為替レート断絶パズル From Wikipedia, the free encyclopedia 経済学地域別の経済 理論 ミクロ経済学 マクロ経済学 数理経済学 実証 計量経済学 実験経済学 経済史 応用 公共 医療 環境 天然資源 農業 開発国際 都市 空間 地域 地理労働 教育 人口 人事産業 法 文化 金融 行動 一覧 経済学者 学術雑誌 重要書籍カテゴリ 索引 概要 経済 ポータル カテゴリ表話編歴 為替レート断絶パズル(かわせれーとだんぜつぱずる、英: The exchange-rate disconnect puzzle)とは、国の時系列データにおいて、為替レートと国のあらゆるマクロ変数の相関が弱いこと[1]。 為替レートは自国通貨と外国通貨の相対価格であり、多くの経済取引に影響する重要なマクロ経済変数である。それにもかかわらず、為替レートが他のマクロ経済変数と相関がないことは理解し難いパズルと言える。初期の研究では、マクロ経済のファンダメンタルズを用いて予測することが非常に難しいことが指摘されている[2]。また、固定相場制から変動相場制に移行すると、名目為替レートと実質為替レートの変動が大きくなるにもかかわらず、マクロ経済変数の変動は固定相場制のときに比較してほとんど変化がないことも指摘されている[3][注 1]。 国際経済学上の位置づけ モーリス・オブストフェルドとケネス・ロゴフは国際経済学における6つのパズルの1つとしてこの為替レート断絶パズルを挙げている[1][注 2]。 パズルに対する説明 モーリス・オブストフェルドとケネス・ロゴフは、為替レートは変動が非常に大きい一方で、利子率やGDPなどの他のマクロ経済変数は変動が小さく、両者の変動の違いをモデルを用いて説明することが困難であることを指摘している[1]。そして、この変動の差異を説明するには、例えば貿易財と非貿易財を導入し、さらに名目価格が粘着的(あるいは硬直的)なモデルを考えることを示唆している。これによって、為替レートが変動しても、短期的には国の物価水準には大きな影響はなく、他のマクロ経済変数にも影響しないことになる。 初期の研究[2]で為替レート断絶のパズルが観察されたのは、その研究において(1)前向きな(forward-looking)為替レート決定要因を考慮していなかったこと、(2)国家間の利子率が等しくなり得ないこと、(3)為替レートは経済主体の期待収益に対する期待に大きく影響されること―などを考慮していないから発生したものであると指摘している研究もある[4]。 脚注 注釈 ↑ これらについてはモーリス・オブストフェルドとケネス・ロゴフの論文に要約されている[1]。 ↑ その他のパズルは、フェルドシュタイン=ホリオカの逆説、エクイティ・ホーム・バイアス・パズル、国境パズル、購買力平価のパズル、バッカス=キーホー=キドランドの逆説である。 出典 1 2 3 4 Obsfeld, Maurice; Rogoff, Kenneth (2000), “The Six Major Puzzles in International Macroeconomics: Is There a Common Cause?”, in Bernanke, Ben; Rogoff, Kenneth, NBER Macroeconomics Annual 2000, 15, The MIT Press, pp. 339–390, ISBN 0-262-02503-5, https://www.nber.org/chapters/c11059.pdf 1 2 Meese, Richard A.; Rogoff, Kenneth (1983) "Empirical exchange rate models of the seventies: Do they fit out of sample?" Journal of International Economics, 14(1-2): 3-24. ↑ Baxter, Marianne; Stockman, Alan C. (1989) "Business cycles and the exchange-rate regime: Some international evidence." Journal of Monetary Economics, 23(3): 377-400. ↑ Horioka, Charles Y.; Ford, Nicholas (2016) "A possible explanation of the `exchange rate disconnect puzzle': a common solution to three major macroeconomic puzzles?" Institute of Social and Economic Research Discussion Papers, 977. 関連項目 経済学上の未解決問題 表話編歴マクロ経済学学派 新古典派経済学 ケインズ経済学 新古典派総合 マネタリスト 新しい古典派 ニュー・ケインジアン 新しい新古典派総合 主要概念 貯蓄 貨幣 利子 物価 不況 フローとストック 総所得・総生産・総支出 国民経済計算 国内総生産 有効需要 付加価値 消費 投資 実質経済成長率 GDPデフレーター 消費者物価指数 労働分配率 経済政策 財政政策 金融政策 45度線分析 IS-LM分析 AD-AS分析 中央銀行 インフレーション スタグフレーション 政策金利 フェデラル・ファンド金利 乗数効果 波及効果 貨幣乗数 公開市場操作 経済成長 ソローモデル ハロッドドーマーモデル(英語版) 経済成長 内生的成長理論(英語版) 生産性 労働市場 非自発的失業 失業 雇用 自然失業率 労働市場のマッチング理論(英語版) ベヴァリッジ曲線(英語版) 労働力人口 ダグラス・有沢の法則 金融・債権市場 累積債務問題 過剰債務 パリクラブ エクイティプレミアムパズル マネーサプライ マネタリーベース 財政赤字 国債 地方債 景気変動 景気循環 特需景気 リアルビジネスサイクル理論 開放経済 為替レート 市場介入 外国為替平衡操作 マンデルフレミングモデル 購買力平価説 為替レートのオーバーシューティング・モデル(英語版) カバーなし金利平価のパズル 為替レート断絶パズル 購買力平価のパズル フェルドシュタイン=ホリオカの逆説 エクイティ・ホーム・バイアス・パズル モデル サーチ理論 動学的確率的一般均衡(英語版) マクロ経済学のミクロ的基礎付け 合理的期待(英語版) 適応的期待(英語版) バッカス=キーホー=キドランドの逆説 バッカス=スミスの逆説 カテゴリ 表話編歴経済学のパラドックスミクロ経済学 アローの不可能性定理 エッジワースのパラドックス(英語版) 合成の誤謬 コモンズの悲劇 サンクトペテルブルクのパラドックス セロファンの誤謬(英語版) ベルトランのパラドックス 水とダイヤモンドのパラドックス マクロ経済学 イノベーションのジレンマ エクイティプレミアムパズル エクイティ・ホーム・バイアス・パズル 耐久財のディレンマ 国際貿易論 オランダ病 グリック=ローズの逆説 国境パズル 国際弾力性パズル 貿易喪失パズル ミッシング・グローバリゼーション・パズル メッツラーの逆説 ラーナーの逆説 レオンチェフの逆説 国際金融論 カバーなし金利平価のパズル 為替レート断絶パズル 購買力平価のパズル トリフィンのジレンマ バッカス=キーホー=キドランドの逆説 バッカス=スミスの逆説 フェルドシュタイン=ホリオカの逆説 ルーカスパラドックス 他応用経済学 ジェボンズのパラドックス 生産性のジレンマ ブライスのパラドックス パラドックス カテゴリ Related Articles