特定看護師
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保健師助産師看護師法第37条の2 - 特定行為を手順書により行う看護師は、指定研修機関において、当該特定行為の特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない。
変遷
2013年(平成25年)12月に「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保推進法)」が成立し、2015年(平成27年)10月に「保健師助産師看護師法」が改正されて本職が規定された。
医療行為
特定行為
厚生労働省は、看護師の医療補助行為に加えて特定看護師に可能とされる医療行為(医行為)21区分38項目、を下記に規定する。記された行為は「患者の病状が手順書に示されている病状の範囲であり特定行為の適応である」場合に限り、医師または歯科医師の判断を待たずに実施が可能である。事前に医師または歯科医師が診察し、特定行為を実施する「患者の特定」と「個々に手順書の発行」は必須条件である。
| 区分 | 項目 | |
|---|---|---|
| 1 | 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 経口または経鼻用気管挿管チューブの位置の調整 (基本的に気管挿管/抜管は本制度の特定行為に含まれず 後述 ) |
| 2 | 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | 侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
| 3 | 非侵襲的陽圧換気の設定の変更 | |
| 4 | 人工呼吸器管理がなされている患者に対する鎮静薬の投与量の調整 | |
| 5 | 人工呼吸器からの離脱 | |
| 6 | 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 気管チューブ(カニューレ)の交換 |
| 7 | 循環器関連 | 一時的ペースメーカの操作及び管理 |
| 8 | 一時的ペースメーカリードの抜去 | |
| 9 | 経皮的心肺補助装置(PCPS)の操作及び管理 | |
| 10 | 大動脈内バルーンパンピング(IABP)からの離脱を行う時の補助頻度の調整 | |
| 11 | 心嚢ドレーン管理関連 | 心嚢ドレーンの抜去 |
| 12 | 胸腔ドレーン管理関連 | 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及び設定の変更 |
| 13 | 胸腔ドレーンの抜去 | |
| 14 | 腹腔ドレーン管理関連 | 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。) |
| 15 | ろう孔管理関連 | 胃ろうカテーテル(経鼻胃管)もしくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタン(PEG)の交換 |
| 16 | 膀胱ろうカテーテルの交換(腎ろうカテーテル交換は不可) | |
| 17 | 栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理:CV)関連 |
中心静脈カテーテルの抜去(挿入ないし留置は不可) |
| 18 | 栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理:PICC)関連 |
末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入(抜去も可) |
| 19 | 創傷管理関連 | 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去(デブリードマン) (出血時のバイポーラ使用も含めての焼灼止血処置も可) |
| 20 | 創傷に対する陰圧閉鎖療法 | |
| 21 | 創部ドレーン管理関連 | 創部ドレーンの抜去 |
| 22 | 動脈血液ガス分析関連 | 直接動脈穿刺法による採血 |
| 23 | 橈骨動脈ラインの確保(A-line挿入留置) | |
| 24 | 透析管理関連 | 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理 (基本的にICU等でのCHDF管理 クリニック等の通常の定期の維持血液透析管理診療は不可) |
| 25 | 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
| 26 | 脱水症状に対する輸液による補正 | |
| 27 | 感染に係る薬剤投与関連 | 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
| 28 | 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | インスリンの投与量の調整 (医師の指示書で通常の看護師も行えるインスリンスケール投与 |
| 29 | 術後疼痛管理関連 | 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
| 30 | 循環動態に係る薬剤投与関連 (基本的に入院中で特に集中治療管理中の患者の代理管理) |
持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
| 31 | 持続点滴中のナトリウム、カリウム、クロールの投与量の調整 | |
| 32 | 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 | |
| 33 | 持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整 | |
| 34 | 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 | |
| 35 | 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | 抗けいれん薬の臨時の投与 |
| 36 | 抗精神病薬の臨時の投与 | |
| 37 | 抗不安薬の臨時の投与 | |
| 38 | 皮膚損傷に係る薬剤投与 | 抗がん剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整 |
禁止行為
「診断」「処方」「手術」は「医師と歯科医師のみ(研修医を含む)」実施可能とされ、それ以外の者によるこれら行為の実施は医師法ないし歯科医師法に触法する。
絶対的禁止行為に以下がある。
特定行為外
本制度の規定する特定行為ではないものに以下がある。
- 気道確保/気管内挿管/抜管
- 医師と歯科医師(研修医を含む)は可能
- 救命救急士は「挿管」は可能で「抜管」は不可
- 制度創設時の審議会において「日本麻酔科学会」と「日本医師会」が「気道確保/気管内挿管/抜管」を「特定行為」に含めることに強く反対して現在も本制度の規定する「特定行為」には含まれない。
- 「平成27年10月1日厚生労働省医政局看護課長から各都道府県衛生主幹部宛通達(医政看発1001第1号)」で「従前通り看護師と准看護師は医師と歯科医師の指導の下で気道確保/気管内挿管/抜管は診療補助行為として行える」という解釈通知がなされ「そもそも特定看護師で無くとも看護師と准看護師自体で医師と歯科医師の指導の下であれば気道確保/気管内挿管/抜管は行える」とされた。実際に、手術時等で麻酔科医の指導の下であれば特定看護師が気管内挿管/抜管を行うことは可能とされ、また保険点数算定規定での麻酔管理料Ⅱに「麻酔科医の管理の一部を特定看護師が行なっても差し支えない」と規定改訂もなされている。
実際と議論
上記の特定行為21区分38項目以外にも実際の臨床現場では「研修医」と同じような以下の医療行為(医行為)が行われており今後の議論とされている。近年電子カルテの進歩もあり、指示医師の事後承諾を前提に「指示医師名義」で検査指示や処方箋の発行といった「代行入力」や「代理診療」行為が比較的簡易に行えることが出来て、「研修医」とほぼ同じ扱いで従事とされている。「研修医」が確保出来ないことでの「研修医」の代わりとして各医療機関での個々の解釈と判断で詳細な統一基準が不在な状態で行われている。
- 処方の範囲
- 外科的手術行為の範囲
- 外来診療行為の範囲