新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
日本のアニメ
From Wikipedia, the free encyclopedia
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』(しんきどうせんきガンダムウイング エンドレス ワルツ / NEW MOBILE REPORT GUNDAM-W Endless Waltz)は、ガンダムシリーズのOVA作品。テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』の続編および完結編として、1997年に全3話が制作された。後に再編集され、追加の新作シーンを加えた『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇』が全国松竹系で劇場公開された。主な略称は『EW』。
同時上映は『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』。この2作を合わせてガンダム生誕20周年記念作品とし、『GUNDAM THE MOVIE(ガンダム・ザ・ムービー)』と銘打たれている。
作品概要
テレビシリーズで描かれたスペースコロニーと地球の戦争から1年後、世界に再び起こった戦争を舞台に描く。大河原邦男がデザインした5機の主役ガンダムについては、カトキハジメや石垣純哉らによってデザインが一新されている(設定上は同一の機体)。また、それに伴いプラモデルや設定資料などにおける名称も変更されている。
本編にはデュオが量産モビルスーツ (MS) の戦術からパイロットがトロワだと見破る場面や宇宙でゼクスが抵抗するも敵機を地球へ降下させるのを許してしまう場面など、テレビシリーズを踏襲した場面、描写が数多く存在する。また、五飛の目の前でL5コロニーが自爆する場面の回想でも、アルトロンガンダムが『Endless Waltz』版に描き替えられている。
物語
かつての戦いから1年後のA.C.196年。人類はすべての武力を放棄し、平和への道を歩み始めていた。張五飛以外のGチームも自らのガンダムの破棄を選び、アルトロンガンダム以外のガンダム4機は資源衛星に搭載され、太陽に向けて発射される。
だが、コロニー反連合やホワイトファングを支援していたバートン財団の総帥で、今は亡き「本物のトロワ・バートン」の父でもあるデキム・バートンは地球圏掌握をあきらめておらず、トレーズ・クシュリナーダの遺児マリーメイア・クシュリナーダをシンボルとして、マリーメイア軍を結成していた。表向きは放棄されたはずのリーオー他旧式戦力に加え、新型MSサーペントも揃えたマリーメイア軍は、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアン外務次官を拉致した後、地球圏へ宣戦布告を行う。
特務機関プリベンターを組織し、地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンは、部下であるルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、そこへ前大戦で消息不明となっていたゼクス・マーキスが現れ、協力を申し出る。ヒイロ・ユイはリリーナ救出と打倒マリーメイア軍のためにデュオ・マックスウェルと共に行動を開始し、カトル・ラバーバ・ウィナーはマグアナック隊と共にガンダム回収に向かう。
マリーメイア軍から奪ったリーオーで戦うヒイロとデュオの前に、マリーメイア軍に加わっていた五飛とトロワ・バートンが立ちはだかる。1年前にあれほどの戦火を体験したにもかかわらず、安穏と平和を享受する市民に業を煮やし、さらにトレーズとの決着へのわだかまりから、自身が人類の脅威になる道を選んだ五飛はヒイロを圧倒し、やむを得ずヒイロは乗機を捨てて逃走する。一方、トロワはマリーメイア軍の阻止を目的としており、デュオ機を行動不能に追い込んだ後に彼を見逃す。ヒイロ、デュオ、トロワはデキムが考案した「真のオペレーション・メテオ」=地球へのコロニー落としを阻止し、ゼクスはトレーズが残したトールギスIIIでマリーメイア軍本隊を迎撃するが、リリーナを人質にされ、MS隊の地球降下を止めることはできなかった。カトルがガンダム回収に成功したことを知ったヒイロはウイングガンダムゼロを先行して射出させ、地球に向かう。
ウイングゼロに乗り込み地球へ戻ったヒイロは、待ち構えていた五飛のアルトロンと再戦する。ヒイロは五飛に過ちを気づかせるべく、あえて攻撃を受け、海中に落下する。マリーメイア軍が本拠地とした大統領官邸前では、ゼクスのトールギスIIIとノインのトーラスがマリーメイア軍と交戦を開始し、デュオのガンダムデスサイズヘル、トロワのガンダムヘビーアームズ改、カトルのガンダムサンドロック改もそれに加わる。プリベンター側は個々の能力では敵を圧倒しつつも、「敵のパイロットを殺さない」という困難な戦いに挑んだことにより、徐々に追い詰められていく。大統領官邸地下の核シェルターに置かれたマリーメイア軍の司令部では、戦いの光景を前にしつつ、リリーナがマリーメイアの説得を試みる。
プリベンター側がついに武装を使い果たした時、ウイングゼロが大統領官邸前に飛来する。激しく損傷したウイングゼロは最大出力のツインバスターライフルを連射し、その反動とサーペントの集中攻撃で大破しながらも核シェルターの突破に成功する。さらにGチームとプリベンターの戦いに背中を押された人々も立ち上がり、武器を持たない丸腰でマリーメイア軍のMS相手にデモを敢行する。五飛は平和を守る決意を固めた人々の姿に安心し、トレーズとの因縁にピリオドを打つ。デキムは敗北を認めずリリーナに銃を向けたうえ、彼女を庇ったマリーメイアを撃ってしまうが、それにも動じず自らの本性を露わにしたため、トレーズを敬愛する部下の手で粛清される。負傷したマリーメイアは、シェルター内にたどり着いたヒイロに弾のない銃で撃たれた後、潜入していたレディの手当てを受ける。そこでヒイロは限界を迎えて気を失い、リリーナは崩れ落ちた彼を優しく抱きしめるのだった。
