1つの原子による電子の弾性散乱では、相互作用ポテンシャルを V(r) とすると、散乱波の波動関数は次のように表される。

ここで f(θ, φ) は原子による散乱振幅で、原子散乱因子と呼ばれる。たとえば原子による電子散乱では、原子散乱因子は原子ポテンシャルのフーリエ変換である。

ここで K は入射波と散乱波との差を表すベクトルであり、散乱ベクトルと呼ばれる。散乱強度(散乱断面積)は原子散乱因子を用いて次のように表される。

結晶による電子散乱では、V(r) を結晶による相互作用ポテンシャルに置き換えればよい。結晶における V(r) は次のような並進対称性を持つ。

ここで次式で定義される結晶構造因子を導入する。

すると結晶による散乱強度(回折強度)は結晶構造因子の絶対値の2乗に比例することがわかる。

つまり結晶全体の構造因子は、単位格子内の基本構造の干渉を表す結晶構造因子と、格子による干渉を表す関数(平行6面体の場合はラウエ関数、回折条件についての情報を含む)との積で表される。
回折強度の式に含まれる次の関数を考える。

これは Ni が十分に大きければ、K⋅ai/2 = π × n(ただし n は整数)でのみ値を持ち、それ以外は0であるデルタ関数となる。よって回折強度が0でない条件(回折条件)は、次のラウエ条件で与えられる。

このことは、結晶の逆格子ベクトル Ghkl = ha*
1 + ka*
2 + la*
3 と散乱ベクトル K = ki − k が一致することと同等である。

このことを逆格子空間で考えると、エワルド球上に逆格子点が存在していることに対応している。
またこの式の両辺の絶対値をとるとブラッグの法則が得られる。