炎の肖像
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| 炎の肖像 | |
|---|---|
| 監督 |
藤田敏八 加藤彰 |
| 脚本 | 内田栄一 |
| 製作 | 伊地智啓 |
| 製作総指揮 | 五味春雄 |
| 出演者 |
沢田研二 秋吉久美子 地井武男 大門正明 |
| 音楽 |
井上堯之 大野克夫 |
| 撮影 | 山崎善弘 |
| 編集 | 井上治 |
| 製作会社 | 日活 |
| 配給 | 日活 |
| 公開 |
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| 上映時間 | 96分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 日本語 |
『炎の肖像』(ほのおのしょうぞう)は、1974年12月28日に公開された日活製作配給による日本映画[1]。当時絶大な人気を誇った"ジュリー"こと沢田研二の初主演映画。企画提携・渡辺プロダクション[1]。監督は藤田敏八と加藤彰。
沢田は、ザ・タイガースのメンバーとして、「ザ・タイガース 世界はボクらを待っている」(1968年)など3作に主演しているが、ソロになってからは本作が初の主演映画である。
ジュリーの愛称で人気のあるロック歌手・鈴木二郎を主人公に、虚構と現実を混在させながら、自由とロマンを求める若者の孤独と苦悩を描いた青春ドラマ。
マスコミを通じて作られた虚像と、暴力や性衝動への志向性を秘めた実像を持つ、一人のスーパースターを通して、その日常性や、押し寄せる疎外感を描き出した異色の青春映画[2]。
あらすじ
喧嘩をして血まみれの姿のまま、波間に揺れる廃船に横たわる男。彼の名は鈴木二郎。ジュリーの愛称で人気のロック歌手だ。浜辺にたどり着いた彼は、既にいない喧嘩相手に悪態をつきながらホテルに戻る。部屋では、年上の恋人である小林絵里が待っていた。激しく絡み合う二人。喧嘩の一部始終をみていたという絵里は、「死んじゃえばよかったのよ、あんたなんか」と二郎にいう。画家である絵里の絵を「面白くなくなってきた」という二郎に、「柄にもなく、当たり前の女になろうとしたからね」と答える絵里。年上の女の偏愛の煩わしさに部屋を出る二郎。あてもなく歩いていた二郎に、トラック運転手の星野が声をかける。
その頃、電車に乗っていた絵里は東京まで乗り越すことを車掌に告げていた。星野と一緒に立ち寄ったドライブインで、駐車してあった車を免許もないのに運転してぶつけてしまった二郎は走って逃げてしまった。一方、操車場で画材と共に倒れている絵里が遺体で発見された。数日後、二郎の部屋の前にいたきりこという少女を連れて、二郎の父親が訪れてきた。彼女は近くの喫茶店で待っている友人・小林ひろと会ってほしいという。ひろは死んだ絵里の妹であることを告げられた二郎は、喫茶店でひろと会うことにした。二郎を前にしたきりことひろは、絵里が死んだのは二郎のせいだと詰め寄る。「絵里が死んだんは俺のせいやとして、この俺にどうせっちゅうんや」と開き直る二郎。「こんな可愛い妹さんがいるなんて聞いてなかったな」という二郎に平手打ちを見舞って店を出て行くひろ。「一緒に食事にでもいこうよ。呼び戻してこいよ」という二郎に、「それがあなたの手口なのね」と捨てぜりふを残してひろの後を追うきりこ。
数日後、乗っていた電車から、偶然売店で働くきりこをみかけた二郎は、反対方向の電車に乗り換えてきりこを見かけた駅まで戻る。仕事が終わるまで待っていた二郎はきりこに話しかけるが、「痴漢だ」と騒がれてしまう。強引にきりこの手をとってガード下まで連れてきた二郎に、きりこは元々二郎のファンで嫌がっていたひろを無理矢理連れて行ったのは自分であることを告げる。「会ってくれなかったら投書してやろうと思っていた」というきりこに突然キスをする二郎。「それがお前の手口かよ」という二郎に、「あなたの手口がみたかったのよ」というきりこ。「投書でも何でもご自由にどうぞ」と言い残して二郎は去っていく。数日後、ひろと電車に乗っている二郎。目的も行方も知らされていないらしいひろは二郎に抗議する。二郎は、「あいつが悪いんだよ」と、一緒に誘ったのに来なかったらしいきりこを責める。二郎がひろを連れて行ったのは絵里と最後に過ごした海辺のホテルだった。「私をどうしようっていうの」と聞くひろに「何もしない」と答えた二郎は、ひろをモーターボートで沖に連れていく。通りかかった船に自分だけ乗り移った二郎は、ひろを置き去りにしたまま岸に戻ってしまう。ひろを助けに行って構わないと、通りかかった船の主に告げた二郎は、「俺、あいつ、捨てたんや」と言い残して立ち去る。
その道すがら、偶然絵里と最後にあった日に喧嘩した相手・大門正明と遭遇した。意気投合した二人は、大門の車で、星野と行ったドライブインに行く。二郎が車をぶつけてしまった店だ。あの日、ジャンパーをくれた星野に、なぜか二郎は会いたかった。しかし、二郎が車をぶつけてしまったことを憶えていた店員に騒がれ、二人は警察に連行される。父親が身元を引き受けにきた大門と警察署の前で別れると、停まっている星野のトラックが目に入った。食堂の店員に聞いたという星野が迎えにきてくれたのだ。「うちまで送ってやる」という星野に、「このまま乗っていってもいいかな」という二郎。妊娠した女房を実家まで連れていくため、途中から乗ってくるからダメだという星野に、二郎は「そこまででいいから」と頼み込む。車内で星野が元ボクサーで、誤って対戦相手を死なせてしまうという過去をもっていることを聞く。星野の女房は、その時の対戦相手の妻だという。星野の妻と入れ替わりに二郎が降ろされたのは郡山だった。部屋に戻った二郎を父親ときりこが待っていた。「この間はいけなくてごめんなさい。ひろは?」と問いかけるきりこに「関係ないよ」と素っ気なく答えた二郎は、きりこを引き寄せてキスをする。様子を察した父親が気を利かせて出かけると二人は激しく抱き合う。
壁にいたゴキブリを手に取り、「俺んち、冬でもゴキブリが出るんや。俺や。俺みたいなもんや」といいながら笑いかける二郎。「あんた、なんちゅう名前やっけ」という二郎に「きりこ。ジュリーはなんでジュリーっていうの?」と尋ねるきりこ。「それはやねえ…」と話し出す二郎。二人だけの時間は静かに過ぎていくのだった。