蛇王権現
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東北地方から九州地方にかけて、日本各地の寺社や祠・石碑などに数多くその名が確認されている。池や滝の主などとして祀られることが多い。
ヘビを信仰するという点で、弁財天などと同様に富をもたらす財神として、蛇王が祀られることも多い。山形県尾花沢市鶴巻田の旧家には、家の板の間を蛇王様が通ったときに残った鱗のあとを切り抜いて、蛇王大権現のご神体として、招財や養蚕の成功を願っていたという[2]。
宮崎県には、平家滅亡後に那珂郡に落ち延びてきた野辺相模守という武士が、追手から隠れるために入った大蛇に蛇王権現としてまつることを誓い、かくまってもらったという伝説がある。大蛇の穴に隠れて無事に追手から逃れることのできた相模守は、農民となったあとも約束どおり、大蛇を蛇王権現として祠にまつっていたという[3]。
鹿児島県の姶良では、「御池の主」として蛇王権現が祀られており、池の大蛇に生贄がささげられていたが、その大蛇を住吉大神が退治したという伝説を伴っている[4]。
江戸時代には、各地でヘビに対して神位が与えられる際にも称号として蛇王権現が用いられている。岩手県花泉町永井の蛇王権現社は、大蛇を殺した後に家の者に不幸がつづいたため、蛇の霊を祀った[5]のがはじまりだとされる。また、高知県の鎌井田村の蛇王権現も、江戸時代末期の嘉永年間に祀られたものだが、大蛇の棲む穴に祈ったことで病気が平癒したので、その大蛇に対して蛇王権現の位が与えられている[6]。