足底
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筋

足底の皮膚は毛が無く[1]、メラニン色素に乏しい[2]という特徴があり、他の身体の皮膚とはやや性質が異なる。また、汗腺が集中して存在するという特徴も有するが、足底には手掌と同様に毛が無いため毛包に開口する皮脂腺は存在しない[1]。足底の皮膚にはしわがあることも見て分かるが、このしわは手掌と同様、発生学的に胎児期のうちから既に確認できる[3]。
足底の皮膚は角質により厚くなっている[1]。これは全身の重力が足にかかっており、物理的な刺激に対して耐えられるようにするためである[4]。足底ではかかとや中足骨あたりに限局して力が加わりやすいが、これに対応できるように足底では皮下組織も発達している[5]。この皮下組織は外周がコラーゲン性の結合組織で覆われ、内部が線維脂肪組織で構成されている[5]。この皮下組織のそれぞれを区切る隔壁に血管や神経が存在している[5]。足底の特にアーチ状になった土踏まずの辺りには足底腱膜という厚い腱膜が存在している。足底腱膜の中心部は骨を支持しながら内側部と外側部に分岐して伸びている[6]。
足底に存在する骨は足弓(そくきゅう、いわゆる土踏まず)を形成している。これにより立っているときや歩いているときに大きく体重が足底にかけられても負荷が分散するようになっている[7]。足弓の構造が加齢により失われると扁平足になり、痛みや歩行障害の原因になる[8]。
内在筋
足底の内在筋は4層に分かれる。
第1層はいずれも足底腱膜のすぐ深層に位置している。短趾屈筋は足の中央に存在しており、第2-5趾の屈曲を行う。両側には母趾外転筋と小趾外転筋が存在しており、それぞれ母趾・小趾の底屈・外転作用を持つ[6][9]。
第2層は足底方形筋が短趾屈筋のすぐ深層に存在しており、長趾屈筋腱に停止している。長趾屈筋腱は足の虫様筋の起始を与える[6][10]。
第3層には母趾内転筋が存在し、中足骨底あたりで横走する横頭と足底の中央付近から母趾まで伸びる斜頭に分かれていて母趾の基部で合流する。母趾内転筋の内側には短母趾屈筋の2頭(内側頭・外側頭)があり、長母趾屈筋腱の深層に相当する。かなり小さい短小趾屈筋が外側にあり、骨間筋と混同しうる[6][11]。
第4層では背側骨間筋と底側骨間筋が中足骨の間に存在している。これらは作用的に背側骨間筋が趾の外転、底側骨間筋が趾の内転であるため互いに拮抗筋となっている[6][12]。
これらの筋はその停止する位置によって3つのタイプに分類できる。母趾の骨に停止する母趾筋群、小趾の骨に停止する小趾筋群、それ以外の中足筋群がある[12]。母趾筋群の筋は母趾外転筋、母趾内転筋、短母趾屈筋、小趾筋群の筋は小趾外転筋、短小趾屈筋、小趾対立筋、中足筋群の筋は短趾屈筋、足底方形筋、虫様筋、背側骨間筋、底側骨間筋が該当する[13]。
外在筋
足の外にある筋の腱が足底に到達することもある。
- 下腿の後区画の深層にある屈筋群の腱に後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、長母趾屈筋腱がある。これらの筋の腱は内果(内くるぶし)の後ろを通過して足底へ走行する[14]。
- 長腓骨筋腱と短腓骨筋腱は外果(外くるぶし)の後ろを通過して足底へ走行する[15][16]。
神経支配

足底には神経終末が200000にも及ぶほど多く存在していると考えられており、それにより触覚に対してきわめて感受性が高い[17]。歩いているときの足底と接する表面への感覚やくすぐりなどに敏感であり、ヒトによっては性感帯になり得る[18]。
脛骨神経の分枝である内側足底神経と外側足底神経が足底の皮膚感覚や筋の運動を主に支配している。内側足底神経は足底の内側(第1趾~第4趾内側半分)とこれらの趾の爪床の皮膚感覚を支配している。母趾外転筋、短母趾屈筋、短趾屈筋、第1虫様筋の運動も支配する[19]。一方で外側足底神経は分枝の浅枝・深枝が足底の外側(第4趾の外側半分~第5趾)とこれらの趾の爪床の皮膚感覚を支配している。足底方形筋や小趾外転筋、短小趾屈筋、第2-4虫様筋、母趾内転筋、背側骨間筋、底側骨間筋の運動も支配する[19]。
内側足底神経は総底側趾神経を3本分枝する。外側足底神経も浅枝から総底側趾神経という同名の神経が分枝しており、これらは母趾の内側部と小趾の外側部を除いた[注 1]足底の趾の皮膚感覚を支配する。また、第1虫様筋の運動も支配する[19]。総底側趾神経からは更に固有底側趾神経が分枝しており、趾の足底側以外に趾の足背側の遠位部の感覚も支配する。短母趾屈筋の運動も支配する[19]。
内側足底神経や外側足底神経を分枝する脛骨神経には内側踵骨枝という分枝もあり、この分枝はかかとの辺りの皮膚感覚を支配する[20]。
大腿神経から分枝した伏在神経は足の内側と下腿内側の感覚を支配する。同様に腓腹神経は足の外側と下腿後面の皮膚の感覚を支配する[19]。
血管による栄養
足底は主に後脛骨動脈から分枝した外側足底動脈と内側足底動脈により栄養される[21]。後脛骨動脈は内果(内くるぶし)の後ろから足根管という管状の構造に入り[21]、内果と踵のおおよそ中点あたりで外側・内側足底動脈に分枝する[22]。ただし、全ての足底に分布する動脈が後脛骨動脈由来ではなく、前脛骨動脈から分枝した足背動脈の枝も混ざっている。足背動脈は第1・2中足骨の辺りで深足底動脈を分枝し、内側足底動脈と外側足底動脈が吻合した足底動脈弓に混ざる[23]。