残ったガンダムはデュオ、トロワ、カトルの手で自爆させられ、彼らはそれぞれの帰るべき場所に戻っていき、五飛はサリィに誘われてプリベンターに加入する。ゼクスはノインを伴い、テラフォーミングが行われる火星へ旅立つ。そして、ヒイロは復帰したリリーナの様子を見届けた後、雑踏の中へ姿を消す。
A.C.197年、人々のもとに平和が戻った。その後、歴史の中でガンダムを含むMSという兵器の存在は、二度とその姿を表すことはなかった。
登場人物
- ヒイロ・ユイ(声 - 緑川光)
- リリーナ・ドーリアン(リリーナ・ピースクラフト)(声 - 矢島晶子)
- デュオ・マックスウェル(声 - 関俊彦)
- トロワ・バートン(声 - 中原茂)
- カトル・ラバーバ・ウィナー(声 - 折笠愛)
- 張五飛(声 - 石野竜三)
- ゼクス・マーキス(ミリアルド・ピースクラフト)(声 - 子安武人)
- ルクレツィア・ノイン(声 - 横山智佐)
- マリーメイア・クシュリナーダ(声 - 佐久間レイ)
- デキム・バートン(声 - 依田英助)
- キャスリン・ブルーム(声 - 杉本沙織)
- 真のトロワ・バートン(声 - 中村秀利)
- ドロシー・カタロニア(声 - 松井菜桜子)[注 1]
登場兵器
- XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ(EW版)
- XXXG-01D2 ガンダムデスサイズヘル(EW版)
- XXXG-01H2 ガンダムヘビーアームズ改(EW版)
- XXXG-01SR2 ガンダムサンドロック改(EW版)
- XXXG-01S2 アルトロンガンダム(ガンダムナタク)
- MMS-01 サーペント
- OZ-00MS2B トールギスIII
劇場版
OVA版のヒットを受けてOVA版全3話を劇場公開用に再編集し、OVAでは無かった新作カットを多数挿入して1998年8月1日に劇場版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇』(しんきどうせんきガンダムウイング エンドレス ワルツ とくべつへん)として全国公開。
特別前売券として、『ガンダムW』からヒイロ、デュオ、トロワ、カトル、五飛の各5種と『第08MS小隊』からシローの1種の全6種類から選べる長さ140cmのタペストリーの付いた前売りチケットが、「チケタペ」として各2,800円で発売された。『ガンダムW』のタペストリーのみ並べると絵が繋がって見える仕様になっている。
劇場公開日当日はガンダム20周年記念イベント『ガンダムビッグバン宣言』がパシフィコ横浜で開催され、上映映画館とこのイベント限定で1/144HGウイングガンダムゼロ(クリアー版)が販売された[注 2]。
CS放送局のほか、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』や『機動戦士ガンダム00』の放送開始に合わせ、毎日放送(関西ローカル)でも繰り返し放送された。
2020年1月10日より機動戦士ガンダム40周年プロジェクト『ガンダム映像新体験TOUR』として特別篇がTCX(TOHO独自企画ラージスクリーン)で劇場上映された[1]。
スタッフ
OVA版
劇場版
主題歌
- OVA版
- 「WHITE REFLECTION」
- 作詞:永野椎菜 / 作曲:高山みなみ / 編曲:永野椎菜、高山みなみ / 唄:TWO-MIX
- 劇場版
- 「LAST IMPRESSION」
- 作詞:永野椎菜 / 作曲:高山みなみ / 編曲・唄:TWO-MIX
各話リスト
映像ソフト
関連作品
漫画
- 新機動戦記ガンダムW エンドレスワルツ
- 劇場版の公開に合わせ、ときた洸一の作画でコミックボンボンに1998年4月号から8月号まで連載された。『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』のオリジナル設定に言及する場面があり、厳密には『BATTLEFIELD OF PACIFIST』の続編になっている。単行本は全1巻。
- 単行本
- 講談社、1998年8月4日発行、ISBN 978-4-06-321847-3[5]
- 新機動戦記ガンダムW episode Zero
- かんべあきら作、月刊アニメV(月刊アニメディア増刊)連載の漫画。時系列はテレビシリーズより前を描いた作品だが、巻末に『Endless Waltz』の後日談である『PREVENTER 5(サンク)』が掲載されている。
- 単行本
- 学研プラス、1997年7月26日発行、ISBN 978-4-05-601710-6
小説
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 本作の脚本を担当した隅沢克之によるノベライズ作品。講談社から新書版で出ていたが、2007年10月に角川スニーカー文庫で加筆・訂正の上文庫化された。テレビ版で設定が起こされながら描かれることがなかった各主要人物の過去(デュオ・マックスウェルの名前の由来、五飛が自身の機体を「ナタク」と呼ぶ理由、カトルとマグアナック隊の出会いなど)が語られており、新機動戦記ガンダムW EPISODE ZEROで漫画化されている。また、『新機動戦記ガンダムW BLIND TARGET』と『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』の出来事についても言及されている。
- 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 上巻』 ISBN 4-06-330405-1 講談社 1997年4月
- 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 下巻』 ISBN 4-06-330406-X 講談社 1997年7月
- 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz(上)』 ISBN 978-4-04-473401-5 角川書店 2007年10月
- 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz(下)』 ISBN 978-4-04-473402-2 角川書店 2007年10月