競り下げ方式
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競り下げ方式の手法
政府の「平成23年度 競り下げ試行」の結果
政府の行政刷新会議では「公共調達改革プログラム」に基づいて、95件の平成23年度「競り下げ試行」を実施した。その結果、行政コストは平均17.04%削減でき、合計3722万5338円の節約に成功した。主な結果は以下のとおり。[4]
- はたちの献血ポスター
- (H22)73万1240円 → (H23)40万円
- 医薬品報告書(1冊あたりの印刷費)
- (H22)2640円 → (H23)866円
- トナーカートリッジ
- (H22)17100円 → (H23)15700円
- トイレットペーパー
- (H22)62円 → (H23)35円
- 封筒(1枚あたり)
- (H22)3.82円 → (H23)3.42円
- 段ボール
- (H22)98円 → (H23)93円
- タイルカーペット
- (H22)420円 → (H23)345円
- 交通事故統計年報
- (H22)88万円 → (H23)49万6000円
行政コストは、平均17%の削減率という著しい効果を発揮できた一方で、「シュレッダー」や「製本機」など、ほとんど効果を挙げられなかった支出も存在した。そのため、競合他社の少ない支出にはコスト削減効果が薄いが、競合他社の多い支出には劇的な削減効果をあげるという特徴がわかり始めた。
行政改革実行法案
「平成23年度競り下げ施行」における行政コスト削減の好結果を受けて、行政改革実行法案の骨子に盛り込まれた。同法案の骨子では、「競り下げの方法を活用した調達の実施に係る措置」として「競り下げの方法を活用した調達については、経費の削減が見込まれる品目等を対象として、その対象となる範囲を試験的に拡大するとともに、効果等につき十分な検証を行ったうえで、円滑かつ適正に実施するために必要な措置を講ずるものとする。」という文言が盛り込まれた。また、「各府省における調達に関する目標及び計画の作成に係る措置」として各府省に競り下げ方式や共同調達などの調達改善計画の策定を義務付ける規定が盛り込まれた。 [5]
諸外国における競り下げの事例
諸外国においては、競り下げ方式のことをリバースオークションという。 EU、米国、韓国などの諸外国では、「競り下げ」という入札方式を用いることで、行政コストを劇的に削減することに成功している。
財政赤字は各国で同じだが、英国は歳出削減と増税の比率を「歳出削減8:増税2」の比率とした。米国は、民主党と共和党の激しい論争の末、「歳出削減10:増税0」の比率となった。その一方、日本は、競り下げの導入が遅れていることもあり、ほとんどが増税という方向になりつつある。[6]
米国の例
米国のオバマ政権も、さまざまな歳出削減策の一つとして行政の発注のコスト改革に着手している。[3]
二〇〇九年にはAcquisition and Contracting Improvement Plans(直訳すれば調達契約改善計画)を策定し、調達や契約の改善による予算効率化の目標額を省庁別・分野別に設定し、全体では年間四〇〇億ドル(3.3兆円)としている。
EUの例
EUのフレームワークでも、リバースオークション(=競り下げ)は規定されている。[7]英国などでは、リバースオークション・共同調達などの改革で、調達コストが14%削減できたとされている。[8]
日本での競り下げの導入へ向けた動き
- 2010年
- 2011年
- 2012年
競り下げに関するマスコミの報道
- 2010年
- 2011年
- 2012年
競り下げに関する出版物
- 「総理、増税よりも競り下げを!脱・お役所価格で財政再建」(ダイヤモンド社・1,575円・村井宗明著・ISBN:9784478016664)・・競り下げの提案者である村井宗明議員(民主党行政刷新プロジェクトチーム事務局次長)が自ら解説した出版物[3]
- 「会社のコストを利益に変える リバースオークション戦略」(東洋経済新報社・1,680円・谷口 健太郎著)・・民間企業における競り下げ(リバースオークション)の導入によりコスト削減をした事例集
業者の賛否両論
立場によって導入に関しての意見は180度対立する。[3]
- 反対意見
- すでに、国の仕事を請け負っている法人・企業等で作る官公需組合受注確保協議会は、「民間企業が安く値切るのはわかるが、行政まで民間並みの安いコストにされてしまうと、私たちの経営が厳しくなる。」「私たちは国との信頼関係を築いてきたのに、国との信頼関係のない一般の企業が大量に参入してきてしまう。」と、競り下げ導入の閣議決定に反発した[17]。
- 賛成意見
- 今まで、国の仕事を受注できていなかった企業は立場が逆で、「国の仕事のほとんどには、参入したくても参入できない。いつも一部の「お決まり業者」だけが契約を取る慣習になっている。コネのない普通の中小企業が、国の仕事を受けようとすれば、ほとんどが「孫請け」か「ひ孫請け」になってしまう。その場合、「お決まり業者」に利益をピンハネされている。安くなっても、競り下げ方式などの公平で透明な入札制度の方がいい。」としている[3]。
競り下げを導入している主な民間企業
コスト削減が必要な民間企業では、調達方式を「競り下げ方式」に変えつつある。すでに、800社以上が導入しているとされる。民主党行政刷新プロジェクトチームの資料による「競り下げ導入企業」は下記の通り[8]
アサヒビール、イトーヨーカ堂、財団法人茨城県開発公社、オリエントコーポレーション、近畿日本鉄道、ジェーシービー、セブン-イレブン・ジャパン、セブン&アイ・フードシステムズ、全日本空輸、ソフトバンク、そごう・西武、第一興商、ダイエー、髙島屋、タカラトミー、学校法人中央大学、独立行政法人都市再生機構、独立行政法人労働者健康福祉機構、東京海上日動あんしん生命保険、東日本高速道路、富士電機ホールディングス、三井金属鉱業、郵便事業株式会社、横浜ゴム、ヨークベニマル、Olympic、日本トイザらス、日本百貨店協会、リクルート