羊飼いのいる風景
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| イタリア語: Paesaggio con pastori 英語: Landscape with Shepherds | |
| 作者 | アレッサンドロ・マニャスコ |
|---|---|
| 製作年 | 1718-1725年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 93 cm × 130 cm (37 in × 51 in) |
| 所蔵 | 国立西洋美術館、東京 |
『羊飼いのいる風景』(ひつじかいのいるふうけい、伊: Paesaggio con pastori, 英: Landscape with Shepherds)は、17-18世紀のイタリアの画家アレッサンドロ・マニャスコが1718-1725年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。ウィーンの個人コレクションに由来する作品で[1]、1973年に購入されて以来、東京の国立西洋美術館に所蔵されている[1][2][3]。
マニャスコは1667年にジェノヴァに生まれ、ミラノで絵画を学んだ。その後フィレンツェなどへ旅をし、ミラノに戻ったころに、本作に見られるような激しい筆遣いの様式で描くようになった[3]。彼は表現力に富んだ奔放な技巧を駆使し、絵画のパガニーニとまで呼ばれたが、その作品にはだいたいにおいて暗い色調が用いられている。そのため、鑑賞者は昼なお暗い、得体のしれない不気味な世界を覗きこんでいるような感覚を持つことになる。また、マニャスコの風俗画や宗教画には、身振りで感情を誇張した人物が時に印象派を予告するような素早い筆致で描かれている[4]。このような筆致は、18世紀ヴェネツィア派の風景画家フランチェスコ・グアルディに引き継がれていく[2]。
作品


本作に見られる暗くも豊かな色調を持つ色彩、捻じ曲げられ、半ば陰に沈む細長い人物たちといった、幻想的で表現主義的な特徴は、マニャスコに典型的なものである[1]。羊飼いたちが休んでいる場所は墓地であり、彼らは牧歌的で優雅な世界に生きているのではなく、貧しく自然な世界に生きる人々である。有名な「我もまたアルカディアにあり」という「死」の言葉通り、画家は、生の厳しさとその終焉が自然の摂理であることを強調している[3]。
これは、現実の風景を写実的に表したものではない。ここに描かれているのは17世紀のバロック的伝統を踏まえた教訓的な風景画 (グエルチーノの『我アルカディアにもあり』を参照) であり、強調されているのは壮大な自然の美と威力に対する人間の卑小さと生の儚さである[1][3]。本作同様、国立西洋美術館に所蔵されている対作品『嵐の海の風景』[2]も、「奇跡の起きない祈り」をする無為の修道士と、嵐の中で網を打つという「実りのない労働」をする漁師を示している。マニャスコ晩年のこうした風景画は、懐疑主義的『風刺」風景画と呼ばれる[3]。
なお、近年の研究では、こうした風景画においてマニャスコは人物像のみを描き、自然の風景はアントニオ・フランチェスコ・ペルッツィーニ(1643/46-1724年)が描いたとする見解が提示されている[1]。