獣姦
人間が人間以外の動物と行う性行為
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歴史
獣姦についてはっきり概念化された禁止規定がある考古学的に確認できる最古の法律の記録とされるのがヒッタイトの粘土板の記録であり、何年の粘土板なのか正確なところは不明ではあるものの、紀元前1650年から紀元前1500年頃の記録ではないかと推測されている[1]。
- 『出エジプト記』22章18節には「全て獣と寝る者は必ず死刑に処される」とある。これはモーゼが神から授かった十戒に次ぐ契約の書として書かれている。
- 古代インカでは、酪農家は家畜に餌を食ませるためかなり遠い地域まで草を求めて遠征したが、この仕事は男性の仕事とされ、何週間も家族とも人間の社会とも離れて生活するため、孤独を癒すために家畜のヤギやリャマで発散したとされる[要出典]。
獣姦は歴史的に宗教的戒律から禁じられてきた。中世以降のヨーロッパではキリスト教の教えを背景にして、いわゆるソドミー法で獣姦は重大な問題とされ、人間と動物が性行為を行ったとして実際にしばしば裁判沙汰になっていたことを示す記録も残されている[2]。特にキリスト教文化圏で人間とその他の動物との性行為がタブーとして扱われる背景には、人間と動物をより異なる存在として扱おうとするその文化的姿勢があるとみられる[3]。しかし、現代においては後述のように動物虐待といった観点以外これを禁ずる社会的規範を当てはめることはできない[4]。
2005年、アメリカ・ワシントン州において雄馬と性行為をした男が大腸穿孔により死亡した事件があり(イーナムクロー馬姦事件)、のちに同州では動物との性交、および撮影が法律により禁止された[5]。
ドイツでは、刑法175条によって男性間の同性愛とともに獣姦が禁止されていた。この条文はドイツ帝国の時代に制定され、ナチスドイツ、東西ドイツ分裂を経て、ドイツ再統一後に廃止された[6]。ただ、2013年に動物保護法第3条第13項において、その動物に対し通常その種が行う動物の性行動としてふさわしくない振る舞いを自己または他人とするよう強制することを禁止する旨の条文が設けられた[7]。動物性愛の当事者らからこれは実質的に動物との性行為を禁止する規定なのではと疑われ、当事者団体の人々が連邦憲法裁判所に訴えを起こしたのだが、この条文が対象としているのはあくまでそのような振る舞いを強制した場合であるので訴えは不適合との理由で棄却された[8]。そのため、結局のところドイツでは人間と動物の性行動は禁止されていないとも解釈できる状況となっている[9]。
ヨーロッパでは法律を倫理規定にするものではないとの考えから、20世紀中ごろには獣姦を罰する法律がある国は少数派になっていたのだが[10]、2004年のフランス、2007年のベルギー、2008年のノルウェー、2010年のオランダ、2015年のデンマークと、各国の動物保護法に動物との性行為に関する規定が盛り込まれる動きが続いた[11]。
アメリカ合衆国では、動物の倫理的扱いを求める人々の会が2016年6月21日付で、人間は自らが支配する動物とは性的同意を交わすことができず、動物と性行為をすることはレイプに相当するとする声明を出したことがある[12]。2014年時点ではアメリカ合衆国で獣姦について刑罰を科す規定があるのは31州であったのだが、その後の約10年の期間のうちにウェストバージニア州を除く大半の州で獣姦に対する何らかの制裁規定が設けられることになった[10]。
獣姦の対象

神話・伝説においては、獣姦は芸術、文学にしばしば登場し、中でもギリシャ神話がよく知られている。
白鳥に変じたゼウスとレダが性交し、のちにトロイ戦争の火種となるヘレネーが誕生する話をはじめ、ミノス王の妃パーシパエー(パシファエ)が牛と性交して後に牛頭人身のミノタウロスを産んだ話などがある。
日本における伝承としては、農家の飼いウマとその家の娘が性交して夫婦となった遠野のオシラサマ伝説などがある。
近年の日本では

また、類人猿に限らず、幼少時から人間に育てられた動物が人間に求愛行動をすることはコンラート・ローレンツによって報告されており[13]、獣姦の例としてはアラビアンナイトで人間の女性を襲うヒヒが登場している[14]。なお、獣姦は動物虐待とみなされることもある[15]。
