荒川弘
日本の女性漫画家
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来歴
生い立ち
北海道広尾郡忠類村(現・中川郡幕別町)生まれ[3]。姉3人、弟1人の5人姉弟。
広大な土地(25ヘクタールの畑、本人曰く北海道では小〜中規模[4])と、大型農機による畑作(主にジャガイモ、カボチャ、トウモロコシなど)と、乳牛の飼育をする酪農を手がける農家に生まれる。
北海道帯広農業高等学校[5]に入学。高校時代は空手を習っており、黒帯を取得していて[6]、今でも10キログラムのダンベルを片手で持ち上げられる筋肉を維持している。
農業をしながら投稿活動
高校卒業後、弟が高校卒業するまでの7年間、家業の酪農と畑作農業を手伝いながら、「エドモンド荒川」のペンネームで、『ゲーメスト』内のイラストや『コミックゲーメスト』(共に新声社)の投稿4コマ漫画を手がけていた。
また、「ちきんぢょーぢ」のペンネームで、光栄(現・コーエーテクモゲームス)から出ていた歴史投稿誌「歴史パラダイス」にも、イラストや4コマ漫画などを投稿していた。当時の一部の作品のリメイクは、『三国志魂』に掲載されている。
漫画家デビュー
1999年にエニックス(後のスクウェア・エニックス)主催の『第9回エニックス21世紀マンガ大賞』にて、「STRAY DOG」が最高位である大賞を受賞。『月刊少年ガンガン』1999年8月号に掲載されデビュー。デビュー作としては非常にクオリティーが高く、後の『鋼の錬金術師』のテーマが伺える作品である。
1999年~2000年にかけて、衛藤ヒロユキのアシスタントを経て、連載作品の執筆に入った[8]。荒川は自作のファンブック等にて、衛藤に漫画のノウハウを多数享受されたと語っている。
2000年代
2001年、『月刊少年ガンガン』にて、『鋼の錬金術師』を初連載。2003年よりアニメ化&ゲーム化、2017年には実写映画化、2023年には舞台化されるなど大ヒットした。アメストリス国の存亡をかけた、壮大なストーリーを描いて2010年で完結する。
2006年、『ウンポコ』(新書館)にて『百姓貴族』を連載開始。2009年に同誌が休刊後は『ウィングス』(同社)に移籍。農業・酪農をしていた頃のエピソードをふんだんに詰め込んだ、作者の実体験に基づいたエッセイ漫画である。
2007年、『ガンガンパワード』にて、『獣神演武』を連載開始。2009年より『月刊少年ガンガン』で連載する。もともと原作小説の大原信弥とは、『三国志』同人つながりで、デビュー前の荒川弘に挿絵を依頼したことが始まりで、荒川が「アニメ版のキャラ設定のみ」を担当する予定であったが、2007年にアニメ化された後に、荒川が漫画連載する形となった。
2010年代
2011年、『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2011年19号より、自身初となる週刊誌にて『銀の匙 Silver Spoon』を2019年まで連載する[9][10]。同作は、2013年よりアニメ化、2014年には実写映画化された。
2013年、『別冊少年マガジン』(講談社)にて、2013年8月号より、田中芳樹原作のファンタジー小説『アルスラーン戦記』のコミカライズ版を連載開始[11]。同作は、2015年よりアニメ化された。
2020年代
2021年、『月刊少年ガンガン』にて、2022年1月号より、『黄泉のツガイ』を連載開始[12]。同作は、2026年にアニメ化された。
人物
デビュー前
デビュー後
- ペンネームや作風から男性と間違われやすいが、女性である。後述の「牛の自画像」も白黒斑のホルスタインで、本人曰く「ホルスタイン=乳牛=ほぼ雌牛なので、男性だと思われていたことはカルチャーショックだった」とのことである[17]。
- 自画像はサーモントメガネをかけた牛で、実家が酪農を営んでいることと丑年生まれで牡牛座であることに由来する[18][8]。この自画像は自身が主人公である『百姓貴族』に限らず全作品において使用。牛に関するオブジェや本も多く所有している[19]。2026年には『百姓貴族』の版権を基に、作者本人がフィギュア化された[20]。
- 2017年9月27日、TOKYO MX1で放送された、実写映画公開記念の原画展「鋼の錬金術師展」に伴い制作された特別番組『鋼の錬金術師展を100倍楽しむ方法』にVTRでテレビに初出演し、見どころなどを語った。画面に映る作者の顔の部分には上記の自画像イラスト(牛の顔)がスタンプされ「顔出しNG」の方針を貫いた。素顔は明らかにならなかったが、容姿や声は女性と分かるものであり、作者の性別を知らなかった視聴者やインターネットユーザーから驚きの声があがった[21]。
- 2007年に第一子の男児を出産。『鋼の錬金術師』連載中は妊娠中・出産後ともに一度も休載することがなかった。また、自身の子供について「15歳になったら自分の漫画を読ませて絶対面白いと言わせてやる…」「そうした将来の読者が出来たので戦いがいがある」と対談にて語っている[22]。子供の頃から牛の出産を目の当たりにしていたため、自身の出産に関しては「感動よりも出産手順の確認みたいになっていた」とも語っている[23]。その後2011年に第二子の長女を、2014年には第三子の次女[24]を出産した。
