線 (ピエロ・マンゾーニ)

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: Linee)は、ピエロ・マンゾーニ1959年から1961年にかけて制作した作品シリーズ。紙に引いた線を巻いて筒や容器に封入した作品群で、通常は内部を見ることができない。作品の可視性よりも、封入、記述、署名、証明、想像によって成立する概念性に特色がある[1]

線シリーズは、紙に一本の線を引き、それを巻いて筒状の容器に収めたものである。外側のラベルによって長さや制作情報が示される一方、内部の線そのものは通常見ることができない。このため作品は、知覚される対象というより、存在を告知され、想像される対象として成立している[1]

制作

ジェラルド・シルクによれば、線シリーズは1959年から1961年にかけて制作され、紙に引かれた一本の線を巻物のように巻き、円筒形の容器やドラム缶状の入れ物に封入する形式をとった[1]。代表作の一つである《無限長の線》は1960年に19点のエディションで制作された[1]

マンゾーニは、線を封入した容器について、「容器を開けると線は消えてしまう」と述べ、さらに「私は『線』という観念を人々が買えるように、線を容器に入れる。私はアイデアを売る。容器に閉じ込められたアイデアを売る」と語っている[1]

特徴

線シリーズの最大の特徴は、作品の中核をなす線が見えないことである。絵画における基本要素である線は、ここでは視覚的対象ではなく、言葉、記述、証明、想像の領域へ移されている。ジェラルド・シルクは、この不可視性によって、線シリーズが経験的・物質的であると同時に、強く概念的でもあると指摘している[1]

また、線シリーズは商品と作品との関係も主題化している。作品は長さによって価格が設定され、「メートル単位で売られる芸術」として提示された。こうした形式は、のちの《芸術家の糞》における重量による価格設定とも通じている[1]

他作品との関係

ジェラルド・シルクは、線シリーズを《芸術家の糞》に先行する重要な作品群として位置づけている。封入され、通常は見えず、想像や観念によって成立するという点で、線と糞の缶詰は共通する性格を持つ[1]。また、マンゾーニが同時期に手がけた《指紋》や《芸術家の息》などの作品とともに、身体的痕跡、署名、証明、商品化をめぐる一連の関心の中に置かれる[1]

評価

線シリーズは、マンゾーニの概念的な展開を示す作品群の一つである。作品を直接見ることができないにもかかわらず、ラベル、署名、容器、証明によって作品が成立するという点で、後のコンセプチュアル・アートとの関連でも論じられてきた[1]

脚注

参考文献

関連項目

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