身近な自然
From Wikipedia, the free encyclopedia
日本語では慣用句として「身近な自然」という表現が多用されるが、地球上にはそうした環境すらない地域も多い。そのため英語では「familiar nature」以外にも「beside nature(傍にある自然)」「present nature(そこにある自然)」などIUCNの中でも様々な言い回しがある。
IUCNが「身近な自然」に着目したのは、文化遺産において文化的景観という概念が採用され、生活圏に近い自然が重視されるようになったことによる。「身近な自然」は必ずしも大規模なものでなくても構わず、生物多様性なども求めない。隔絶された自然より里山や都市との景観接続があり、自然と人間の共生や森林計画など社会的環境に比重が置かれる[2]。
実践例としては、イギリスの湖水地方が過去に世界遺産に推薦した際には登録が見送られたが、改めて文化的景観と「身近な自然」として文化的環境に視点を切り替えたことで2017年に登録されるに至った経緯がある[3]。
また、同じイギリスのキュー王立植物園やシンガポールのシンガポール植物園など、植物園も世界遺産となっている。
日本では神社の鎮守の森のように宗教が自然崇拝と近い関係(神道の緑性)にあることから居住地内などでも身近なところに自然があるほか、伝統的な自然農法に必要な雑木林を保護したり、都市公園法により都会のオアシスとして緑地が整備されるなど、他国に比べ「身近な自然」が多く恰好のモニタリング地となっている。トトロの森がある狭山丘陵とその恩恵をうける三富新田(武蔵野の落ち葉堆肥農法として日本農業遺産と世界農業遺産に登録)の関係と、その所在地周辺が宅地造成されている地理的条件は好例とされる。
また、「nature」には「本性」の意味もあり、パーマカルチャーにおいて「familiar nature」は「身近な人間性」という解釈も採り、人間が自然回帰できる場という意味も加えている[4]。
- 身近な自然として世界遺産になった英国湖水地方
- 里山の入会地
- 都会の身近な自然
明治神宮の森 - トトロの森がある狭山丘陵
