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空気調和設備

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空気調和設備(くうきちょうわせつび)は、空気調和温度湿度・空気清浄度などの室内環境の調整)をするための建築設備である。一般に、空調設備(くうちょうせつび)と呼ばれ、さらに人に対しての空気調和を保健空調(対人空調)、物品に対しては、産業(プロセス)空調と呼ばれる。

エアコンには様々な形態がある。代表的なものとしては、窓掛け式エアコン(中国、2023年)、天井カセット式エアコン(中国、2023年)、壁掛け式エアコン(日本、2020年)、天井吊り下げ式エアコン(中国、2023年)、ポータブルエアコン(バチカン市国、2018年)などが挙げられる。

20世紀後半から、地球温暖化による建築物の外皮(ペリメーターゾーン)の熱負荷上昇、OA化による建築物の内皮(インテリアゾーン)の熱負荷上昇に伴い従前の空調方式では人間の居住環境の維持が難しくなってきている。さらに建築物の高層化、気密化が進み、種々の空気調和設備が設置されるようになってきた。

地域性

地域の気候、土地面積、法規制等によって冷暖房の形態は大きく異なり、また気候変動や環境規制等によって今後大きく変化すると考えられる。

日本

一般家庭で全館空調はセントラルヒーティングの普及した北海道を除き珍しく、各部屋ごとに冷暖房兼用のルームエアコン暖房器具を設置する場合が多い。

家庭用エアコン室内機は壁掛型が主流。

韓国

オンドルと呼ばれる床暖房システムが古来より用いられてきた。そのため家庭用エアコンは冷房のみのクーラーが多い[1]

人口過密一戸建てよりマンションが多い上にベランダもなく、室外機を設置できず屋内に置く場合も多い。この場合エアコンを使用するたびに排熱のために窓を開ける必要がある。[2]

ほとんどのエアコンには「ミセモンジ」という粒子物質による大気汚染対策のため空気清浄機能がつけられている。

またエアコンの本体価格・施工費用も高額である。日本円にして30~50万円のものがほとんどの模様。その代わり一台で家全体を冷やすパワーがある。

室内機は床置型が主流。

扇風機をつけて寝ると死ぬという扇風機の都市伝説がある。

アメリカ

HVAC (Heating Ventilation and Air Conditioning)と呼ばれるセントラル空調が主に利用される。大掛かりな熱交換、送風機を地下室やランドリールームに設置する。[3]

室外機も巨大であり、形状は立方体に近く、側面より吸気し上に向かって排気する。[4]

家全体を常時空調する。

かつては家全体で設定温度が一定だったが、現在はHVACダンパによりゾーンごとに風量、ひいては温度調節が可能になった。[5]電子制御出来るものもある。[6]

さらにはGoogle Nest thermostatなどのスマートサーモスタットによりスマートホーム化も可能となった。[7]スマートグリッドの連携も考えられている。[8]

家全体で臭いが共有されるデメリットがあり、共同のHVACにより大麻の臭いなど悪臭がマンション全体に広がることもある。[9]

日本のエアコンの寿命が10年程度なのに対し30年程度の長寿命を持つ。[10]

ダクトの掃除費用は2023年の例では家全体で1回500〜1000ドルと高額で大掛かりである。[3][11]

各部屋ごとにエアフィルターがありこれによってある程度ダクトの汚れが防がれる。[4]

室外機の形状が日本とは異なる。

売上順にトレインダイキンキャリアジョンソン・コントロールズが大部分を占めている。[12]

地域性によりアメリカ企業のシェアが大きく、トップ5メーカーのうち海外企業(日本企業)はダイキン一社のみである。環境規制により冷媒ガスがR410AからR-32,R-454Bへの移行が進みつつあるが、州によっても規制が異なる上変化も大きくどの冷媒ガスが後継に適しているかは各社で判断が分かれる。

欧州

暖房には暖炉のほか、近代ではセントラルヒーティングで各部屋に熱を供給する方式が広く普及していた。

かつては冷房は殆ど必要とされず、暖房のみが行われていたが、気候変動によって冷房の需要が急増している。しかし冷媒配管を扱える施工業者の不足、景観条例による規制によって室外機の設置が難しい場合が多く、普及率は低い[13]

