木馬責め

拷問のひとつ From Wikipedia, the free encyclopedia

木馬責め(もくばぜめ)とは戦国時代・江戸時代などに行われた拷問の一種。現在では、女性に対する羞恥的、かつ性的な責めとしてSMプレイ等にも使用される。

三角木馬の概要と仕組み

三角木馬とは、木馬型で背(上部)が鋭利に尖った拷問具。

基本構造と苦痛の仕組み

被拷問者を全裸または下半身を裸にした状態で拘束して跨らせ、本人の体重によって股間に強い苦痛を与える仕組み。さらに苦痛を増すため、足に石などの重りを括り付ける場合もあった。

身体の固定方法

被拷問者が台から落ちないよう、天井の梁やフックから垂らした縄・鎖に体を縛った縄尻を結びつけて固定するのが一般的だった。

苦痛の加重手法

単に跨らせるだけでなく、以下のような方法でさらに苦痛を加えることもありました。

(例)拷問台を揺らす、足や重りを下へ引っ張る、​鞭や杖で打つなど

歴史的文脈における拷問対象と被害

対象者

主に盗賊年貢滞納者、隠れキリシタンなどが対象とされました。女性に用いられることが多い拷問でしたが、鞭打ちや石責めといった強い衝撃に耐えられないと判断された少年に対して、代替手段として用いられた例もあります。

身体的影響

股間は皮膚や粘膜が柔らかく、女性器肛門が存在するため、長時間に及ぶと組織が損傷して出血・破裂を引き起こすなど、極めて苛烈なダメージを与えました。

拷問としての特性と現代(SM)における意味合い

苦痛の持続性

​鞭打ちなどのように被虐者の反応を見ながら中断・調整できる拷問と異なり、一度木馬に載せると降ろさない限り苦痛が途切れないという大きな特性があります。

SMプレイにおける演出とバリエーション

​現代のSMにおいては、女性を全裸にして両手を後ろ手に縛り木馬に跨らせた上、頭髪を天井から垂らした縄で結んで責める手法など、多様なバリエーションが存在します。いずれの場合も「股間を圧迫し、木馬の稜線を食い込ませる」という根本的な仕組みは共通しています。

心理的側面と適性

​激しい苦痛と恥辱を伴うため「他に類を見ない苛烈な責め」とされますが、被虐者がこれによって快楽を得られるかどうかは、本人の心理的・嗜好的な特性に大きく依存します。

​マゾヒスティック(被虐)趣味がない場合:単なる過酷で耐えがたい拷問

​マゾヒスティック嗜好が極めて強い場合:非常に扇情的な道具

​そのため、SMプレイで三角木馬を使用するのは、被虐者側に相応の嗜好・理解がある場合に限られると考えられています。

武家における木馬と折檻・尋問

武家の家庭には、本来、馬具を載せて保管しておくための木製の台が備えられていました。(くら)を載せる都合上、馬の胴体に模した形状をしており、木材を組み合わせて作られていました。

この木馬の背の部分に人を跨らせ、自身の体重や姿勢によって股間に苦痛を与えることで、折檻尋問の道具として転用・利用されるようになりました。

形状と本来の目的(歴史的実態)

戦国時代頃から拷問の一種として用いられたことは確実だが、後世の創作やイメージのように「苦痛を与えるため意図して背を鋭利に尖らせた専用の台」が製作されたわけではありませんでした。

  • 構造と形状のバリエーション  実際の木馬は、角材を組み合わせて作られた荒い構造の結果として背の部分が尖った状態になった可能性が高い。そのため、三角形の背を持つものだけでなく、頂部に5ミリ〜5センチほどの幅があるものや、丸みを帯びた形状のものなど多様なバリエーションが存在していました。
  • 身体固定具としての役割 単に局所的な苦痛を与えることだけが目的ではなく、「打擲(ちょうちゃく)しやすいよう身体を固定する」ための器具としての役割も兼ねていました。両腕をきつく縛られた状態で木馬に乗せられることで自由な身体の動きが拘束され、拷問や取調べを円滑に進めるための固定台として機能していました。

江戸時代における位置づけ(公式な拷問との違い)

江戸時代の法典である『公事方御定書(くじかたおさだめがき)』において、幕府が公式に認めていた拷問(幕府公認の拷問)は以下の4種類のみでした。

  1. 笞打ち(むちうち)
  2. 石抱き(いしだき)
  3. 海老責(えびせめ)
  4. 吊り責め(つりぜめ)

そのため、木馬責めは幕府の正式な裁判手続きというよりは、私刑(内々の折檻)や各諸藩の独自ルールによる拷問などで用いられていたと考えられます。

関連項目

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