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緑肥

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緑肥(りょくひ)とは、緑色植物をそのまま又は乾燥させて田畑に漉き込む肥料[1]。草刈りで得られた雑草のほか、緑肥とするために栽培される「緑肥作物」を使う[1][2]。土壌に窒素、カリウムなどの栄養や有機物を供給でき、空隙を増やして透水性を改善するといった土壌改良効果があるほか、緑肥作物の種類によっては線虫などによる病害の抑制につながる[1][3]。

代表的な緑肥植物のヒマワリ(小野市立ひまわりの丘公園)

狭義の緑肥作物という場合、有機態窒素などの肥料養分を圃場に供給する目的の作物をいう[4]。また、緑肥としての効果と風雨による表土流出の防止も兼ねて使われる植物を英語ではカバークロップ(Cover crop)と呼ぶ[5]。

植物などを腐熟させてから用いる堆肥とは区別される[1]。

背景

第二次世界大戦後、硫安(硫酸アンモニウム)、尿素など、安価な化学肥料が大量生産されるまでは、窒素肥料になる物は貴重品で、人間の糞尿、捕れすぎた魚や、食用にならない海藻(ホンダワラ(Sargassum fulvellum)など)とともに、肥料としてよく利用されていた。

有機農業など、化学肥料や化学農薬などを使わない又は使用量を抑える農法では現代においても重要であり、日本では農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が2020年に利用マニュアルを公開したほか、農林水産省が2021年に策定した『みどりの食料システム戦略』でも実現手段の一つに挙げている[1][3]。

自然に生える雑草だけでなく、植える農地の土壌の性質やそこで栽培を予定する農作物の種類、期待する土質の改良効果や防ぎたい病虫害に合わせて緑肥植物を選んで、種子を購入して植えることも多い[6]。

効果

狭義の緑肥作物の目的

先述のように、狭義の緑肥作物という場合、有機態窒素などの肥料養分を圃場に供給する目的の作物をいう[4]。トウモロコシなどのイネ科植物には有機物・易分解性窒素の供給の効果がある[4]。

緑肥にはマメ科(Fabaceae)の植物が使われることが多いが、これは以下のようなメリットがあるためである[2]。

  • 窒素固定をする
  • 耐寒性があるものが多く、秋から育てて春に漉き込める。
  • 根が長いものが多く、普通作物が利用できない深さの養分も集められる。
  • 漉き込まれてから分解しきるまでが早い。
  • マメ科植物の栽培で土地の通気性や排水性が良くなる。

緑肥作物導入の効果

緑肥作物導入の効果には、物理性の改善、化学性の改善、生物性の改善、そのほかの効果がある[7]。

  • 物理性の改善
    • 砕土性の向上[4]
    • 団粒化の促進[7]
    • 通気性や排水性の改善[7]
    • 下層土の膨軟化[4]
  • 化学性の改善
    • 保肥力の向上[7]
    • 有機物の供給[4]。緑肥作物は栽培期間中に根酸(有機酸)などの分泌物を放出する[7]。これによって地中の微生物の繁殖が助けられる[7]。一方で有機酸には有害な面もあるため、植え付け前に石灰を施肥して中和するか、排水をよくして有機酸の分解を早める必要がある[2]。
    • 施設野菜土壌の塩類濃度を下げる[6]。
    • 過剰養分の除去[7](クリーニング・クロップ[4])
  • 生物性の改善
  • その他の効果
    • 作物の保護 - バンカークロップや障壁作物など[4]
    • 被覆の効果 - 雑草の発生や土壌の侵食の抑制[4]
    • 景観の向上[4]

なお、輪作の維持を目的とするものに休閑緑肥や後作緑肥がある[4]。

緑肥作物

緑肥として栽培される例として、次の植物がある。マメ科(Fabaceae)、イネ科(Poaceae)の植物が多く見受けられるが、雑草を利用することもある。

マメ科
イネ科
その他

ギャラリー

脚注

関連項目

外部リンク

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