流れるような旋律と印象派的な(ヴォーン・ウィリアムズは一時期ラヴェルに師事していた)美しい和声に支配される楽章。音楽は即興的に次から次へと移り変わっていくような印象を持つが、ソナタ形式による。第1主題は低弦・ハープによる上昇を繰り返す音型と独奏ヴァイオリンの下降する音型よりなる。第2主題はコーラングレが奏する鄙びた旋律である。
ホルンの奏でる主題によって開始される。雰囲気は第1楽章よりも瞑想的になるが、やはり次々に流れるように旋律が移り変わる。途中、弱音のなかからナチュラルトランペットによるカデンツァ風のソロが湧き出て一時的にオーケストラは昂るが、すぐに沈静化してしまう。楽章の終わり近くで同様にナチュラルホルンがクラリネットの対旋律(楽章冒頭の主題による)を伴って呼びかけるが、今度は弦が弱々しく上昇するだけで、楽章はそのまま終わってしまう。
実質上のスケルツォ楽章だが速くなく、作曲者はこれを「スロー・ダンス」と形容した。A-B-A-B-Aの形式による。Aは低弦と金管による重々しい受け答えから始まる。Bはトランペットによって導かれる輝かしいトリオ。最後のAにはプレストのコーダがつく。コーダはこの交響曲で唯一速いテンポの音楽が現れるところで、Aの素材がフーガを用いた室内楽的な書法で処理される。
瞑想的な先の3つの楽章に比べて、感情的な雰囲気が強い楽章。ティンパニのロールの上で歌う、ソプラノあるいはテノール独唱(独唱を省く場合はクラリネット)による旋法的なレチタティーヴォから始まる。その後木管から開始される悲歌調の主題が次第に気分を高めていき、その頂点で楽章冒頭の旋律が高音楽器のユニゾンで「熱情的に」奏されると、主題もトロンボーンから全オーケストラへと発展して最後の山場を作る。曲の最後では、独唱が消え入るように歌って終わる。