砂川猟銃訴訟
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2018年8月21日、北海道砂川市の依頼を受けた当時北海道猟友会砂川支部長の男性は、市職員と警察官の立ち会いのもとでライフル銃を1発撃ち、斜面にいた仔ヒグマに命中させ、同行したハンターがとどめを刺して駆除した[1]。
発砲の際には、建物が50〜100mの距離に複数あり、北海道公安委員会から「弾が届く恐れのある建物の方向に撃った」と判断されたが、現地には『小高い土手』が存在しており、弾のバックストップが出来ていた。
また、もう一人のハンターが「持っていた銃の銃床に跳弾が当たり破損したが、発砲してとどめを刺した際にも気付かず、駆除終了後に車に戻ってから気付いた」として出動の2ヶ月後の10月4日に砂川警察署に被害申告をしたが、その明確な証拠もなかった[2]。
しかし、その後に「北海道公安委員会の許可なしに発砲した」などとして、鳥獣保護法違反の疑いで書類送検され、不起訴後の2019年4月に銃の所持許可を取り消された[3]。
前述したように、この支部長は「市の依頼」を受けて、市職員と警察官立ち会いの下で駆除を行っていた。しかし、後に警察側は、「現場で発砲を同意した事実はない」と主張した。
この処分を受けて、道猟友会の構成員らがこれに異を唱えて、銃による駆除を自粛したため、その後のクマ被害対策に影響を及ぼした。 事件の不可解な経緯については様々な憶測があるが、真相は不明[4]。また、猟友会に対策を丸投げしてきた行政や、ボランティア同然のハンターの低報酬、猟銃免許の存在意義などの問題点が浮かび上がった[5]。
処分取り消し訴訟
2020年5月、支部長は処分取り消しを求めて札幌地裁に提訴した[6]。
2021年12月17日、札幌地裁は処分取り消しの判決を下した[7]。しかし2024年10月18日、札幌高裁は処分を違法とした一審判決を取り消し、支部長側の請求を棄却した[8]。
2024年11月、北海道猟友会が、札幌高裁の判決を受けて、自治体からのヒグマの駆除要請に原則応じないよう、全71支部に通知する方向で調整していることが報じられた[9]。同月同会は、市町村の要請に協力して市街地に現れたヒグマを猟銃で駆除する場合、自治体や警察と十分に協議するように注意喚起する通知を71支部に出すことを決めた。協力関係が築けない場合、支部が要請を拒否することに理解を示す内容も盛り込む、とした[10]。
2025年には、全国各地でクマ被害が激増して、マスコミで連日のように報じられるようになり、高裁判決の影響によって「猟友会による駆除」が自粛されるなどしたことが、結果的に少なからず「クマ被害の激増」の一因となった[注 1][11]。これにより、全国の自治体で、クマ対策への議論が活発化し、ハンターの報酬を含めた待遇改善が行われるようになった。
2026年3月27日、最高裁第3小法廷は処分を適法とした二審判決を破棄し、違法と判断した。これにより、猟友会の支部長側の逆転勝訴が確定した[12][13][14]。同小法廷は、弾丸が現場にいた同僚ハンターらに当たる危険性があったことは認めつつ、市の要請を受けて出動した点を重視。道公安委の処分は「重きに失する」として、裁量権の逸脱、乱用に当たると結論付けた[12]。