自由加群
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R-加群 M について、集合 E ⊂ M が M の基底であるとは、次の2条件を満たすことである。
- E は M を生成する。すなわち、M の任意の元は E の元に R の係数をかけたものの有限和である。
- E は一次独立である。すなわち、任意の E の互いに異なる有限個の元 に対して であれば、 となる。(ただし 0M は M の零元で、0R は R の零元である。)
R-加群 M が基底をもつとき、M は自由加群であるという[2]。
R が 基底数一定性質 (IBN) をもてば、定義によって任意の2つの基底は同じ濃度をもつ。勝手な(したがってすべての)基底の濃度を自由加群 M のランク(階数)と言い、濃度が有限ならば、M をランク n の自由加群、あるいは単に有限ランクの自由加群と言う。
(2) から直ちにわかることだが、(1) の係数はすべての x について一意的である。
無限自由基底の定義は、E が無限に多くの元をもつことを除いて、同様である。しかしながら、和は有限であり、どの x についても E の有限個の元しか含まれない。
基底が無限のとき、M のランクは E の濃度である。
構成
集合 E が与えられたとき、E 上の自由 R-加群を作ることができる。それは単純に R の|E| 個のコピーの直和であり、しばしば R(E) と表記される。この直和を C(E) と表記し、具体的に構成しよう。
- 台集合: C(E) は次のような関数からなる。f: E → R であって、有限個を除くすべての x ∈ E に対して f(x) = 0 である。
- 加法: 2つの元 f, g ∈ C(E) に対し、f + g ∈ C(E) を (f + g)(x) = f(x) + g(x), (∀x ∈ E で定義する。
- 反元: f ∈ C(E) に対し、(−f) ∈ C(E) を (−f)(x) = −(f(x)), (∀x ∈ E で定義する。
- スカラー倍: α ∈ R, f ∈ C(E) に対し、αf ∈ C(E) を (αf)(x) = α(f(x)), (∀x ∈ E で定義する。
C(E) の基底は集合 {δa: a ∈ E} によって与えられる。ただし
である。(クロネッカーのデルタの変形であり、 集合 {a} の指示関数の特別な場合である。)
写像 ι: E → C(E) を ι(a) = δa で定義する。この写像は E と基底ベクトル {δa}a∈E} の間の全単射を与える。 従ってこれらの集合を同一視できる。よって E は C(E) の線型独立な基底と考えることができる。
