知る権利

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知る権利(しるけんり、: Right to know)は、公衆がその必要とする情報を、妨げられることなく自由に入手できる権利[1]

概説

知る権利とは、国民が自由に情報を受け取り(自由権的側面)、または、国家に対し情報を公開請求する権利(請求権的側面)であり、二つの側面がある[2][3]。 知る権利は、憲法21条1項によって保障されることが、博多駅テレビフィルム提出命令事件の判決によって示されている。学説上の通説的見解に拠れば、憲法上の知る権利には裁判規範性は認められず、立法的措置(情報公開法制の制定、反論権の創設など)が必要とする[4][5]とされる。

情報受領の自由

国民が自由に情報を受け取る(自由権的側面)ことは、情報受領の自由と呼ばれる[6]

保護範囲

その保護範囲は、「新聞紙、図書等の閲読の自由が憲法上保障されるべきことは、思想及び良心の自由の不可侵を定めた憲法一九条の規定や、表現の自由を保障した憲法二一条の規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれる」(よど号事件新聞記事抹消事件)とする。 もっとも、「表現の自由は、他面において、これを受ける側の知る自由をも伴う」(札幌税関検査事件)とされる。 なお、国会における国民の知る権利の保障ため、国会には国政調査権を持たせている[7]。この他、法廷傍聴でメモを取るもの知る権利の一つとされる(法廷メモ訴訟)。

制約

情報受領の自由に対する制約は、公開や流通している情報へのアクセスを妨げるものであり、その性質上、事前抑制にあたることが多い。したがって制約を正当化するには厳格な判断が伴う[8][9]。 前出のよど号事件新聞記事抹消事件に拠れば、「所内の規律及び秩序の維持に放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があるものとしたことには合理的な根拠があり」、その制限の程度は、障害発生防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきと判示した。これは、「相当の蓋然性」の基準と呼ばれる[10]。 さらに、特定秘密の保護に関する法律は、日本国憲法上の知る権利を侵害する恐れがあるとの法学者やジャーナリスト、市民からの批判があがった。詳しくは、特定秘密の保護に関する法律に対する声明の一覧を参照のこと。

情報公開請求権

国家に対し情報を公開請求する権利(請求権的側面)は、情報公開請求権と呼ばれる。個々の国民が、裁判上公開請求権を行使するためには、公開の基準や手続き等について、法律による具体的な定めが必要である[11]。詳しくは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律情報公開条例を参照のこと。 また、行き過ぎた情報公開をさせないよう個人情報保護法制も制定されている。詳しくは、個人情報の保護に関する法律を参照のこと。

アクセス権・反論権

さらに、知る権利の一類型としてアクセス権 (知る権利)反論権がある[12]

知る自由との違い

知る自由は知りたいことを妨害されない権利(受動的権利)なのに対し、知る権利は進んで情報を収集する権利(能動的権利)であるところに違いがある。 なお、知る自由が問題となって現れる例として刑事施設被収容者(在監者)の閲読制限、わいせつ物等の青少年の読書・閲覧規制などがある。他方、知る権利が問題となって現れる例として情報公開制度、情報にアクセスする権利などがある[13]

脚注

参考文献

関連項目

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