気嚢
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デメリット
陸上四肢動物は肺呼吸を行う。哺乳類では肺呼吸の効率化のために横隔膜を持ち、腹式呼吸を発達させた。哺乳類は、横隔膜による肺の拡大・縮小による吸気・排気を行う。
横隔膜と気嚢は、どちらも低酸素環境に対応するため進化したと考えられているが、肺に空気を吸い込むポンプ機能を高めた横隔膜方式に対し、肺が酸素を取り込む効率を高めたのが気嚢方式である。
鳥類では呼吸の効率化のために、肺の前後に気嚢を持つ。肺は何本かの管を束ねたような形状で、前後の開口部が気嚢につながっている。肺への吸気・排気は、気嚢の拡大・縮小により、一方向に空気を流す形で恒常的に行われ、酸素を消費した後の空気が肺にとどまることはない。前後の気嚢は、それぞれ前気嚢・後気嚢と呼ばれる。具体的には、肺と後気嚢の両方で空気を吸い込み、息を吐くときは後気嚢の新鮮な空気は肺に入り、肺の空気は呼気として前気嚢に入り、前気嚢の空気は呼気として排出される[1]。
気嚢による呼吸システムは哺乳類が選択した横隔膜によるシステムよりも呼吸効率がはるかに高い。そのため、鳥類ははるか1万m上空の空気密度の低い空間でも呼吸が可能である。例えば、アネハヅルやインドガンはヒマラヤ山脈を越えて渡りをすることで知られている。マダラハゲワシは、高度12,000メートルで飛行機のジェットエンジンに吸い込まれたという記録がある[2]。
動物の寿命は、傾向的に身体が大きいほど長く、また同体重なら変温動物の方が恒温動物より長い。これは小さい動物は身体から熱エネルギーが逃げやすいため代謝が早く細胞組織に負担がかかるためだともいわれる。変温動物より代謝量が大きい恒温動物にも同様の理屈が当てはまる。ところが同じ恒温動物でも、哺乳類より鳥の方が体重比で格段に長命である。これは気嚢により呼吸効率が高い鳥類の方が代謝に伴う細胞の負担も小さいことが一因ではないかともいわれる。
呼吸効率面では優秀な気嚢であるが、ポンプの役割を複数持つというスタイルが起因するスペース効率の悪さがネックとなり、呼吸器官の小型軽量化という面では優秀なシステムとは言えない。
また呼吸器の疾患が身体の広範囲に及ぶことになり疾病リスクを増すことにもなる。

