李承雨
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李承雨の初期の作品「エリュシクトーンの肖像」をはじめ、代表作である「茨の影」、「生の裏面」などの作品は、キリスト教的な救いの問題を、現時代の悩みとうまく関連付けている。彼の作品の世界は、人間の底辺にある原罪意識とそれによる不安、そして、そのような人間たちを見守っている神の存在などが絡んでいる。
李承雨は芸術家のアイデンティティに対する問題にも注目して、「迷宮に対する推測」(1994)と「世の外へ」(1990)などの作品においては、言語の価値崩壊、堕落に対する幻滅、そして、これを克服する可能性について問題を提示したりした。
彼の作品は、人間の実存問題と、神と人間の永遠な乖離など、多少重くて観念的なテーマを扱っている。しかし、人物の内面に対する精密な描写と流麗な文体を通して、その観念性を克服し、文学・芸術の存在論へまで関心の領域を広げている。