- 北海道の食料自給率の抜きん出た高さと、日本全体としての食糧自給率の低さを対比させた上で、都会人の食糧問題への認識の目に余る身勝手さと農家の実状を描きつつ「飢えたくなければ、銀座でベコ(牛)飼え。ヒルズを耕せ。」と訴えるなど、漫画家となった現在も一貫した農民視点の人物である[25]。これらの主張は『百姓貴族』においては所与の前提であり、一般作品でも『鋼の錬金術師』連載内の4コマ漫画や雑談ページ内などで時折書かれる。
- カラー絵は手書きで、コンピュータを使った作画は「私はどうもアナログ人間のようで」と苦手にしている[26]。『鋼の錬金術師』連載開始時は手元にあった絵の具を使用していたが、連載が進むにつれカラー原稿を描く機会も増え、手持ちの絵の具では事足りなくなったため、リキテックスに移行して[27]愛用している。
- 中国で『鋼の錬金術師』の海賊版が横行していたことを苦々しく思っていたので、『RAIDEN-18』の第3話で毛沢東と書いて「けざわひがし」と読むキョンシーを登場させたことがある。単行本発売記念のインタビューによると「海賊版を出せないような漫画を出そう」と思って描いたと語っている[28]。
受賞歴
- 1999年 第9回エニックス21世紀マンガ大賞(『STRAY DOG』)
- 2004年 第49回小学館漫画賞少年向け部門(『鋼の錬金術師』)[29]
- 2006年 第5回東京アニメアワード原作賞(『鋼の錬金術師』)[30]
- 2011年 第15回手塚治虫文化賞新生賞(『鋼の錬金術師』)
- 2011年 第42回星雲賞コミック部門(『鋼の錬金術師』)
- 2012年 第5回マンガ大賞(『銀の匙 Silver Spoon』)
- 2012年 第58回小学館漫画賞少年向け部門(『銀の匙 Silver Spoon』)[31]
- 2013年 第1回「コンテンツ・アワード・オブ・ジャパン・フード・カルチャー」大賞(『銀の匙 Silver Spoon』)
- 2014年 フランス発行の日本文化の情報フリーペーパー「Zoom Japon」「ベスト漫画賞」(『百姓貴族』)
- 2023年 次にくるマンガ大賞2023 コミックス部門2位受賞(『黄泉のツガイ』)
作品リスト
連載
- 鋼の錬金術師[32] - 『月刊少年ガンガン』(2001年8月号 - 2010年7月号・10月号)
- 獣神演武 - 『ガンガンパワード』(2007年No.3 - 2009年4月号)、『月刊少年ガンガン』2009年6月号 - 2010年9月号)、原案:黄金周、脚本:社稜
- 百姓貴族 - 『ウンポコ』(2006年vol.8 - 2009年vol.17)、『ウィングス』(2009年9月号 - 連載中) - 荒川自身の酪農体験を題材にしたエッセイ漫画。
- 銀の匙 Silver Spoon - 『週刊少年サンデー』(2011年19号 - 2019年52号)
- アルスラーン戦記 - 『別冊少年マガジン』(原作:田中芳樹、2013年8月号 - 連載中)
- 黄泉のツガイ - 『月刊少年ガンガン』(2022年1月号 - 連載中)
短編・読み切り
- STRAY DOG - 『月刊少年ガンガン』(1999年)
- 突撃となりのエニックス - 『月刊少年ガンガン』(2000年)
- この街の下で - 『東京魔人學園剣風帖短編集 3』(2000年)
- 上海妖魔鬼怪 - 『月刊少年ガンガン』『月刊ガンガンWING』(2000年、2002年、2006年)
- RAIDEN-18 - 『月刊サンデージェネックス』(2005年8月号、2006年1月号、2011年1月号、2021年2月号)
- 蒼天の蝙蝠 - 『ガンガンカスタム』(2006年)
単行本
- 鋼の錬金術師 CHRONICLE(2011年、スクウェア・エニックス)
- ヒーローズ・カムバック(2013年、小学館) - アンソロジー参加
- 三国志魂(スピリッツ) 上・下巻(2012年、コーエーテクモゲームス) - 杜康潤との共著。[33]
その他
- ギリシア神話解体新書(1998年、光栄) - 一部キャラクターのイラストを担当。
- 三国志6群雄バイブル(1998年、光栄) - 一部キャラクターのイラストを担当。
- 信長解体新書(1998年、光栄) - 一部キャラクターのイラストを担当。2009年に新装版。
- ぱにぽにだっしゅ!(2005年) - 第25話のエンドカードのイラストを担当。
- さよなら絶望先生(2007年) - 第8話のエンドカードのイラストを担当。
- 宮部みゆき『ステップファザー・ステップ』(講談社ペーパーバックスK版、2008年) - カバーイラスト。
- サラ・リース・ブレナン『デーモンズ・レキシコンI魔術師の息子』(2009年、メディアファクトリー) - カバーイラスト。
- 荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ(2010年) - 第10話のエンドカードのイラストを担当。
- ユリイカ 特集=荒川弘 2010年12月号(2010年、青土社) - 「鋼の錬金術師」特集
- 週刊新マンガ日本史 No.35 雷電爲右エ門(2011年、朝日新聞出版)
- ご当地マンホールカード(2023年) - 長野県東御市のマンホールカードイラストを担当[34]。
- ムーンライズ(2024年) - キャラクター原案[35]。