験で課せられる学力試験の軽減、もしくは免除されることや、通常の入試時期よりも早い段階で合否判定が行われることから、受験の負担が軽減されるなどがある。

否定的見解

名古屋学院大学の調査では、一般入試による入学者に比べ、推薦入試による入学者の方が退学・除籍および転学部・転学科者が多かった[13]。また、東京工芸大学の調査では、推薦入学試験で入学した新入生の平均点は、一般入学試験で入学した新入生の平均点よりも5教科全体で低い結果となった[14]

脚注

関連項目

外部リンク

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