統語論 (論理学)
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論理学において、統語論(とうごろん、英: syntax)とは、何ごとかを表現する形式言語あるいは形式体系における、よく構造化された実体の配列のことである。統語論は、言語の記号や語を構成したり変形したりするために用いられる規則にかかわるものであり、意味にかかわる言語の意味論とは対比される。

形式言語において表現される記号、論理式、体系、定理、証明は統語論的実体であり、それらに与えられうるいかなる意味とも無関係にその性質を研究することができ、また実際にいかなる意味も与えられる必要がない。
統語論は通常、形式体系の整式をなす形式言語のテクストの構成を支配する規則(あるいは文法)と結びつけられる。
計算機科学では、構文という語はプログラミング言語における整式な式の構成を支配する規則を指す。数理論理学におけると同様、それは意味論や解釈から独立している。
統語論的実体
記号
記号とは、観念、抽象、あるいは概念であり、そのトークンは、特定のパターンをなす印、あるいは印のメタ言語でありうる。形式言語の記号は、何かの記号である必要はない。たとえば、いかなる観念も指示せず、むしろ言語における句読点のような役割を果たす論理定項(たとえば括弧)がある。記号あるいは記号列は、その形成が言語の形成規則と整合するならば整式をなしうる。形式言語の記号は、それらのいかなる解釈にも言及することなく指定できるものでなければならない。
形式言語
形式言語とは、その語(通常は整式と呼ばれる)である記号の有限列の集合からなる統語論的実体である。どの記号列が語であるかは、通常は形成規則の集合を指定することによって、その言語の作成者が定める。そのような言語は、その表現のいかなる意味にも言及することなく定義できる。すなわち、それにいかなる解釈が割り当てられるより前に、つまりそれが何らかの意味をもつより前に存在しうる。
形成規則
形成規則とは、どの記号列が形式言語の整式であるかについての精密な記述である。それは、整式をなす形式言語のアルファベット上の文字列の集合と同義である。しかしそれは、それらの意味論(すなわちそれらが何を意味するか)を記述するものではない。
命題
命題とは、真または偽であるものを表現する文である[2]。命題は存在論的には、そのトークン事例が記号、印、音、あるいは語の列のパターンであるような観念、概念、あるいは抽象として同定される。命題は統語論的実体であり、また真理の担い手でもあると考えられる。
形式理論
形式体系
形式体系(論理計算、論理体系とも呼ばれる)は、形式言語と演繹装置(演繹体系とも呼ばれる)とからなる。演繹装置は、変換規則(推論規則とも呼ばれる)の集合、あるいは公理の集合、あるいはその両方からなりうる。形式体系は、1つ以上の他の式から1つの式を導出するために用いられる。形式体系は、他の統語論的実体と同様に、(たとえば算術の体系としてといった)いかなる解釈も与えられることなく定義されうる。
形式体系における統語論的帰結
論理式 A が、形式体系 において論理式の集合 Г の統語論的帰結であるとは、形式体系 において集合 Г から A への導出が存在することをいう[3][4][5][6]。
形式体系の統語論的完全性
形式体系 が統語論的に完全(演繹的に完全、極大完全、否定完全、あるいは単に完全とも)であるとは、その体系の言語の各論理式 A について、A または ¬A のいずれかが の定理であることをいう[8][9][10][11]。別の意味では、形式体系が統語論的に完全であるとは、矛盾を導入することなしに証明不可能な公理をその体系に公理として追加できないことをいう。真理関数的な命題論理および一階述語論理は意味論的には完全であるが、統語論的には完全でない(たとえば、単一の変数「a」からなる命題論理の言明は定理ではなく、その否定も定理ではないが、これらはトートロジーではない)。ゲーデルの不完全性定理は、ペアノの公理のように十分に強力な帰納的体系はいずれも、無矛盾かつ完全であることはできないことを示している。
解釈
形式体系の解釈とは、形式体系の記号に意味を、文に真理値を割り当てることである。解釈の研究は形式意味論と呼ばれる。解釈を与えることはモデルを構成することと同義である。解釈はメタ言語において表現され、そのメタ言語自体が形式言語でありうるので、それ自体もまた統語論的実体である。