珍道中シリーズ
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本作品群は、いずれも冒険、喜劇、恋愛、そして音楽を組み合わせたものであり、ミュージカル映画としての側面も持っている。
最小限のプロットはギャグ、およびクロスビーとホープが撮影中に放つ大量のアドリブに重点を置いたものであり、「バリ島」までの各作品ではヒロインのラムーアを巡ってクロスビーとホープが恋のさや当てを繰り広げるパターンも繰り返される(たいていの場合、勝ちを収めるのはクロスビーで、最後にホープがぼやくという流れである)。
大量の楽屋落ちは、ほかのハリウッドの俳優への目配せや、パラマウント映画へのジャブに満ちている。パラマウント社は『ミサイル珍道中』以外の全作の製作配給元である。
作中には、ボブ・ホープが「第四の壁」を破る瞬間がたびたび登場する。一例として『バリ島珍道中』では、壁を破ったあとに、カメラ目線で観客に向かって、「(クロスビーが)もうじき歌うぜ、お客さん。さあ、席を立ってポップコーンを買ってきな」と言い放つ。
また、ハリウッド映画における「ご都合主義」を逆手に取ったギャグも多い。敵に囲まれる危機を迎えたクロスビーとホープが、次のシーンでは「どうしてあそこで無事だったんだろうね?」「説明しても信じてもらえないだろう」とまともな危機脱出の説明もなしで無事に進んでしまうようなくだりは、その最たるものであろう。
ギャグやおふざけは多いが、挿入される音楽の質は高く、作曲家のジミー・ヴァン・ヒューゼンや作詞家のジョニー・バークらが優れた挿入歌を多く作り、主としてクロスビーの歌唱で流された。その中には後世に残るスタンダードとなったバラードの例も多い。代表は「モロッコへの道」の挿入歌「ムーンライト・ビカムズ・ユー」、「南米珍道中」の挿入歌「バット・ビューティフル」などであろう。
なお、『ミサイル珍道中』以外の全作品が製作国(米国)に於いてパブリックドメインとなっている。
またシリーズ間におけるストーリーや役名の繋がりは存在しておらず、それぞれ1作で完結している。
フィルモグラフィ
- パラマウント映画製作分
- シンガポール珍道中 Road to Singapore 1940年 監督ヴィクター・シャーツィンガー
- アフリカ珍道中 Road to Zanzibar 1941年 監督ヴィクター・シャーツィンガー
- モロッコへの道 Road to Morocco 1942年 監督デヴィッド・バトラー
- アラスカ珍道中 Road to Utopia 1946年 監督ハル・ウォーカー
- 南米珍道中 Road to Rio 1947年 監督ノーマン・Z・マクロード
- バリ島珍道中 Road to Bali 1952年 監督ハル・ウォーカー
- ユナイテッド・アーティスツ製作分
- (メルナー・フィルム制作、英米合作映画)
- ミサイル珍道中 The Road to Hong Kong 1962年 監督ノーマン・パナマ
※日本では次の作品も加えて、「8本のシリーズ」とされ、8番目に公開された。ただし原題からも分かるように本来は珍道中シリーズではない。またクロスビーとラムーアは出演していない。
- よろめき珍道中 The Facts of Life 1960年 監督メルヴィン・フランク
- 主演ルシル・ボール、ボブ・ホープ(HLP社制作)