枠物語
入れ子構造の物語形式
From Wikipedia, the free encyclopedia
枠物語(わくものがたり、英語:frame story, frame tale, frame narrative)とは、導入部の物語を外枠として、その内側に、短い物語を埋め込んでいく入れ子構造の物語形式である。大きな物語の中に異なる短編小説などが次々と語られるこの技法で描かれた小説を「額縁小説」とも呼ぶこともある。
概説
起源
枠物語の例
『千夜一夜物語』の外枠のストーリーは、シャーリアール王に連夜おとぎ話を語って聞かせるシェヘラザードの話である。その話の中にさらに、海のシンドバッドが陸のシンドバッドに語る別の枠物語も含まれる。
エミリー・ブロンテの『嵐が丘』の外枠では、その家の女中が語り手になって、訪問者にヒースクリフとキャサリンのストーリーを物語る。
メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』も枠物語である。一番外枠にあるのは、ロバート・ウォルトンが姉マーガレットに宛てた手紙で、その中でヴィクター・フランケンシュタインがウォルトンに自分の話を物語る。
語り手が信頼できない語り手の時もある。P・G・ウッドハウスの短編集の語り手マリナー(Mr Mulliner)は漁師で、マリナーが語る話はどれも奇想天外である。
1カ所に集まった人々が順に語り手となってそれぞれのストーリーを語る枠物語もある。ペストから田舎に逃れた人々が暇潰しに話を出しあうボッカッチョの『デカメロン』や、カンタベリーへの巡礼の旅の途中に出会った人々がお互いの話を披露しあうジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』がその有名な例である。
映画『羅生門』で、雨宿りする複数の人物が物語るそれぞれのストーリーは同じ1つの事件である。しかし、内容が食い違い、どれが真実なのかといったミステリーの要素を持っている。