日本における獣姦
衛生上の問題
獣姦が登場する作品
映画作品
- 『あばよダチ公』(1974年、日活)
- 欲求不満から、ジンギスカンにするべく食料として盗んできた山羊と性交する男が登場する。
- 『邪淫の館・獣人』(1975年、フランス)
- ヴァレリアン・ボロヴズィック監督作。熊に似た獣人とフランス貴族の女性の交尾で、獣人の巨大な陰茎が何度も射精する描写がある。
- 『父 パードレ・パドローネ』(1977年、イタリア)
- ガヴィーノ・レッダ作。イタリアのサルデーニャ島で牧童が日常的に家畜を相手に獣姦を行っていた事実が明らかにされた。
- 『北斎漫画』(1981年、松竹)
- 葛飾北斎の波乱に満ちた半生を描いた作品で、お直(樋口可南子)が大きな蛸と性交する『蛸と海女』のイメージが実写で描かれる。
- 『楢山節考』(1983年、東映)
- 姥捨山の話をモチーフに信州の山奥の寒村に住む人々を描いた作品。犬と性交する男が登場する。
- 『犬とおばさん』(1995年、エクセス)
- 主演女優(辻真亜子)と犬との獣姦を描いた作品。成人映画ながら広告媒体などを通じ一般に広く知られる。
- 『続・犬とおばさん』(1995年、エクセス)
- 前作を受けて製作された犬との獣姦を描いた作品。
- 『変態村』(2004年、フランス)
- 地図に載っていない小さな村に迷い込んだ売れない歌手の青年が体験する恐怖を描いた作品。豚と性交する村人たちが登場する。
漫画
浮世絵
アダルトビデオ
- 『男と女のアニマルゲーム』(1987年、V&Rプランニング)
- 監督:安達かおる。男優の並木翔(なみき・しょう)がヤギとやり、女優の山岸恵がコリー犬に犯される[18]。超売れっ子AV男優の並木翔がオスのヤギのアナルに挿入し、噂が広がり女優・メーカーらが並木翔をNG男優に指名し、並木翔の仕事がなくなったという逸話がある[19]。
- 「獣皇」シリーズ
その他、獣姦モノのAVをだしたことのあるメーカー。
- 月光 - 2003年11月 - 2008年8月にかけて、40作以上制作。
- カルマ - 2005年4月〜2008年1月にかけて、「パイパン獣姦」シリーズなど、13作品ほどリリース。
- 株式会社アルファーインターナショナル - 2006年3月から2007年2月にかけて、『THE DOG GAME 監禁獣姦レイプ』シリーズで5作品。 松井さくらや綾野みゆきが出演。
- ワープエンタテインメント - 2008年10月30日『DOGGY FUCK ~女ハ獣ヲ目デ犯ス 村上里沙』。
ズーフィリアの精神医学における定義
精神医学の領域における動物性愛という概念は、19世紀のリヒャルト・フォン・クラフト=エビングによる論述がきっかけで生まれたものとされている[20]。それまでは動物性愛は獣姦の概念と分離したものではなかったのだが、リヒャルト・フォン・クラフト=エビングが両方の概念を使い分けたことで、動物性愛の概念が医学の世界で浸透していくことになった[20]。
世界保健機関 (WHO) の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類 (ICD) 』では以前は「性嗜好障害」という言葉を用いていたが、2019年の「ICD-11」からは「性嗜好障害」という言葉を使わずに「パラフィリア症群」という言葉を用い、動物への性的興奮の症状は「同意しない者を対象とする他のパラフィリア症群」として下位に分類されている[21]。
この「パラフィリア症群」は以下の内容で特徴づけられる[21]。
- 持続的かつ強烈な非典型的性的興奮パターンを有する。
- そのパターンは、同意能力のないあるいは同意を拒む者を対象とする。
- もしくは、そのパターンは、自身に著しい苦痛をあたえる。ただし、それはその興奮パターン自体によるものであり、単にその興奮パターンが他者から拒絶されること、または他者から拒絶されるのを恐れることによる二次的なものではない。
- もしくは、そのパターンは、たとえ相手の同意があったとしても自身か相手に傷害・死亡に至る重大なリスクを生じさせる。
書籍
- 『愛しのペット―獣姦の博物誌』(2000年、工作舎、ISBN 4875023308)