設置の容易な窓枠取り付け型が多く利用される。室内機を持たず代わりに排熱のための給排気口を必要とするタイプも開発されている。[14]

欧州は環境規制に熱心で、オゾン層破壊地球温暖化のみならず環境汚染も懸念しPFASの規制を検討しているため、将来的には自然冷媒に移行するかもしれない。[15][16]

熱輸送方式による分類

熱輸送方式にはいくつかの種類があり、適合する用途が異なる。

全空気方式

全空気方式は、熱輸送に空気のみを用いるもので中央式の代表的なものである。劇場体育館などの大空間に適する。ダクトと呼ばれる金属の筒で空気を輸送するのが一般的。

特徴
  • 空調機を集中配置するため、保守が容易である。
  • 換気量を大きくすることができる。
  • 外気冷房・全熱交換器の設置など省エネルギー制御方式を行うことが容易である。
  • ダクトスペース・空調機械室が大きくなる。
主な方式
  • 単一ダクト方式:ダクトが1つであるため、冷房・暖房の混在する用途には不向きである。
    • 定風量方式:一定風量を空調機から供給する方式。温度調節は送風温度の変更で行う。
    • 変風量方式:温度調節を風量変更で行う方式。VAV方式 (variable air volume system) と呼ぶこともある。
  • 二重ダクト方式:2つのダクトでそれぞれ温風・冷風を供給し混合することで温度調節を行うもの。混合損失で省エネルギーの面で問題があり、イニシャルコストも高いため、クリーンルームや特殊環境試験装置など特殊用途に用いられている。

水・空気方式

水・空気方式は、熱輸送に水と空気とを併用するものである。

特徴
  • ダクトスペースが小さくできる。
  • エアフィルタなどを分散配置するため保守に手間がかかる。
主な方式
  • ファンコイルユニット・単一ダクト併用方式:熱交換器送風機エアフィルタが内蔵された室内ユニットに冷水または温水を供給し、温度調節を行うもの。換気はダクトで行う。
  • インダクションユニット方式:熱交換器エアフィルタが内蔵された室内ユニットに、ダクトから圧力を高めた一次空気を吹き込み室内の空気を吸引し、供給する冷温水の量で温度調節を行うもの。各ユニットにダクトの接続が必要である。

水方式

水方式は、熱輸送に水のみを使用するものである。

特徴
  • ダクトスペースが不要である。
  • エアフィルタなどを分散配置するため保守に手間がかかる。
  • 換気に換気扇・全熱交換器など別の機器が必要である。
主な方式
  • ファンコイルユニット方式:熱交換器・送風機・エアフィルタが内蔵された室内ユニットに冷水または温水を供給し温度調節を行うもの。
  • 水熱源ヒートポンプパッケージ方式:水熱源のヒートポンプエアコンを各空調箇所に分散配置するもの。

冷媒方式

熱輸送に冷媒配管を使用するエア・コンディショナーが代表的なものである。小型の建物では最も多く採用されている方式である。昨今は機器性能の向上、建築計画上の工夫により、大規模(延床面積7万m2)な事務所ビルでも採用事例がある。上記の他方式に比較し、成績係数(COP)が高く、最も省エネルギーを図れる。また、個別分散型になるため、温度制御対象が小区画になり、温度制御が容易で、快適性が増すものの、維持管理対象が小型で多数分散し、個々の耐久性も中央式と比較し短いため、長期的な修繕、更新コストは高くなる傾向にある。

構成要素

換気

湿度調整

加湿器

  • 電極式蒸気加湿器
  • 電熱式蒸気加湿器
  • 気化式加湿器/滴下式加湿器
  • 水スプレー加湿器
  • 超音波加湿器
  • 遠心噴霧加湿器
  • エアワッシャ―加湿
  • マイクロバブル加湿/ナノフォグ加湿

除湿機

  • 冷却式除湿機(過冷却による除湿方式)
  • 物理吸着式除湿機(全熱交換器ローターを用いた除湿方式/デシカント方式)

熱交換

配管

  • 冷媒配管
  • 温水配管
  • 冷水配管
  • 冷却水配管
  • 蒸気配管

自動制御

  • 電気式
  • 空気式
  • 電子式
  • 電子・空気式
  • 自力式
  • 中央管制装置 - 中央監視装置

脚注

関連項目

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