物自体
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概要
歴史的経緯
「物自体」という概念は、古代ギリシャのエレア派・プラトン・アリストテレス等によって形成された「イデア・形相」ないしは「ウーシア」概念、また、それを継承した中世のスコラ学における「神」に似た概念、すなわち、「理性でのみ接触し得る本質」という西洋思想の伝統的発想の延長線上にあり、それをカントの批判哲学・超越論哲学(先験哲学)の枠内で表現した概念である[2]。
大陸合理論では、すべての確実な知識は生まれつき持ち、しかも、疑いようもなく明らかな真理な原理に由来すると説く立場である。 他方、イギリス経験論では、いっさいの知識は経験に由来すると主張する[6]。
こうした大陸合理論とイギリス経験論を弁証法的に解決し、また同時に伝統的な超越的概念も擁護し、「形而上学」を適正に復興すべく、「理性自体の吟味」を通じて、「人間は超越的概念(物自体)に対して、どこまで理性的に思惟・接近し得るのか」を示そうとしたのが、カントの批判哲学・超越論哲学(先験哲学)である[2]。