精神保健福祉相談
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法的根拠
制度の法的根拠は、主として精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、地域保健法、および厚生労働省の業務運営要領に求められる。[5][6][4]
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第47条は、都道府県、保健所設置市および特別区に対し、必要に応じて、精神保健福祉相談員その他の職員または当該自治体の長が指定した医師に、精神障害者およびその家族等その他の関係者からの相談に応じさせ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならないと定めている。また、必要に応じて適切な医療施設の紹介を行うことも定めている。[1]
同法第48条は、都道府県および市町村が、精神保健福祉センター、保健所その他これらに準ずる施設に、精神保健および精神障害者の福祉に関する相談・援助を担う職員として精神保健福祉相談員を置くことができると定めている。[7]
2024年(令和6年)4月施行の改正では、都道府県および市町村が実施する精神保健に関する相談支援の対象が、精神障害者のほか「精神保健に関する課題を抱える者」まで明確化された。[8]
地域保健法第6条は、保健所の業務として「精神保健に関する事項」を掲げている。また同法第18条は、市町村保健センターを、住民に対し健康相談、保健指導および健康診査その他地域保健に関し必要な事業を行う施設と定めている。[6]
沿革
公的な精神保健相談制度の直接の起点は、1950年(昭和25年)の精神衛生法により精神衛生相談所が制度化されたことに求められる。施行通知では、公立の精神衛生相談所は当面、保健所または公立精神病院に併置して普及を図るものとされた。[9]
1965年(昭和40年)の精神衛生法改正は地域精神保健行政の転機とされ、この改正により保健所は地域における精神衛生行政の第一線と位置づけられた。以後、保健所は相談や訪問指導、家族会支援などの地域精神保健活動を担うようになった。[10][11]
1987年(昭和62年)には精神衛生法が精神保健法に改称され、精神保健指定医制度などが導入された。[12]
1994年(平成6年)の地域保健法制定は、保健所を広域的・専門的・技術的拠点へ、市町村保健センターを住民に身近な対人保健サービスの拠点へと再編成する契機となった。市町村保健センターは同法で法定化された。[13]
1995年(平成7年)には精神保健法が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改称され、精神障害者福祉が法体系上明確に位置づけられた。これにより、保健・医療に加えて福祉および社会参加の視点が強化された。[14]
2004年(平成16年)の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」は、「入院医療中心から地域生活中心へ」を基本方針として掲げ、地域での相談支援の重要性をさらに高めた。[15]
実施体制
名称
法令上の用語としては「相談及び援助」「精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談」などが用いられているが、自治体の住民向け案内では複数の名称が併用されている。主な例としては次のようなものがある。[1][4]
- 精神保健福祉相談 / 精神保健福祉相談日 - 愛知県半田保健所、京都府中丹広域振興局、京都府丹後広域振興局、福岡県筑紫保健所、宮城県大崎保健所など。[17][18][19][20][21]
- こころの健康相談 / こころの健康相談日 - 名古屋市北区、名古屋市名東区、北海道千歳保健所、三重県松阪保健所など。[2][22][23][24]
- こころの相談 - 宮城県塩釜保健所、神奈川県平塚保健福祉事務所秦野センター、静岡県富士健康福祉センターなど。[25][26][27]
- 精神保健相談 - 岐阜市など。[3]
- 精神保健福祉相談(こころの健康相談) - 岡山県。[28]
- 心の健康相談 - 広島県北部保健所など。[29]
精神科医の位置づけ
法令上、精神科医が相談を担当する場合は、都道府県、保健所設置市または特別区の長が指定した医師として位置づけられており、必ずしも「保健所嘱託医」という任用形態が法律上必須とされているわけではない。[1]
一方、実務上は「精神科嘱託医」または「精神科医(嘱託)」の形で相談日を担当する例が多い。厚生労働省の業務運営要領も、保健所の精神保健福祉業務を担当する職員として「医師(精神科嘱託医を含む。)」を挙げている。[4]
自治体の案内でも、名古屋市は各保健センターにおいて「精神科嘱託医によるこころの健康相談日」を設けているとし、大阪府和泉保健所および岸和田保健所は「精神科医(嘱託)」による相談日を案内している。[30][31][32]