Wikiwand AI

片栗粉

カタクリの地下茎、もしくはその他の材料から作られたデンプン粉 From Wikipedia, the free encyclopedia

片栗粉(かたくりこ)は、本来はカタクリの地下茎から作られたデンプンの粉(澱粉)[1]。しかし、大量生産され市場に流通している多くの片栗粉はジャガイモ(馬鈴薯)から製造される馬鈴薯デンプンである[1]。主に調理用粉・和菓子材料として使用されている[2]。

歴史

カタクリ

かつては文字通り、日本北東部の原野などに自生するユリ科のカタクリの根茎から製造した。江戸時代においては、播磨国,越前国など複数の産地で生産され、特に大和国の宇陀では名産品となり幕府へ献上されるなど活発であった[3][4]。

自生カタクリの減少、また明治以降、北海道開拓が進みジャガイモが大量栽培されるようになると[4]、原料はジャガイモに切りかわっていったが、名称はそのまま残った[4]。

調理

先述のように一般的に片栗粉として用いられているのは、馬鈴薯のデンプン(ばれいしょでんぷん)である[5]。片栗粉のアミロース含有量は20 - 22%程度で、コーンスターチとともにとろみ付けに用いられるが、片栗粉は特に高い粘性が必要な料理に用いられる[6]。また、片栗粉はコーンスターチなどに比べ比較的濃度が低いときから高い保温性をもつ[6]。

揚げ物[5]、中華料理などのとろみ付け[5]、麺類(即席麺)[5]、練製品(ちくわ、かまぼこ等)[5]に利用される。

揚げ物

天ぷらの調理では衣自体に添加されることがあるほか、衣が付きやすいよう下粉に添加したり、海老などの汚れを取る下処理にも利用される[7]。

麺類

片栗粉麺・でんぷんうどん
片栗粉麺とはうどんその他を片栗粉で製した麺のことである[8]。小麦ではなくジャガイモデンプンを用いた「でんぷんうどん」は北海道の農村地帯の郷土料理である。白く透き通った麺で、強いコシが特徴である。後志管内の留寿都村では、でんぷんうどんの製麺が製造・販売され、うどんを提供する店舗もある。同・倶知安町では、地元名産の男爵いもを使用した豪雪うどんを開発、提供する。

菓子類

いももち
加熱し皮をむいたジャガイモに片栗粉を加えて練り、焼き上げたもの。
でんぷんかき
粉を水で溶き、熱湯を注いで糊化させた菓子。砂糖などで味付けをして食する。冷めると液状に戻る。

水溶き片栗粉

八宝菜、かに玉、酢豚、麻婆豆腐など、特に中華料理でとろみつけに多用される。強火で煮立った状態で投入するとダマになりやすいため、いったん火を止めてから加えるといった方法もとられる[9]。

とろみは加熱時間が長いほど強くなるが、加熱しすぎると、とろみの元となるデンプンが壊れる[9]。とろみが緩い場合には水溶き片栗粉を足す[9]。一方、とろみが強すぎる場合には少量ずつ水分を足し、料理に合わせて調味料を足して調整する[9]。

飲料

とろみを付けることで病人でも嚥下しやすくなる。小林一茶の『父の終焉日記』には、「カタクリなど練りて」と葛湯のように熱湯でといて病床の父に勧めたことが記されている[3]。

その他の利用法

  • 音響効果の分野で「雪の上を歩く時の音」として、片栗粉をギュッと押した時の音が使われる。
  • 歴史学の分野で石碑の文字を読み取る際に、小さな文字やはっきりしない文字を浮き出させるために使われる[10]。

脚注

関連項目

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks